2018.11.27
YAMAP MAGAZINE 編集部
好評の久留米かすりサコッシュに続き、YAMAPの伝統工芸サコッシュに第二弾が登場。
その名も、小倉織(こくらおり)サコッシュ。
小倉織ブランド「小倉 縞縞」(こくらしましま)さんとのコラボレーションで実現した、自信作です。
小倉織は江戸時代から武士の陣羽織などに使われ、徳川家康も愛用したという、豊前小倉藩生まれの綿織物です。家康は鷹狩りのシーンなどで使用をしていたと言われており、その用途はまさにアウトドア。武士が野外活動で重宝していたことからも分かるように、丈夫さは折り紙つきです。
強さの秘密は、織りの密度。小倉織は、細い糸を高密度で織っているので、目がとても細かく仕上がります。その風合いは、まるで皮をなめしたかのよう。その生地故に、戦で槍に突かれても穂先が滑り、「槍をも通さぬ小倉織」とも謳われたそうです。
江戸時代で武士に重宝され、明治時代には学生服にも多用されるなど、その名を轟かせていた小倉織ですが、実は昭和初期に一度途絶えてしまったという歴史があります。そんな小倉織を蘇らせたのが、築城則子という一人の染織家。
出会いは一枚の端切れだったそう。
能楽堂の装束から織物に魅了され、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の世界で生きていた彼女に、小さな布の縞模様は大きな衝撃を与えました。そして、自分が育った地(小倉)にかつて存在した素晴らしい織物を復元したいという思いが、彼女の中に湧きます。そこから彼女は、布切れの経糸と緯糸の比率を分析し、試行錯誤を繰り返しながら、ついには小倉織を蘇らせることになるのです。
小倉織を二度と途絶えさせない。
そのためには、復元をして終わりでなく、今の時代に沿った形に、小倉織を進化させなければなりません。その大きな役割を牽引しているのが、築城則子氏自身がテキスタイルデザイナーを務める、現代版小倉織ブランド「小倉 縞縞」です。
「伝統とは、進んだ先に振り返ったときに見えるもの」
築城則子氏の妹であり、小倉 縞縞を展開する小倉クリエーションの社長である渡部英子氏は、そう語ります。
そんな新しい時代の「小倉織」をサコッシュに落とし込んでみたら。。。当然、素敵な一品ができあがりました。
最大の特徴である縞のパターンは築城則子氏のデザイン。経糸が緯糸の3倍多く使われ、緯糸が見えないほど細かく織り込まれた縦縞模様は、他の生地では再現が難しいほどくっきりと明瞭です。また、生地を織る前に糸を染める「先染め」なので、糸の表面にしか色がつかないプリントの模様と比べると、陰影が現れて模様が浮かび上がるような質感になっています。
さらに、小倉織自体は目が細く、ちょっとした撥水性もあるので、野外での小雨も安心です。もちろん、久留米絣サコッシュと同じように、本体には軽くて、耐水・耐久性に優れた生地「CORDURA®(コーデュラ)610」を採用。アウトドアでもガシガシ使ってください。
柄は3種類。もちろん、すべて伝統工芸の小倉織です。