中央アルプスの中でも人気の山、木曽駒ヶ岳。駒ヶ岳ロープウェイの現地スタッフ・加藤さんに、木曽駒ヶ岳の見どころ、今年の木曽駒ヶ岳の状況をお聞きしました。木曽駒ヶ岳への登山を計画されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2020.08.21
加藤 平良
中央アルプス観光(株) スタッフ
木曽駒ヶ岳は中央アルプスの最高峰、そして日本百名山の一つでありながら、初心者でも手軽に日帰り登山を楽しめる山です。
王道は、ロープウェイの終着点「千畳敷駅」から木曽駒ヶ岳山頂を目指す「木曽駒ヶ岳山頂コース」。麓・バス路線にある各登山道から登ると山頂まで8時間以上かかりますが、路線バス・ロープウェイを利用することで、コースタイムの短縮が可能になります。
千畳敷駅を出ると、すぐに急勾配の八丁坂が出現しますが、ここを登りきり稜線に出ると一気に展望が開け、あとは緩やかな勾配の登山道が続くのみ。体力的にもさほどキツくなく、絶景を堪能できるので、「木曽駒ヶ岳に初めて登る」「サクッと日帰り登山を楽しみたい」という人にはうってつけのコースだと思います。
山頂付近のギザギザな山容からは、ともすると険しさを感じるかもしれませんが、木曽駒ヶ岳は実は初心者にとっても優しい山なのです。
初心者向け日帰り登山コースはもちろんのこと、木曽駒ヶ岳一体には縦走やテント泊も楽しめる中・上級者コースや多彩なビュースポットが充実しています。
代表的なところでは、
① 天空の稜線漫歩を楽しむ「空木岳縦走」
② 中央アルプスで唯一氷河湖の姿を見られる「馬の背・濃ヶ池一周コース」
③ 中央アルプス唯一の単独峰を木曽側から踏破する「三ノ沢岳コース」
④ 千畳敷カールの底部からの絶景を眺める「剣ヶ池コース」
などが挙げられます。
このように幅広い層の方々にお楽しみいただけるのも、木曽駒ヶ岳の魅力の一つです。
6〜8月の木曽駒ヶ岳は、まさに高山植物の宝庫。千畳敷カールでは約150種類の高山植物が咲き誇り、これぞ花の百名山たるや…と感じさせる景色を見せてくれます。
可憐な高山植物を楽しめるのは、カールだけではありません。稜線・各山頂でも、カール内では見られない花々に出合えます。このエリアに咲いている高山植物は、言うなれば ”アルピニストだけが見れる花たち” 。山頂からの景色は抜群に美しいですが、足元に広がる景色もまた絶景です。ぜひ、どちらも堪能していただきたいです。
また、秋には見事な紅葉が楽しめます。千畳敷カール周辺は例年9月下旬〜10月上旬頃、ロープウェイから見られる山の中腹では10月上旬〜下旬頃が見頃。毎年、紅葉一覧情報にて随時最新状況を更新していますので、ぜひご活用ください。
木曽駒ヶ岳の魅力を語る上で忘れてはならないことがもう一つ。木曽駒ヶ岳の周辺エリア一体は2020年3月27日に国定公園に指定されています。
※対象エリア:木曽山脈北部の茶臼山から木曽駒ヶ岳、空木岳等を経て大平峠、風越山に至る主脈一体とその他飛地の区域
希少な氷河地形や貴重な高山植生が見られるなど、傑出した自然環境を有していることを評価いただいた結果、国内で57カ所目、県内では51年ぶりの新たな国定公園として、ここ、「中央アルプス国定公園」は生まれました。
木曽駒ヶ岳を訪れる際には、こうした背景も含めて絶景を満喫していただけたらと思います。
7月17日(金)より、中央アルプス一帯の登山に関する長野県の案内が「入山自粛」から「入山注意」へと緩和されました。
今年はコロナウイルス感染拡大の影響もあり、例年、混雑する八丁坂などは比較的空いているようで、快適に登山がお楽しみいただけるかと思います。
また、環境省によるライチョウの野生復帰・保護増殖事業により、登山中にライチョウが見られるチャンスもあります(場所はお伝えできません)。
お越しいただく際は、マスク着用などの感染症対策や、長野県が出している「登山者への5つのお願い」を守っていただけますようお願いいたします(以下、抜粋)。
① 体調に不安がある場合は絶対に入山しないこと
② 山小屋・テント場の営業確認、事前予約を徹底すること
③ 十分に難易度を落とした山選びをすること
④ 混雑を回避する登山計画により行動すること
⑤ 感染予防グッズを携行し、ごみは持ち帰ること
最後に、この夏、木曽駒ヶ岳を訪れたいと思っている方に朗報です。期間中、YAMAPのアプリ画面を見せるとロープウェイ料金が10%OFFになるという、ちょっぴりお得なキャンペーンを実施しています。
コロナの影響はまだまだ続きそうですが、各自対策をしていただきつつ、ぜひ多くの皆様にお越しいただけたら嬉しいです。
実施期間
8月3日(月)〜9月11日(金)
※土・日・祝日、8月11日(火)から14日(金)のお盆期間は除く
割引内容
往復ロープウェイ料金10%OFF(250円割引) 通常2,540円→2,290円利用条件
・会員カードもしくは画面の提示
・片道利用無し
・路線バス代は別途必要
取材・文:YAMAP MAGAZINE 編集部