紅葉登山おすすめの山&コース|登山系YouTuber・Linmokuさん厳選

秋といえば紅葉登山! この時期だけの絶景を、毎年楽しみにしている人も多いのでは? 登山系YouTuberとして活動中のLinmokuさんに、秋に歩きたいおすすめの山・コースを教えてもらいました。行き先に迷っている人は、ぜひご参考に!

2021.10.29

Linmoku

ソロハイカー

INDEX

秋の紅葉登山、Linmokuさんにとっての醍醐味は?

紅葉シーズンは、暑い夏が終わり、日差しも和らぎ、汗だくにならずとも山歩きが楽しめる季節。日帰りの低山ハイクなら、初心者の方でも手軽に感動体験ができます。もちろん日が短くなる秋だからこそ、低山だからこその注意点はありますが、行き先を選べばビギナーでも比較的トライしやすいという点は、紅葉登山の魅力ではないかと思います。

さらに、秋は新しいことにチャレンジしたくなる季節でもあります。登山未経験の方は、是非とも秋山ハイクから初めてみてはいかがでしょうか。きっと新しい出会いや発見があり、山歩きの楽しさに目覚めるきっかけになることと思います。

紅葉登山おすすめコース① 双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳

■ 活動日記(登山記録)

■ コース概要(行程/所要日数/行動時間)
行程:新穂高センター~わさび平~鏡平山荘~双六小屋~双六岳~双六小屋~三俣蓮華岳~三俣山荘~鷲羽岳~三俣山荘~双六小屋
所要日数:3日間
行動時間:1日目/新穂高センター~わさび平~鏡平山荘~双六小屋~双六岳~双六小屋(10時間)|2日目/双六小屋~三俣蓮華岳~三俣山荘~鷲羽岳~三俣山荘~双六小屋(9時間)|3日目/双六小屋~鏡平山荘~わさび平~新穂高センター(5時間)

■ このコースを歩いたときの動画

■ 見どころ・おすすめする理由
健脚をうならせる健脚コースなので初心者の方にはお勧めできません。標高2,000m超の山行にある程度慣れている方で、静かなトレイル歩きをしたい方にお勧めです。

10月上旬は、2,000mを過ぎたくらいから紅葉が始まります。ナナカマドが朱に染まり、急峻な斜面に暖色の絨毯が広がります。立ち止まっては写真を撮りの繰り返しで、なかなか前に進めなくなります。

極めつけは鏡平山荘手前にある鏡池。池の周りの木々は紅葉で色づき、槍穂高の山容が池に鏡の様に映し出されます。コース最高の人気撮影スポットです。鏡平山荘から弓折乗越までもトラバースも、槍穂高を眺めながら素晴らしい紅葉の眺望が得られます。

■ 思い出深いエピソード
新穂高センターから双六小屋までの間には2つの山小屋があります。1つ目はわさび平。ここはそうめんとトマトやきゅうりが人気で、お土産の手ぬぐいも、トマトときゅうりがあしらわれたデザインとなっており人気です。私は下山時にそうめんを食べましたが、これが疲れて火照った体にピッタリ! 美味しさが全身に染みわたりました。

もう1つの山小屋・鏡平山荘はかき氷が有名ですが、個人的にはカレーライスが一押し。手作りだと思うのですが、めちゃくちゃおいしかったです。

紅葉登山おすすめコース② 御在所岳(中登山道 – 裏登山道)

■ 活動日記(登山記録)

■ コース概要(行程/所要日数/行動時間)
行程:中登山道登山口~おばれ岩~地蔵岩~キレット~富士見岩~御在所岳山頂~国見峠~国見岳~藤内小屋~中登山道登山口
所要日数:1日
行動時間:8時間

■ このコースを歩いたときの動画

■ 見どころ・おすすめする理由
御在所岳は鈴鹿セブンマウンテンで最も人気の山で、日本二百名山に選ばれています。また、ロープウェイで山頂付近までアクセスできるので、登山装備が無くても山頂まで行くことができます。

今回ご紹介するコースは、登りは中登山道で最も人気のあるコース。下りは少しマイナーな裏登山道で下山します。地点ごとの見所と景観をざっくりお伝えすると…

・「おばれ岩」と「地蔵岩」
まず、御在所岳には奇岩が多く、2枚の大きな岩が重なった「おばれ岩」、サイコロ状の岩が見事なバランスで支えられている「地蔵岩」(サイコロが落ちないことから受験にもご利益があるとか?)は、撮影スポットとして人気があります。

・鎖場と絶景
6合目のキレットには鎖場があり、スリリングなアスレチック体験ができます。そして7合目の「かもしか広場」、8合目の岩峰あたりからは紅葉の眺望が素晴らしい絶景ポイント。ただし、コースが狭いため紅葉シーズンはすれ違い渋滞が発生しやすいのでご注意を。

・山頂付近の大絶景
そして最後の9合目、「富士見岩」からの眺望は紅葉の核心部! ロープウェイと紅葉の撮影にシャッターが止まりません。そこから山頂までは、スキー場の開けた緩やかな斜面を歩きます。山頂で眺望を眺めながらお弁当を食べるのも格別です。

・国見岳から ”おかわり絶景”
山頂でランチを楽しんだら、国見峠を経由して国見岳まで足を延ばしてみるのもおすすめ。国見岳に向かうトレイルの紅葉も素晴らしく、撮影スポットが随所にあります。国見岳山頂で、御在所岳を北側から眺めるのもまた一興。

・裏登山道で下山
ロッククライミングで有名な大迫力の岩の壁「籐内壁」と谷筋の紅葉を堪能し、歴史あるノスタルジックな藤内小屋で一服。トラバースで中登山道に合流して下山します。下山後は湯の山温泉で疲れた身体を癒しましょう。

■ 思い出深いエピソード
昨年秋、紅葉の御在所岳に初めて登り、こんなに紅葉の素晴らしいお山が近くにあったのかと驚きました。灯台下暗しですね。10月下旬から11月中旬くらいの週末は多くのハイカーでにぎわいますので、登山道駐車場は早々に満車となり、大渋滞が発生します。

紅葉登山おすすめコース③ 荒島岳(勝原コース)

■ 活動日記(登山記録)

■ コース概要(行程/所要日数/行動時間)
行程:旧勝原スキー場駐車場~しゃくなげ平~もちが壁~荒島岳~しゃくなげ平~小荒島~しゃくなげ平~旧勝原スキー場駐車場
所要日数:1日間
行動時間:7時間

■ このコースを歩いたときの動画

■ 見どころ・おすすめする理由
荒島岳は標高1,523mでさほど高くはないですが、その山容は美しく、大野富士とも呼ばれている日本百名山の一つです。

旧勝原スキー場跡から登山開始、300m程スキー場の跡を登ります。そこからが本来の登山口(登山口の標識あり)。登山口からしゃくなげ平までは静かなブナの原生林を歩いていきます。

荒島岳山頂に上り詰める最後の急登「もちが壁」は、コース最大の難所で、すれ違い困難な場所。声をかけながら登りと下りを交互に譲り合いながら進みましょう。

慎重に登り切れば山頂です。天気が良ければ山頂から白山を望むことができ、その眺望は圧巻。紅葉シーズンにこの辺りを歩くなら、しゃくなげ平から小荒島へ向かうやや平坦なトレイルが個人的には最もおすすめ。静かなブナの紅葉のトレイルを独り占めしながらのフォトレッキングは最高です。

■ 思い出深いエピソード
荒島岳山頂に上り詰める最後の急登「もちが壁」は、随所に物々しい注意喚起を促す標識があり、確かに油断して足を滑らせたらただじゃすまない難所です。

実際のところ、自分はヒヤヒヤしながら両手両足を駆使して登りました。荒島岳山頂到着時には残念ながらガスッていましたが、小荒島岳にたどり着く頃にはすっかり晴れ、美しい荒島岳の山容を眺めることができました。小荒島岳から見る荒島岳は本当に美しかったのを鮮明に覚えています。

紅葉登山おすすめコース④ 御嶽山(中の湯コース)

■ 活動日記(登山記録)

■ コース概要(行程/所要日数/行動時間)
行程:中の湯登山口~飯森小屋~行場山荘~女人堂~石室山荘~覚明堂~剣ヶ峰~二ノ池山荘~サイノ河原~白竜避難小屋~三ノ池~飛騨頂上~五ノ池小屋~継子岳~石室山荘~中の湯登山口
所要日数:1日間
行動時間:9時間半

■ このコースを歩いたときの動画

■ 見どころ・おすすめする理由
富士山に次ぐ3,000m独立峰としての巨大な山容はまさに大迫力。標高の高い山ですが、中の湯登山口は6合目・標高1,800m付近にあり、上昇高度的には1,300m程度と、比較的登りやすいのも嬉しいポイントです。

序盤こそ樹林帯で眺望はありませんが、8合目の女人堂からは眺望のパノラマコース。振り返ると、一面雲海が広がります。御嶽山は信仰のお山で、要所要所行者の方が鳴らす釣鐘が設置されており、朝の静けさに響く鐘の音も雰囲気があって印象的です。

紅葉シーズンは、標高の高い場所から徐々に変化する紅葉のグラデーションが印象的です。森林限界を越えると樹木はありませんが、巨大な火山の独特の異世界が広がり圧巻。また、コバルトブルーの三ノ池の絶景は撮影スポット。必ず立ち寄りたいスポットです。

五ノ池小屋は、まるで天空のリゾートホテル。ぱんだ屋でケーキや手作りジュースをいただきながら、五ノ池越しの摩利支天を眺めるのも一興です。最後の締めは、石室山荘の塩ラーメン! シンプルながら疲れた体に染みます。

■思い出深いエピソード
初めて登った3000m峰。ソロで何も知らずにイケイケどんどん期に登ったので、高所順応もせずにグイグイ登ったところ石室山荘辺りからパフォーマンスがガタ落ち。疲労感も10倍増しになり、高所順応の大切さを思い知らされた山行になりました。女人堂上部から眺める雲海は素晴らしく、この時の竜の様に立ち上る雲は「雲竜」と名づけ、いまだに過去一の雲海で記憶に焼き付いています。三ノ池の美しさは説明不要ですね。天気が良い日は最高のコバルトブルーを望めると思います。遠慮なく撮影しまくってください!

紅葉登山おすすめコース⑤ 金華山(東方尾根縦走~東坂ハイキングコース)

■ 活動日記(登山記録)

■ コース概要(行程/所要日数/行動時間)
行程:白山神社~野一色権現~洞山~鷹巣山~妙見峠~金華山のピストンコース
所要日数:1日
行動時間:6時間

■ このコースを歩いたときの動画

■見どころ・おすすめする理由
岐阜県岐阜市の最高峰・金華山は、一年を通して多くの観光客が訪れる、まさに岐阜を代表する観光スポットと言えるでしょう。山頂には戦国武将織田信長が命名した岐阜城があり、ロープウェイでのアクセスが可能です。

一方、標高329mの低山でありながら、登山コースが豊富なのも登山者としては嬉しいポイント。樹林帯での森林浴から、馬の背コースのように登山トレーニングとして使えるコースまで、多彩な楽しみ方ができる山です。

今回紹介するのは、白山神社から野一色権現、洞山、鷹巣山、妙見峠を経て金華山へのピストンコース。それほどメジャーではありませんが、広葉樹の見事な紅葉や、眺望抜群の稜線トレイルを楽しめます。比較的人が少ないので、静かなトレッキングが好きな人には特におすすめです。総歩行距離8.5km、時間6時間、総上昇高度870mと、1,000m級の日帰り登山と同じレベルです。眺望は全般素晴らしいのですが、特に開けたポイントが何か所かあるので、これはいいぞという場所を見つけたらその場でお弁当タイム! なんてのも最高ですね。

■思い出深いエピソード
このコースもあまり人に教えたくないとっておきの穴場、なのですが、静かなトレイルを歩きたい方にはおすすめです。鷹巣山辺りに眺望のお弁当スポットがあるので、探してみてはいかがでしょうか。

Linmoku

ソロハイカー

Linmoku

ソロハイカー

2019年8月、最寄りの低山に登った事がきっかけで登山にはまる。鈴鹿山脈をホームとし毎週末登山に明け暮れ、さらに登山の魅力に引き込まれる。2020年5月、Youtubeチャンネル「登山をより身近に Linmoku式ソロ登山のススメ」を配信開始。最近は北アルプスや八ヶ岳を中心にソロテント泊登山を中心活動している。またYAMAP安全登山アンバサダーとして動画を通じてYAMAPアプリを活用した道迷い等遭 ...(続きを読む

2019年8月、最寄りの低山に登った事がきっかけで登山にはまる。鈴鹿山脈をホームとし毎週末登山に明け暮れ、さらに登山の魅力に引き込まれる。2020年5月、Youtubeチャンネル「登山をより身近に Linmoku式ソロ登山のススメ」を配信開始。最近は北アルプスや八ヶ岳を中心にソロテント泊登山を中心活動している。またYAMAP安全登山アンバサダーとして動画を通じてYAMAPアプリを活用した道迷い等遭難防止につながるアプリの活用法をお伝えしている。