夏の縦走も雪山も「究極」を背負う|マウンテンハードウェアの名作バックパック「ディアティッシマ」がリニューアル

アメリカ・カリフォルニア発のアウトドアブランド、マウンテンハードウェアからこの春、夏の縦走から冬山までをカバーする「究極」の大型バックパックが登場します。その名は「ディアティッシマ」。ブランドの根幹となる高品質、高い耐久性のあるモノづくりへの信念を体現。堅牢で快適性も備え、デザインもこだわり抜いた逸品です。いったいどんな商品なのか紹介しましょう。

2024.03.28

平野美紀子

編集・ライター

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「究極」のバックパック「ディアティッシマ」


ここ数年、UL(ウルトラライト)系など各用途や山行スタイルに特化したブランドも多く台頭し多様化している山のギア。より軽くミニマルな装備を追求する人もいれば、ファッションとしてのデザイン性にこだわる人も増えました。

そうした新しいムーブメントが浸透していく一方、あらためて見直したいのがシーンやスタイルに合わせたギア選び。

たとえば1泊2日の小屋泊からテント泊の長期縦走、夏山から冬山とステップアップを目指すなら、軽さ一辺倒よりも、耐久性や収納力を重視した方が快適に歩ける場合もあります。

さらにテクニカルな製品を追求しつづける本格登山ブランドの製品であれば、よりハードな山行でも安心して身を委ねられます。

その点、アメリカ・カリフォルニア発の登山ブランド、マウンテンハードウェアからこの春登場する「ディアティッシマ」は、まさに「究極」。

極地遠征にも耐えうるタフさ、背負い心地のよさと収納力まで備えた、まさにヘビーデューティを体現したアルパイン向けバックパック。今回は、そんな「ディアティッシマ」の魅力について紹介しましょう。

品質もデザインも。妥協しないモノづくり

マウンテンハードウェアといえば、「ストレッチダウン」や「DRY Q」などエポックメイキングなテクノロジーでアウトドア界をリードしてきました。

最近は、ディープウォーターソロで着られるスイムウェアやゲレンデユースのスノーボードウェアなど、さまざまなアクティブシーンに対応した幅広いラインナップを取り揃えています。

またヨーロッパのアルピニズムを汲むブランドにはない、カリフォルニアならではの空気感を纏ったデザインも魅力の一つ。昨年はストリートブランド「ステューシー」とのコラボをリリースするなど、ファッション界からのお墨付きも得ています。

進化をつづけているマウンテンハードウェアですが、ブランドの根幹となる高所登山やエクスペディションに耐えられる高品質、高耐久性なモノづくりへの信念は変わりません。

クオリティとデザイン。どちらも妥協しないマウンテンハードウェアの、たしかな技術と感性が息づいたバックパックが「ディアティッシマ」なのです。

本格アルパインパックが快適になって復活


この春に7年ぶりとなる復活を遂げたバックパック「ディアティッシマ」。先代のモデルは“完全防水でとにかく頑丈!”が特徴でしたが、ある意味、背負い心地は二の次といったところもありました。

本作ではコンセプトを一新。過剰だった防水性を見直し、多少の雨や雪も平気な撥水性に優れる生地を採用。さらに、背負やすさも重視したことで、重い荷物を背負っても&長時間歩いても、疲れにくい快適設計にリニューアルされています。

上の写真の通り、アックスやロープなど冬季登攀の装備をスマートに収納できて、長期遠征もタフに支えてくれる本格アルパインパック。スキー板もサイドに取り付けられるので、間違いなく、エクストリームな挑戦のよきパートナーとなってくれるはずです。

冬用ギアの専用ポケット


ここからは、究極のバックパック「ディアティッシマ」のディテールを詳しく見ていきましょう。

冬山装備をパッキングするとき、なにげに収納場所に困るのがアイゼンやアバランチギア。鋭利なものはメイン気室に入れたくないし、外付けポケットには全部入り切らなかったり、メインに入れたら入れたで歪になってうまくパッキングできなかったり…。

そんな悩みを解消する“専用ポケット”がついたのが、新生ディアティッシマです。まず特徴的なのがフロント部分に外付けされたポーチ。フラップを開くと中にアイゼンがすっぽり収まるサイズに設計されています。

また丈夫なポリエステルリップストップを使用しているので、穴開きなどの心配も不要。水抜けもあるのでアイゼンを濡れたままガサっと入れてOKです。

長めの面ファスナーがつき、大きめサイズのアイゼンも難なく収納

もう一つは、L字に開閉するフロントポケット。これはアバランチギア用に設けられたもので、内側のスリーブにシャフトやプローブを収めることができます。ブレードもご覧の通りスマートIN!これならもう、メイン気室内のパッキングを邪魔することもありません。

長期遠征に頼れる大容量×堅牢ボディ


冬用ギアに特化した収納を備えていますが、55Lの大容量サイズは夏の長期遠征にも重宝します。

フロントにはデイジーチェーンが縫い付けられ、外付けが可能。サイドポケットはマットに加えてボトルまで一緒に入ります。

細かすぎて伝わりにくい仕様として、サイドポケット内部にコンプレッションベルトが通せる点をあげておきます。そうすることでマットとボトルの間に仕切りができる、何ともニクイ気遣いなのです。

メインは潔く一気室。サイドからアクセスできるジップ付きなので、取り出しの不便さは感じません。さらにダブルジップのため取り出したいエリアだけ開けられて、パッキングを綺麗な状態にキープできます。

大容量を支える堅牢なボディも大きなポイント。210デニールのリップストップナイロン、ボトムにいたっては、なんと840デニールのナイロンと、耐久性・耐衝撃性に優れる厚手の生地を贅沢に採用しています。2.2kgとやや重さはでてしまいますが、その分壊れにくく、安定した背負い心地を堪能できるでしょう。

こだわりの一体型フレームで疲れにくい

軽さを追求したフレームレスのバックパックが増えていますが、重い荷物をもつ際はフレーム入りがベター。ディアティッシマは軽量ながら丈夫なアルミフレームを採用。圧縮成形された二重のバックパネルとともに荷重を全体に分散し、肩への負担を和らげてくれます。

背面長の目安は41㎝〜53㎝

面ファスナーで簡単に背面長が調整できるのも嬉しいポイント。最大12㎝差を㎜単位で調整できるので、自分にピッタリなフィットがかないます。

フレームと一体化したヒップパネルもまた、快適な歩行に欠かせません。その理由は、中央のパネルを軸にサイドパネルが上下に動くよう設計されているから。ヒップベルトが歩行時の腰の動きに追随し、バックパックの揺れを軽減。長時間歩いても疲れにくいのは、そんなこだわりのフレームも大きく関係しているのです。

スタイリッシュなカラーリング

ブラック、グレーのモノトーンをベースに、オレンジのビビッドカラーがアクセントに効いたこちらの配色。じつはマウンテンハードウェアを象徴するカラーリングで、2000年代初頭から同社の多くの製品に採用されてきたそう。そのソリッドでスタイリッシュな佇まいは、昨今増えているデザイン重視派も納得させる仕上がりです。

タフさと快適性を備えたクオリティに、背負いたくなるスタイリッシュなデザイン。どちらも諦めなくていい、まさに機能美を確立した究極のバックパック。これからの残雪登山や、今年こそ長期・長距離の縦走に挑戦したいと思っている人は、マウンテンハードウェアの「ディアティッシマ」を背負ってスマートな旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

原稿:平野美紀子
撮影:上野 敦(プルミエジュアン)
モデル:伊藤 伴、平野美紀子
協力:コロンビアスポーツウェアジャパン

平野美紀子

編集・ライター

平野美紀子

編集・ライター

セレクトショップの広報からメンズファッション誌の編集者に転身。2021年に独立し、現在はライフスタイルやファッション、アウトドアなどさまざまなメディアやブランドコンテンツの編集、執筆を行う。趣味は登山・スノーボード。山好きが高じて、2023年は北アルプス・黒部五郎小舎のスタッフとして一夏を過ごした。編集ライターとして活動する傍ら、ドライヘッドマッサージのセラピストとしてサロンワークにも勤しむ。