群馬県片品村|絶景ワーケーションと、アウトドアアクティビティ満喫の旅へ

2020年10月上旬。群馬県の丸沼高原にて2泊3日のワーケーション×アクティビティ体験ツアーが開催されました。ツアーでは、百名山である日光白根山への登山をはじめ、カヌーやE-BIKE、釣り、キャンプなど多彩なアクティビティが盛りだくさん。電源やWi-Fiなども完備され、山の中腹とは思えない充実した設備が整っているこの場所に訪れたのは、都会での仕事に疲れたとあるサラリーマン(YAMAP MAGAZINE編集部所属の筆者)でした。東京から新幹線と車を乗り継ぎ5時間ほど。大自然の中でのワーケーションを通して体験し、感じたことをお伝えしまします。

2021.02.24

コーマ

YAMAPスタッフ

INDEX

日本で1番標高が高い!? 自然を感じる標高1,500mでのワーケーション

車を降りると、まずは上着を羽織った。都内であれば、10月初旬はまだそこまで冷えないけれど、今いる場所の標高は1,500mほど。百名山で知られる日光白根山の中腹に位置する丸沼高原は、この時期になると昼間でも風の冷たさを感じる。

時世柄、会社ではリモートワーク推奨となり、都内1K5畳の小さな部屋にて日々仕事に勤しんでいる。つらい。正直とてもつらい。自然が大好きで田舎育ちのぼくにとって、このコンクリートジャングルでの生活は、身体に電波が当たるような感覚さえ覚える。

そんな中、縁あって大自然の中でアクティビティを楽しみながら仕事もできるぞ、というツアーに参加できることになった。大喜びでザックを引っ張り出し、登山ギアを(仕事道具も)詰め込み、新幹線に飛び乗り、はるばる群馬の山奥までやってきたのだ。

舞台となるのは丸沼高原オートキャンプ場。冬はスキー場として賑わっている丸沼高原だが、ウィンタースポーツの時期以外にはオートキャンプ場として営業されている。

「手ぶらでキャンプ」と銘打ち、電源付きサイト、常設テントだけでなく、なんとWi-Fiも完備。手軽にキャンプが楽しめるどころか、どこでも働ける時代にぴったりの設備が整っているというから驚きだ。

施設もさることながら、今回は余暇を楽しむアクティビティーも充実している。関東以北最高峰を誇る日光白根山への登山はもちろん、ツリーアドベンチャーやE-BIKE、カヌーや温泉、森林浴など盛りだくさん。周辺エリアを余すことなく楽しめる企画とあって、モチベーションも充分高い。 しっかり遊んでしっかり働く。そんな旅のテーマを体現すべく、到着後には早速仕事に取り掛かる。まずは、ワークスペースとして用意された施設、「とんふぁん」へ向かった。

冬の時期には食堂としてが多くの人で賑わっているが、今回は貸し切り

仕事のメールを打つことも、写真や動画のダウンロードも問題なし。山の中で仕事ができている…と感動が止まらない。雄大な自然の中に身を置き、清々しい気分を感じながらも、リアルタイムで仕事ができる。時流に乗った新しい働き方に溜まった仕事もどんどん捗る。

窓の外に目を向けると、いつの間にか夕暮れが近づいていた。テントを設営する時間だ。

仕事中はこのような感じ。各自距離を取り、集中モード

今回の宿は、アウトドアマニアの中でも話題沸騰中のガレージブランド「ゼインアーツ」の「ゼクーM」というテント。今回のツアーのために取り揃えたという。削ぎ落とされたシンプルなデザインに、どこか男らしい無骨さも感じテンションが上がる。試しにテントの前にヘリノックスチェアを設置しパソコンを開いてみると、なんとWi-Fiがここまで届く! 大自然に囲まれ、テントの中で仕事ができるなんて、アウトドア好き、非日常好きにはたまらないコンテンツ。

休憩がてらコーヒーミルで豆を挽き、バーナーでお湯を沸かしてゆっくりとドリップをする。一口飲むと、冷えた身体の隅々まで温かいコーヒーが染み渡る。ほっとしながら、遠くに見えるまちなみを眺めた。

座禅温泉で星空露天風呂

すっかり日も落ちあたりは真っ暗。晩ごはんの時間になったので夕食の会場へと移動する。テントサイトから5分ほど下った場所にあるシャレー丸沼は、宿泊もできるどこか懐かしい雰囲気のレストハウス。朝夕の食事はここでいただく。日光白根への登山者もここで食事を済ませてから登山に向かうそうで、料理はボリューム満点。これはエネルギーになる。

ある日の朝ごはん。地元の食材をふんだんに使った食事。3泊4日だったが、毎回日替わりなのも嬉しいところ

食後の楽しみにしていたのが、シャレー丸沼内にある座禅温泉。丸沼高原スキー場のゲレンデのすぐそばに湧く温泉で、その名は日光白根山の外輪山である「座禅山」が由来。スキー客はもとより、登山客にも人気の温泉だ。

露天風呂から立ち上る湯気の彼方には、満天の星が輝いていた。視線を下に向ければ、そこには座禅山の雄大な輪郭が闇の中に存在感を示している。「東京の小部屋からは見れない景色だなあ」としみじみ感じながら、疲れた身体に染み渡る温泉をしばらく楽しんだ。

明日はワークに加えてアクティビティも楽しむ日。寝袋にくるまりながら期待が高まる。仕事をするだけじゃなく旅先の土地をしっかり堪能しようと心を踊せながら、時折鹿の鳴き声が聞こえる大自然の中で眠りについた。

大興奮のE-BIKEとツリーアドベンチャー

キャンプ場の朝ははやい。朝日とともに鳥たちが鳴き始めた。軽く散歩をしてコーヒーを飲むと頭もすっきりする。さっそく朝の仕事に取り掛かる。何度でも言うが、大自然の中での仕事は素晴らしい非日常。とても捗る。

3時間のワークを終え、最初のアクティビティとして用意されたのはE-BIKEという電動自転車。「これでゲレンデを駆け回れますよ」と言われたときにはさすがに耳を疑った。なんでもこのE-BIKEで、ロープウェイの1番上の山頂駅にも行けるのだとか(後述するが山頂駅には天空の足湯があり、標高は2,000m。ここから激坂を500mも登る)。

E-BIKEはYAMAHAのもの

丁寧なレクチャーを受けるとすぐに勘を掴むことができた。スキー場の激坂も、馴染みのある自転車からは想像もつかないほど縦横無尽に走り回ることができた。これは楽しい。 モードは4種類(ECO/ECO+/HIGH/EXTREME)が備わっており、これらのギアを入れ替えつつ、時折段差に気をつけながら進む。ほどよいスリルと風を切る気持ちよさが爽快だ。

ゲレンデもすいすい走り回れる

そのまま次のアクティビティーを行う「ツリーアドベンチャー丸沼」まで移動する。テント場から自転車で1分ほどの場所にある。ここには、木々の間をロープや木道、ジップラインなどでつないだコースが設置されており、スリル満点の冒険を楽しむことができる。難易度別に3つのコースがあるため、子ども連れでも安心だ。

高いところで10m以上にもなる足場を進むのだが、全員ハーネスとカラビナを装着するので、安全が保証されている。ジップラインや揺れる橋、絶対に足を滑ることが許されないスリル満点のコースを進んでいく。

自分でも今まで気づかなかったが、どうやら軽く高所恐怖症の性質があるようだ。目の前には、同じくこの高さに怯える小さな姉弟が、今にも泣きそうな面持ちでゆっくりと進んでいる。歳の差はあれども気持ちは同じだ。3人で声を掛け合いながら進み、ようやくゴール。最後は揃って冒険の達成感を味わうことができた。

天空の足湯に浸かり、仕事に向けた英気を養うのだが…

次は全員でロープウェイに乗り日光白根山の山頂駅を目指す。山頂駅へは片道15分ほど。展望台を兼ねた「天空の足湯」、「天空カフェ」、季節の高山植物を楽しめる「ロックガーデン」に「二荒山神社」など、登山者以外でも十分に楽しめる環境が整っている。

山頂駅につくと、目の前には山頂が三つ又にそびえる百名山の日光白根山が一望できる。展望台では「天空の足湯」が湯気をもうもうと漂わせていた。標高2,000m付近を吹き抜ける冷たい風の中、足からゆっくりと身体全体が温まってくるのを感じる。高めの温度が心地良い。明日登る日光白根山を眺めながらの足湯。この時間、なんて贅沢なんだろう。

絶景を見ながらだと仕事がサクサクだ!!(と言う参加者をパシャリ)

極めつけはここにもWi-Fiが通っている。仕事ができてしまう…。ワーケーションの環境が整いすぎてる。ここまでパソコン持ってこなくてよかった…。と少し安心をしたりする。よし、降りたら、降りたら仕事をしよう。別の参加者のキーボードを叩く音がカタカタと響いていた。

足湯のあとには、同じく山頂駅にあるカフェでおしゃれなランチを

山頂駅から戻ると、ワークをする人と釣りに行く人とで分かれるとの案内が。ここで釣り好きの血がつい騒いでしまい、ついつい釣り班に混ざることに。ワーク×バケーションでワーケーションのはずが、このあたりからはほぼほぼバケーションに…。

釣り堀がある白根魚苑は広大な苑内に釣堀や日本庭園があり、落ち着く雰囲気。道具はすべてレンタルできるので気軽に釣りが楽しむことができる。

釣り堀にはたくさんのニジマスやヤマメなどが泳いでいた。釣り糸を垂らすとまさに入れ食い状態。魚釣りは、釣れるから楽しいのだ。食べきれないほど釣れてしまったので、待っているスタッフや他の参加者さんへのお土産にすることに。

その場で塩焼きにできる。釣り中はエキサイトしすぎてしまい、写真がなかった…

あっという間の2日目も、もう夕暮れ。アクティビティ満載で、大満足。テントサイトを中心に色々なアクティビティが完備されており、コンパクトでバラエティに富んでいる地域だと感じる。明日の登山に備えてこの日ははやく就寝した。仕事は…、聞かないで欲しい。

絶景の日光白根登山

日光白根山の登山口は、ロープウェイ山頂駅からアプローチできる。美しい百名山の大自然をしっかりと満喫するために、この日はガイドツアーが予定されていた。案内してくれるのは、笑顔の素敵なガイドの宮崎さん。かの冒険家植村直己さんの捜索隊メンバーでもあったというから驚きだ。全員靴紐を結び直し、リュックを背負い、百名山・日光白根山頂へと出発をした。

威厳たっぷりな白鬚をたくわえているのが宮崎さん

山の中は歩くだけで気持ちが良い。東京で生活をしていると、土を歩く機会は少ない。一歩一歩を踏みしめるたび、足裏から自然のパワーを感じる。

道中での宮崎さんのうんちくも止まらない。雪が降ったらトドマツの下は空洞だから避難できるんだよとか、この木の皮は燃えやすいから焚き火の着火剤にしなさいとか、教科書にはない命を守る術が面白い。自然の森羅万象すべてに意味や歴史があると知り、山の奥深さと語り部と行くガイド登山の魅力を実感した。

日光白根山は関東以北では最高峰であり、植生の変化も多様、登山道を歩くだけでも発見が多い。樹林帯を抜け、森林限界を超えるとその山容は大きく姿を変える。荒涼としたその風景からは、火山活動を繰り返してきたこの山の成り立ちを感じることができる。

登山口からのんびりと歩き、3時間ほど。ごつごつとした岩を超え先を見上げると、いよいよ山頂が近づいてきた。もうすぐ絶景が待っていると期待も高まる。そしてなによりやっぱり登山は晴天に限る!

山頂には360度の眺望と抜けるような青空が広がり、まさに登山日和。参加者同士で達成感を分かち合う。ランチはシャレー丸沼の特製弁当だ。青空の下、山頂で食べるご飯はどうしてこんなにも美味しいのか。 他の参加者も各々昼寝をしたり、写真を撮ったりと自由な山頂時間を過ごしていた。

足下には、荒涼とした岩場が広がる。火山活動の荒々しさそのままに存在感を示す溶岩群は、この山域をフィールドにする登山者にとっては見慣れた光景。だが、今日が初登山だという参加者はみんな大興奮。名もなき絶景、これはバズる…!とひたすらにシャッターを切っていた。

下山途中には湖沼によったり、高山植物であるシラネアオイの群生地を見たりと、コース上にも見どころがたくさんある日光白根山。宮崎さんの適切なルート案内やフォローによって怪我することもなく、終始楽しい雰囲気で登山を終えることができた。

この日は最後の晩ごはんということで、参加者みんなでバーベキューをする予定だったが…あいにくの雨。

準備は進めていたので、急遽大きなタープの下で行うことに。雨の音と焚き火の音を聞きながらのバーベキューも、慣れてしまえばオツなもの。地元の肉や野菜を焼き、昨日釣った魚は、アクアパッツァに生まれ変わったりと大満足。今回の旅について、お互い感じたことを語り合いながら、最後の夜は更けていった。

YAMAPがSAPPOROビールと共同開発した「おつかれ山ビール」で乾杯

あいにくの天気でカヌーはできなかったけど

最終日の朝。起きても雨は降り続いていた。

バーベキューの途中から大変な雨が降ったので、急遽テントから荷物を引き上げ、シャレー丸沼に宿泊をしていた(この原稿の冒頭、アウトドア好きと言っておきながら恥ずかしい限りだが、正直、やはり睡眠はふかふかの布団に限る…)。

最終日は宿泊地からほど近くにある菅沼でのカヌー体験だったのだが、結局は中止に。菅沼は本州で1番透明度が高いとされており、湖面からの景色はこの旅で最も楽しみにしていた体験のひとつだっただけに、残念…。天気に左右されるのは、アウトドアアクティビティの宿命だ。「雨には雨の楽しみ方がある」と自分を納得させ、別の楽しみを模索することにした。

その気持ちは、このツアーを主催してくれたスタッフももちろん同じ。色々と検討・手配を駆使してくれた結果、雨でも楽しめる近隣の観光地を案内してくれることになった。
3日間お世話になった丸沼高原に別れを告げ、霧がかった道を車で進む。まずは片品渓谷にかかる吹割の滝へ。

階段を降りると身体に轟音が響いてきた。前日から降り続く雨のおかげで水量も多い。大きな滑(なめ)を流れ激しく落ちる片品川の清流は、東洋のナイアガラと称される。落差は約7メートル、横幅は約30メートルにも及ぶ。滝の近くまで寄ってみると、圧倒的な迫力がぶつかってくるようだった。

吹割の滝は凝灰岩・花崗岩が侵食されてできた。上から見ると大地が裂けたような形をしている。巨大な岩が割れ、三方向から流れ込む大量の河水が滝壺に跳ね返り、しぶきが吹き上げる様から「吹割」と表現されているそうだ。先ほどまであいにくの空模様を恨んでいたが、増水によって迫力を増した滝を前に「雨の日に来れてよかった」とさえ思えてくる。我ながら現金な性格だ…。

滝沿いを1時間ほどで一周でき歩ける遊歩道も整備されている

次に訪れたのは道の駅川場田園プラザ。吹割の滝から車で20分ほどとアクセスもよく、訪れやすい。全国に約1,000箇所以上あるという道の駅の中でも、道の駅アワードNo.1など様々な賞に輝いているのだとか。とにかく広い。「道の駅の常識を超えている」といっても過言ではないだろう。東京ドームほどの広々とした敷地内には、飲食店を中心とした店舗が10店舗以上点在している。子どもが遊ぶスペースもあり、「家族で一日遊べる道の駅」がコンセプトになっているそうだ。

個人的なおすすめはカフェ・ド・カンパーニュというクレープ屋。絶品だったのでぜひ食べていただきたい。中目黒にあるオーガニック野菜スイーツ専門店「パティスリー・ポタジエ」のオーナーパティシエール、柿沢安耶さんがプロデュースをしているとのこと。クリームも甘すぎず、生地からもほのかに味わいを感じ、非常に食べやすい。

最終日はあいにくの雨による予定変更もあって、前日までとは一転、観光地を巡る旅となった。しかし、景勝地を訪れ、現地の特産品やお土産を物色する王道の旅も、やっぱり楽しい。旅の魅力は、こうして様々な体験から地域を知っていくことで深まっていくのだと思う。

解散の挨拶を終え、東京行きの新幹線に乗車した。
ワーケーションというにはあまりにもアクティビティが多く充実した3泊4日。おかげで準備してきた仕事はほとんど終わらせることができなかった。しかしこれは僕が仕事をしていないというよりも、この土地が魅力的で、体験できることが多すぎたことが原因である。自身の意思薄弱さによるところも大きいのだが…、今後このツアーを体験する方には「誘惑に負けず、仕事もしっかりと!」とアドバイスしたい。

帰路の車窓から、だんだんと遠ざかる日光白根山を眺める。徐々にビルが多くなり、残っている仕事が頭をよぎる。ああ、またあの1K5畳に戻るのかと現実に引き戻されていく。スリリングなツリーアドベンチャーの手触り感やE-Bikeを走らせて感じる風。登頂した達成感と山頂でのご飯の美味しさが忘れられない。次こそはカヌーの上で何も考えず、ぷかぷかと過ごしたい。 妄想に浸っていると、車内に到着のアナウンスが響いた。

コーマ

YAMAPスタッフ

コーマ

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YAMAP初の新卒採用。世界一周しました。南米パタゴニアが好きです。

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