公共交通で東京から気軽に日帰り|ぐんまで楽しむリトリートな山旅(荒神山)

たまには日常を離れて、山のなかで思いっきり深呼吸したい。でも、遠くまで出かけたり、泊まりがけの予定を立てたりするのはちょっと大変…。そんな人にこそおすすめなのが、群馬への日帰り山旅です。首都圏から公共交通機関で3時間弱。少し足を延ばせば、豊かな自然に囲まれた非日常が待っています。

昨年もYAMAP MAGAZINEで紹介し、好評だった「公共交通機関を使って楽しむぐんまの山旅」。今回はその第2弾として、リトリートをテーマに群馬の山へ出かけます。

2026.10.05

大関直樹

フリーライター

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そして現在、YAMAPと群馬県とのコラボ企画「活動日記投稿キャンペーン(後期)」が開催中。11月23日までに「#ぐんまリトリート山旅」をつけて活動日記を投稿してくれた方200名に「オリジナル手ぬぐい」が当たるチャンスが。さらに条件達成で「限定デジタルバッジ」がもらえます。

YAMAPユーザーなら誰でも参加OKなので、群馬の山旅の思い出をシェアしてプレゼントをゲットしましょう!

今回の山旅をご一緒するのは、モデル・タレントとして活躍する菖蒲理乃(しょうぶ・あやの)さん。高校生のときに訪れた屋久島で山の魅力に目覚め、大学ではワンダーフォーゲル部に所属。現在も登山はもちろん、釣りやキャンプなど、さまざまなアウトドアを楽しんでいます。

今回の山旅スケジュール

6:48 浅草駅発 東武特急リバティりょうもう1号に乗車
8:47 相老駅着
9:05 相老駅発 わたらせ渓谷鐵道に乗車
9:32 水沼駅着
11:40 荒神山山頂
13:00 水沼ヴィレッジ到着
13:10 ランチ(十割そば 囲炉裏)
14:00 カフェ(シカモアカフェテラス)
15:00 貸し切りサウナ(モンブラン)
17:27 水沼駅発 わたらせ渓谷鐵道に乗車
17:52 相老駅着
18:04 相老駅発 東武特急りょうもう42号に乗車
19:55 浅草駅着

※上記スケジュールは取材時の公共交通機関時刻表を参考にしており、変更になる場合があります

駅から歩いてアクセスできる「ぐんま百名山」の荒神山

菖蒲さんと一緒に訪れる荒神山(こうじんやま)は、標高624m。「ぐんま百名山」の一座で、赤城山(あかぎやま)や栗生山(くりゅうさん)とともに桐生市黒保根地区を代表する山です。うれしいのは、わたらせ渓谷鐵道の水沼駅から徒歩で簡単にアクセスできること。

登山道脇には目を見張るような巨石がたくさんある

駅からのアクセスのよさに加え、登山道の変化も魅力です。ゴツゴツとした岩や石仏、開放感抜群の展望台など、短いコースに見どころがぎゅっと凝縮。さて、どんな山旅になるのでしょうか?

自然のなかをのんびり歩いたあとは、水沼駅のすぐそばにある「水沼ヴィレッジ」へも立ち寄る予定。十割そばランチにカフェ、さらに本格的なバレルサウナも貸し切りで堪能できます。帰路も渋滞を心配しなくていいので、電車に乗り込むギリギリまでゆっくりできるのも公共交通機関の旅の魅力ですね。

水沼ヴィレッジでは、薪を使った本格フィンランドサウナを貸し切りで体験できる

ローカル線に揺られて、群馬県桐生市「水沼駅」へ!

今回の山旅は、東武浅草駅から特急電車に乗り、相老駅でわたらせ渓谷鐵道に乗り換えて、水沼駅をめざします。わたらせ渓谷鐵道は、桐生市から栃木県日光市まで、渡良瀬川沿いの山あいを走るローカル線。

かつては足尾銅山で産出された銅を運んだ旧国鉄足尾線として活躍し、現在は美しい渓谷の車窓を楽しめる路線として親しまれています。

わたらせ渓谷鐵道は紅葉の名所でもある。見頃は例年、10月下旬から11月上旬(参考写真)

乗り換えの相老駅のホームにやってきたのは、なんとも旅情をそそる1両編成の列車。

「ボックス席なんですね。乗った瞬間から旅気分が高まります!」
菖蒲さんもさっそくご機嫌です。列車が進むにつれて渡良瀬川が近づき、渓谷のなかに民家がちらほら。

車窓からの景色を眺めているうちに、山旅への期待もどんどん膨らんでいく

駅を降りたら、目の前に今日登る山が見晴らせる!

水沼駅に到着してホームへ降りると、目の前には荒神山の姿がドーン!

「わあ、これから登る山がすぐそこに見える」とワクワクが止まりません。駅からめざす山を眺め、そこへ自分の足で近づいていく。そんな楽しさも味わえます。

水沼駅から見上げる荒神山。これからあの頂きをめざす

水沼駅に到着したのは9時32分。トイレを済ませ、山歩きの身支度を整えているうちに、駅構内の「駅の天然温泉 水沼の湯」がオープンする10時になりました。出発前に売店をのぞいてみると、限定販売の温泉まんじゅう(8個入り/1,000円)を発見。これは山での行動食にぴったり!

温泉に浸かるのは次回のお楽しみにして、まんじゅうだけザックへ忍ばせる

駅前の黒保根運動公園の脇を抜けたら、くろほね大橋へ。橋の上から渡良瀬川を見下ろしながら対岸へ進むにつれて、荒神山がぐんぐん近づいてきます。

渡良瀬川にかかるくろほね大橋での一枚。菖蒲さんの後ろにそびえるのが荒神山

ゴツゴツの巨岩にびっくり!石仏にも出会える登山道

橋を渡るとすぐ右手に水沼ヴィレッジが見えてくる。行きでは立ち寄らずに、そのまま登山口へ

登山口から杉林へ入り、いよいよ山歩きのスタート!

よく整備された登山道を登っていくと、やがて目立ち始めるのがゴツゴツとした岩石たち。道端には石仏や祠も現れ、里山らしい雰囲気が漂います。

岩の下には可愛らしいお地蔵さんが鎮座。子どものような顔に癒される

「荒神山っていう名前のとおり!荒ぶる神みたいな、岩のゴツゴツ感がいいですね」(菖蒲さん)

標高624mの低山ですが、杉林から広葉樹林へと植生が移り変わり、景色は思いのほか変化に富んでいます。さらに、つづら折りの道をひと登りすると、山頂手前の開けた場所に大きなフォトフレームが現れました!木製のフレーム越しに眺める山並みは、まるで一枚の風景画のよう。これは素通りできません。

遠くの山並みを額縁のように切り取った一枚が撮影できる、フォトフレーム

たっぷり景色を楽しんだら、さらに数分ほど軽く登って荒神山山頂へ。山頂は木々に囲まれていて展望がありませんが、静かで落ち着いた雰囲気です。

木漏れ日の中、二等三角点と山頂標識の前で記念撮影

山頂から下山路を進むと、見晴らしのよさそうな展望台が姿を現しました。

2025年にリニューアルされた展望台。雄大な景色を楽しめる人気スポット

展望台からは、群馬を代表する日本百名山・赤城山が一望できる

さっそく登ってみると、眼下に黒保根の集落と渡良瀬川、その向こうには赤城山や栗生山、袈裟丸山方面の山並みが広がります。ここで、景色とともに小休憩。水沼駅で買った温泉まんじゅうの出番です!甘いものを頬張れば、山歩きでたまった疲れも癒やされ、満足感はたっぷり。

甘じょっぱい味噌の風味が、山歩きの休憩にもってこい。ぜひおともにしてみては

「知らなかったのが、もったいない!」ーー山行を終えて

「荒神山は今回初めて知りました。でも、3時間弱という短いコースタイムなのに岩の迫力があって、杉林から広葉樹林へと景色が変わったり、稜線から里山を眺められたり。思っていた以上に変化に富んだ魅力的な山でした」(菖蒲さん)

木漏れ日が揺れる森の中は、歩いているだけで心が穏やかになってゆく

もともと菖蒲さんは、群馬の山に「首都圏からアクセスしやすいのに、意外なほど山深い」という印象をもっていたそう。

「街のキラキラした喧騒から離れて、ゆったり歩ける。群馬には、荒神山みたいな穴場の山がまだまだありそうですね」と語ってくれました。

山の麓にお楽しみが凝縮!リトリート施設「水沼ヴィレッジ」へ

下山後に向かったのは、荒神山の麓、水沼駅周辺に位置する「水沼ヴィレッジ」です。豊かな自然に囲まれた約35,000平方メートル(1万坪)の敷地には、駅直結の温泉や貸切サウナ、食事処、カフェ、BBQ場、グランピング施設などが点在。

荒神山登山口と水沼駅の間にあるので、下山後の移動も楽々

大きな舞茸に驚かされる、「十割そば 囲炉裏」でそばランチ

まずランチを食べようと向かったのは、古民家の風情が漂う「十割そば 囲炉裏」です。ここでいただくのは、つなぎを使わず、そば粉だけで打った十割そば。今回は地元産の舞茸天ぷらが付く「舞茸天ざるそば(1,760円)」を注文しました。

十割そばが何枚でもおかわり無料というのは、最高の贅沢

そして目を奪われるのが、大ぶりの舞茸天ぷら。
「大きい!衣はザクザクで、舞茸もしっかり肉厚です」(菖蒲さん)

さらに驚くことに、そばは何枚でも無料でおかわりOKという太っ腹のサービス。香り高い十割そばに、地元産の舞茸を豪快に頬張る。まさに山を歩いたあとのご褒美ランチで、これはたまりません。

古民家を改装した風情のある「十割そば 囲炉裏」。白い提灯とのれんが目印

十割そば 囲炉裏 水沼店
定休日:無休
営業時間:平日11:00~16:00、休日10:30~16:00(L.O.15:30)
https://mizunuma-village.jp/soba/

大きな窓の向こうは緑。「シカモアカフェテラス」でひと休み

お腹が満たされたところで、今度はカフェタイム。向かったのは「シカモアカフェテラス」です。

自然との調和を意識して古材を取り入れた店内は、天井が高く開放的。大きな窓の向こうには豊かな緑が広がり、室内にいながら里山を身近に感じられます。

「テーブルの間隔にもゆとりがあって、すごく居心地がいい。とことんのんびり過ごせそうですね」(菖蒲さん)

そんな空間でいただくのは、地元の養鶏場から仕入れた新鮮な卵を使った自家製半熟バスクチーズケーキ(650円)と、特別焙煎のブレンドコーヒー(550円)。

「チーズケーキはトロッとなめらかで、甘さもやさしく、コーヒーにもよく合います。地元の食材を使っているのもいいですよね。その土地に来たからこそ味わえるものって、うれしいです」(菖蒲さん)

気づけば時間を忘れて、すっかりくつろぎモード

シカモアカフェテラス
定休日:無休
営業時間:10:00~16:00(L.O.15:30)
https://mizunuma-village.jp/cafe/

森に囲まれたサウナを貸し切り!「モンブラン」のバレルサウナへ

そして旅の締めくくりに、貸切サウナ「モンブラン」へ。自然に囲まれたプライベート空間にバレルサウナが置かれ、敷地内には大きな実をつけた栗の木がたくさん。街中のサウナとはまるで違う、森の中ならではの開放感に満ち溢れています。

サウナ好きの菖蒲さんですが、薪ストーブを使った本格的なバレルサウナは今回が初体験とのこと。

「薪の香りがすごくいい!登山でかく汗とはまた違って、爽やかにリフレッシュできますね」(菖蒲さん)

じっくり身体を温めて汗を流したら、100%天然の地下水をたたえた専用水風呂へ。そして、ここからが「モンブラン」の醍醐味です。

ハンモックやリクライニングチェアに体を預け、森の中でゆったりと外気浴を。聞こえてくるのは木々を揺らす風の音だけ。頬をなでる風まで、いつもより心地よく感じられます。

ハンモックに揺られていると、風がやさしく肌をなでていく

爽やかな風に包まれながらの読書タイムも楽しみ

日帰りサウナ「MONTBLANC(モンブラン)」
定休日:無休
営業時間:10:00~22:00(1枠2時間貸し切り、5部制)
料金:平日 9,500円〜、土日祝 14,000円〜(1枠最大6名まで)
https://mizunuma-village.jp/sauna/

「頭も心も、ほぐれました」ーーぐんまのリトリート山旅の魅力

今日一日を振り返って、菖蒲さんはこんなことを話してくれました。

「普段は仕事や日常のタスクがずっと頭にあります。でも、スマートフォンを置いて山を歩き、サウナでくつろいでいるうちに、全身が自然とほぐれていきます。余分な力がスッと抜けていく感じがしました」

「東京で休日を過ごすと、物や情報がたくさんあって、つい消費するだけになってしまう。でも今日は自分の足で山を歩いて、汗をかいて、地元の恵みをいただいた。自分から動いて体験する一日だったのがよかったです」

「モンブラン」の敷地内に落ちていた栗を拾う菖蒲さん。持ち帰って栗ご飯を作るそう

そして最後に、菖蒲さんにとってのリトリートとは?を聞いてみました。

「ただリラックスするだけじゃなく、忙しい毎日のなかで忘れていたものを取り戻して、ガチガチになっていた頭や心がほぐれる。本来の自分に戻っていく時間が、リトリートなんだと思いました。心の余白が足りないなと思ったら、また群馬に遊びに来たいです」

ヴィレッジ内には四季折々の花があちこちで咲いていて、目を楽しませてくれる

水沼駅から再びわたらせ渓谷鐵道に乗り、帰路につきます。運転の心配がないので、うとうとしたり、ビールを飲んだり、今日撮った写真を眺めたり。帰り道までゆったり楽しめます。一日たっぷり遊んで、その日のうちに東京へ帰れる気軽さも、群馬の山旅の魅力です。

東武浅草駅に到着。たった一日なのに、都会の喧騒がちょっぴり新鮮に感じる

遠くへ行かなくても、長い休みを取らなくてもいい。「ちょっと疲れたな」と感じたら、群馬へ。あなたも次の休日は、心と身体をほぐす「ぐんまのリトリート山旅」に出かけてみませんか。

大関直樹

フリーライター

大関直樹

フリーライター

小中学校はボーイスカウト、高校はワンダーフォーゲル部で自然に親しむ。好きなものは、タバコとお酒と競輪。最近は、山頂で一服すると周りの目が厳しいので肩身が狭いのが悩み。「みなさんが山で嫌な思いをしないように風下でこっそり吸いますので、許してください」