缶詰博士絶賛の山ごはん! インスタント麺が華麗に変身する絶品缶麺レシピ

ありとあらゆる缶詰を食し、世界一の缶詰通として著書も多数、2020年半ばには、TBSテレビ「マツコの知らない世界」にも出演し、その独特な存在感を広くお茶の間に知らしめた孤高の缶詰偏愛家、「缶詰博士」こと黒川勇人氏がお届けする本企画。第3回のテーマは「絶品缶麺」です。これからの季節、登山の心強い相棒ともなる温かなインスタント麺。それだけでも十分美味しいのに、缶詰を活用すると空前絶後の絶品山ごはんになるとのこと。今回もめくるめく缶詰の世界をどうぞご賞味ください!

缶詰博士が推薦する激ウマ「缶動・缶たん!山ごはん」 #03連載一覧はこちら

2020.11.18

黒川 勇人

缶詰博士

INDEX

山ごはんの新時代を拓く 偉大なる缶麺の実力!

どうも缶にちは! パイナップルはパイン缶で食べたのが初体験だった缶詰博士・黒川勇人です。

読者のみなさんが、いつしか「山行 = 缶詰必須」となるよう企んで始めたこの企画。3回目は「絶品缶麺」であります(乾麺とかけた)。寒風吹きすさぶ中での熱いラーメンとか、紅葉のテントサイトでのんびり作る焼きそばとか、想像するだけで幸せな気分になれる。アウトドアと麺類は、切っても切れない間柄なのであります(個人的意見)。

そこに合わせたいのが愛おしき缶詰たち。慣れ親しんだいつもの乾麺も、缶詰が加わることで華麗に変身。まったく違う味わいを楽しめますぞ。

夢のチャーシュー“山盛り”を叶えたのはまさかのベーコン缶! お肉パワーで翌日の登頂成功も間違いなし(多分)

缶詰は国分「缶つま・厚切りベーコンのハニーマスタード味」105g 税別400円

常温で持ち運べ、お湯さえ沸かせば食べられるのが乾麺のラーメン。とくに寒い時期には誠にありがたい存在であります。

疲れ切ったときには具なしの“素ラーメン”もアリだけど、パワーを補充したいときには肉を入れたい。そこで重宝するのが〈缶つま〉のベーコン缶。熱い汁に浸けることで脂身がうっとり溶け、まるでチャーシューのような役割をするのだ。

雨が降っても、風が吹いても、テントに入ればそこは天国。って、天国に行ったことはないけど、そういう気分になりますなァ。

1人分の材料は、乾麺のラーメン1袋(今回はしょうゆ味を使ったが、塩味、みそ味どれでもいける)、水500ml(ラーメンを作るための規定量)、フリーズドライのほうれん草適量(赤いフタの容器に入ってる)、厚切りベーコンのハニーマスタード味が1缶。

まずは500mlの湯を沸かして乾麺を入れる。

麺が湯を吸ってほぐれてきたら、付属のスープを入れてかき回し、フリーズドライのほうれん草を投入。野菜好きならたっぷり入れちゃってください。

麺にほぼほぼ火が通ったらベーコンをOn! 厚切りのベーコンは重く、麺のあいだに沈んでいくがお気になさらず。かえって熱々に温まるというもの。ハニーマスタード味の缶汁も迷わず投入。これでスープにぐっと深みが出る。


かくのごとし。ベーコンを全量入れたからクッカーがずしりと重い。その重さが嬉しい。

観天望気をしつつ麺をすする。ベーコンは熱で柔らかくなり、かめば肉のジュースが湧き出してくる。それが麺のあいだから次々と出てくる幸せ! 明日の登頂はきっとうまくいくぞ!

タイカレー缶のうま汁を一滴のこさず味わうタイカレー焼きそば! ココナッツ好きなら“追い”ココナッツでさらにタイ感UP

缶詰はいなば食品「チキンとタイカレー グリーン」115g 税別111円ほど

1人分の材料はこちら。乾麺の焼きそば1袋と、フリーズドライのキャベツ適量(白い容器に入ってる)、ココナッツフレーク適量(赤いフタの容器に入ってる)、水220ml(焼きそばを作るための規定量)と、チキンとタイカレー缶が1缶。タイカレー缶はグリーンとイエローの2種の味付けがあるが、どっちで作ってもウマいです。

フライパンに220mlの湯を沸かし、乾麺を蒸し焼きにする。家で作るのと同じ要領だ。

麺をほぐしつつ、フリーズドライのキャベツを投入。

ココナッツフレークも投入。ココナッツの果肉を乾燥させてフレーク状にしたもので、ケーキの材料売り場などに売っております。甘い香りが立ち昇り、ココナッツ好きにはたまらないのだ。湯が少なくなったところで・・・

タイカレー缶を開缶、ただちに投入! といっても具は入れず、缶汁だけを入れる。手早く全体をかき混ぜながら、カレー味がまんべんなく麺に染み込むように炒める。やがて缶汁も蒸発し、底のほうがパチパチ音を立てたら火を止めて・・・

缶に残しておいた具をトッピング。汁の残りも麺にかけましょー。

かくのごとし。南アルプスを展望しながらのタイカレー焼きそば、缶成!

タイカレーの汁を吸い込んだ麺が、すみずみまでタイカレー味になっている(当たり前だ)。まるでこういうタイ料理があるかのように、普通に美味しい。追いココナッツも成功であります。

いなば食品のタイカレー缶の素晴らしさは、みなさんすでにご存じかと思う。なぜあそこまで本格的な味かというと、タイの工場で作っているから。

その製造はまさに手作りで、こぶみかんの葉は枝ごと工場に持ち込み、フレッシュなやつを手で摘み取って缶に入れる。唐辛子は包丁で刻んで使うなど、タイ人の真心もたっぷり詰まっている。だから美味しいんであります。

で、乾麺に付属してたソースはまったく使わなかったが、持ち帰ってキャベツにかけて食べました。それもまたよし。

缶詰情報
・国分「缶つま・厚切りベーコンのハニーマスタード味」105g 税別400円
・いなば食品「チキンとタイカレー グリーン」115g 税別111円ほど
ともにコンビニ、スーパー、ネットショッピングで購入可

※野外での火器使用は山火事や公共のベンチ・テーブルの破損に十分注意して実施してください。また、使用が禁止されているエリアでの火器使用はくれぐれも実施しない様にしましょう。

関連記事:缶詰博士絶賛の山ごはん! 缶汁がむしろ美味しい「絶品缶詰サンド」
関連記事:缶詰博士絶賛の山ごはん! ちょい足しで居酒屋レベルの缶詰おつまみ

黒川 勇人

缶詰博士

黒川 勇人

缶詰博士

1966年福島県福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。 缶詰だけでなく、それにまつわる文化や経済、人間模様も発信している。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。著書に〈缶詰博士が選ぶ「レジェンド缶詰」究極の逸品36〉 ...(続きを読む

1966年福島県福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。 缶詰だけでなく、それにまつわる文化や経済、人間模様も発信している。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。著書に〈缶詰博士が選ぶ「レジェンド缶詰」究極の逸品36〉〈日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36〉(ともに講談社)など多数。ネット新聞〈みんなの缶詰新聞〉缶修。〈マイナビニュース〉〈BESTTIMES〉に缶詰エッセイ連載中。

YAMAP STORE

YAMAPが運営する登山・アウトドア用品のセレクトオンラインストア