【体験レポート】阿蘇カルデラ光の里山ハイクを歩きました!

2018.06.28

YAMAP MAGAZINE 編集部

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阿蘇の野焼きも終わり、新緑目立ち始めた4月末のとある日。YAMAPスタッフの私は震災からまもなく2年が経過しようとしていた熊本県の南阿蘇村を訪れていました。村内の見所をぐるっと見られる、阿蘇カルデラ光の里山ハイクのコースを歩くためです。

場所により表情が変化する阿蘇五岳を存分に味わうことができるロングコースは約20km、世界最大規模のカルデラを体感しながら人々の生活を垣間見ることができるショートコースは約12km。車だとあっという間に通り過ぎてしまうような道を速度を落としてゆっくりと歩けば、それまで気づかなかった景色にも気づくことができます。

今回、ロングコースに挑戦したので、みなさんにもそのコースのポイントと魅力をお伝えします。

ほとんど舗装路のため、観光ついでにスニーカーでも歩けるこのコース。

ぜひとも阿蘇観光のご参考にしてみてくださいね。

スタート・ゴールは久木野温泉 四季の森

阿蘇五岳を望む温泉施設、四季の森がスタート・ゴール地点です。駐車場はたっぷり70台分完備。スタート前に車を停めて、歩き終わったら入浴してリフレッシュ、なんていうのも最高ですね。水を忘れずに持って、入念に準備運動とストレッチをしたら、いざ出発!

『久木野温泉 四季の森』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村久石3160 
<電話番号> 0967-67-2212
<URL>  http://aso-shikinomori.com/

 

南阿蘇村の生活が垣間見える裏路地

スタートからしばらくは、用水路に沿って住宅地や学校のある裏路地を進みます。どこか懐かしい風景が広がっており、実家に帰ってきたような安心感も受けます。この用水路は南阿蘇村を流れる白川から農業用水を引くために、江戸時代に片山嘉左衛門(1635-1717)により整備されたとのこと。豊かな水資源と用水路は今もなお、人々の暮らしを支え続けています。

阿蘇五岳を背景に、橋の上を用水路が通されている様子も絵になります。

五穀豊穣、開運、牛馬繁栄、商売繁盛の神様 立石稲荷神社

小学校の横には立石稲荷神社が。こちらは五穀豊穣、開運、牛馬繁栄、商売繁盛の神様として南阿蘇村内外からの信仰を集めており、200年の歴史を有する神社です。三吉という名の旅人を手厚くし、三吉からお礼にと受け取った扇子を神棚に飾ったところ幸運が次から次へと舞い込んできたという言い伝え「三吉狐」に由来しています。

『立石稲荷神社』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陰108-6

 

南阿蘇村でアウトドアを楽しむなら久木野キャンプ場

立石稲荷神社でお参りを済ませたら南外輪山の方へ向かいます。クヌギ林が目立つようになると左手にキャンプ場が見えます。こちらのキャンプ場、アウトドア拠点として寝泊まりできるだけでなく、九州では珍しい空中テントレンタル、ツリーイングやナイトハイク、そして草原ツアー等のアクティビティも実施しているため、南阿蘇村の豊かな自然の中で遊ぶにはもってこいの場所です。運が良ければ、キッチンカー「マルデン」の名物、あか牛カレーを食べることができるかも!?

『久木野キャンプ場』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽5277
<電話番号> 070-4718-0707
<URL> https://knot.webnode.jp/campsite/

 

羅漢信仰の名残十六羅漢


くぎのキャンプ場から南外輪山方面へ向かいます。徐々に傾斜が出始めた地点には何やら看板が。十六羅漢へ向かう方はこの先の斜面を登ります。ここから先は階段はあるものの、これまでと違い、未舗装ですので落ち葉等で滑らないようにお足元にはくれぐれもお気をつけください。

かつてこの周辺に羅漢寺が存在していましたが、その多くが戦乱中に滅んでしまいました。残った木製の羅漢像を宝永4年(1707年)に庄屋の浅尾善之丞が有志とともに石像に改め、奉納されたものが洞窟の中に残っています。

石像の先にある少し開けた場所から南外輪山の高森方面も望めます。

『十六羅漢』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陰5265-11

 阿蘇五岳を一望、鳥の小塚公園(免の石展望所)

十六羅漢を見たら、鳥の小塚公園(免の石展望所)へと向かいます。ここからは日陰もなく休憩できる場所も少ないので特に暑い時期には熱中症にご注意!ちなみにショートコースの方は、途中から阿蘇五岳方面、集落の方に向かいます。


手前側から林道を通っても行け
ますが、コース通りに進むならこちらの牛の石碑が目印です。ここからは登りの道が続きます。

傾斜を登って、鳥居をくぐると

阿蘇五岳の雄大な姿を望むことができます。一方、振り返って南外輪山中腹に目を向けると、なにやら猫のシルエットのような空洞が。

そう、かつて「落ちない石」として人気だった免の石は残念ながら2016年の熊本地震で落ちてしまいましたが、石が奇跡的に砕けずにそのまま残っているのが発見され、今ではパワースポットとして再注目されています。

免の石の真下まで行くにはガイドの同行が必要ですので、南阿蘇観光協会にお問い合わせください。

『鳥の小塚公園』

<住所> 〒869-1411 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰

『免の石トレッキング』

<問い合わせ先> 一般社団法人 みなみあそ観光村協会
<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 大字久石2807
<電話番号> 0967-67-2222
<URL> http://www.minamiasokanko.jp/

 

阿蘇五岳と南外輪山を見渡す、観音桜公園

鳥の小塚公園から更に進むと、春には五岳をバックに桜を愛でることができる観音桜公園です。

それまで正面に見えていた五岳の表情も変わり、南外輪山、さらに奥には祖母山まで見渡すことができる絶景ポイントです。

お弁当を持ってきて、ここでランチ、なんてのも気持ち良さそうですね。

『観音桜公園』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陰

農耕水利の神様、久木野神社

再び集落に戻ってくると、立派な杉の鎮守の森が。この静かに佇む神社が久木野神社です。

農耕水利の神である豊玉姫命を祭神としており、現在の地には天和年間(1681年-1683年)に社殿が造営されました。木陰でちょっと休憩したくなりますね。

『久木野神社』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰1126

 

南阿蘇の田園風景

集落の中を流れる用水路と背景にそびゆる阿蘇五岳。

このコントラストが、南阿蘇村の魅力であるように思えます。阿蘇のカルデラの中で治水をおこない、農作物を育てられる環境を維持していく。

地震という天災に見舞われながらも、自然と寄り添って力強く生活をする人々の姿がそこにあります。

道の駅 あそ望の郷くぎの

阿蘇南外輪山をバックにした広大な芝生と建物が見えたらゴールはすぐです。

道の駅 あそ望の郷くぎのは阿蘇五岳と南外輪山を両方に望む場所に位置しており、農畜産物販売所、レストランのみならず約3000坪の芝生広場と無料ドッグラン、さらにはパークゴルフ場を有する道の駅です。敷地内にはモンベルもあり、アウトドア用品レンタルも対応しています。

ここからゴールの四季の森までは1km程度ですが、休憩するもよし、お腹が空いたらこちらで食事をとるのよし、南阿蘇村のお土産を買っておくもよし。先に温泉に入って、帰り道に立ち寄るのもグッドですね!

『道の駅 あそ望の郷くぎの』

<住所> 熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陰1126
<電話> 0967-67-3010
<URL> http://aso-kugino.jp/asobou.html

 

久木野温泉 四季の森に到着!お疲れ様でした。

ロングコースは標高差もあり、距離もあるため、満足度が高いコースとなっています。溜まった疲れは温泉でしっかり癒してくださいね。

ちなみにYAMAPスタッフの私は取材当日、時間の関係上で温泉に浸かれずにゴールに着くや否やタッチアンドゴーで福岡に帰りました。。次回こそゆっくりしたいところです。

YAMAPを使って歩くなら

スマートフォンからアプリ地図がダウンロードできます。

※マップはスマートフォン専用地図となっております。

もしくは

1.スマートフォンからアプリ起動後、「スタート」タブより「阿蘇カルデラ光の里山ハイク」で検索。

2.地図ダウンロード後、画面右上の歯車マーク(設定)をタップ。

3.「コースの表示」にて「ショートコース」「ロングコース」いずれかを選択。

南阿蘇村を歩いてみて

今回このコースを歩いてみて感じたこと、それはまさに阿蘇五岳と南外輪山を望める場所に用水路が流れていて、畑があって、当たり前のことですがそこに根ざす人々の暮らしがあるということでした。カルデラの中で農業をするためにも治水をおこなったり、牛馬の餌となる草を守るために草原で野焼きをしたりと、阿蘇の人たちは自然に人の手を加えて、自然と共生してきました。

その脈々と受け継がれてきた営みを歩いて感じることができる、阿蘇カルデラ光の里山ハイク。

2016年の熊本地震は甚大な被害をこの土地にもたらしましたが、逆境に負けず、力強く前を向いて進もうとする人々を観光の側面から応援できれば幸いです。

↓ご紹介したロングコースの全体像はこちらからも確認可能です。(Google mapで開かれます。)

 

YAMAP MAGAZINE 編集部

YAMAP MAGAZINE 編集部

登山アプリYAMAP運営のWebメディア「YAMAP MAGAZINE」編集部。365日、寝ても覚めても山のことばかり。日帰り登山にテント泊縦走、雪山、クライミング、トレラン…山や自然を楽しむアウトドア・アクティビティを日々堪能しつつ、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと奮闘中。