高品質・高耐久でありながら、型にはまらない発想とユーモアにあふれたカリフォルニアらしいモノづくりをおこなうマウンテンハードウェア。そのフィロソフィー(ブランド哲学)が際立つ夏の定番シリーズが「TRAIL SENDER™ COLLECTION(トレイルセンダーコレクション」です。
アメリカのシエラネバダ山脈を歩くジョンミューアトレイル(JMT)のような広大なトレイルを想定した同コレクション。これから訪れる夏のデイハイクやファストパッキングを心地よく過ごせる機能アイテムが充実しています。
今回お届けするのは、ソックスブランド「高山植物図鑑」デザイナーの田中史織さんとご主人の田中弘洋さんがゆくデイハイクの旅。
コレクションのなかでもとくに人気の総柄を纏ったトレイルセンダーキャンプシャツとトレイルセンダーショーツを身に纏い、その魅力とお二人の山の楽しみ方について語ってもらいました。
2024.06.11
平野美紀子
編集・ライター
一年を通してウール素材のベースレイヤーやミドルレイヤーを着ることが多いという二人。弘洋さんはトレイルセンダーキャンプシャツに袖を通すと、その軽やかさにまず驚かされます。
「袖を通したのに何も羽織っていないような軽さが魅力だと思います。僕たちは汗かきですし寒がりでもあるので、普段はウール素材を着ることが多いのですが、速乾性がやや劣るウールだと、汗を吸って重くなることもあります。
今日みたいに下界では30度を超えるような真夏日はとくに汗をたくさんかきますが、トレイルセンダーキャンプシャツは気づいたらすぐに乾いていて、常に軽い。夏特有の不快感がないのは嬉しいですね」
軽いのにタフな生地という点も秀逸だと弘洋さんは続けます。
「軽くてもぺらぺらのシャツだと心許ないですが、リップストップ生地ということでハードな山行も安心。ある程度の厚みとハリ感があるおかげで、着たときの印象もサマになります」
さらに弘洋さんが目をつけたのが、脇下のベンチレーション。
「ハトメなどのパーツを使うことなく縫製の工夫によって設けられたベンチレーションもまた、軽さに一役買っているのかなと思います。広めにとられたベンチレーションから衣服内のムレがしっかり外に抜けるので涼しく、トレイルを快適に楽しむことができます」
山を登っていると、落ち着いたアースカラーやソリッドカラーのシャツを着たハイカーをよく目にします。史織さんもどちらかと言えばシンプルな装いを好むそうで、トレイルセンダーキャンプシャツのような総柄のアイテムはかなり新鮮だといいます。
「そもそも私は化繊のスポーティすぎる雰囲気ってあまり好きではないんです。でもトレイルセンダーキャンプシャツは大ぶりの総柄のおかげか化繊特有の光沢がなくて、むしろコットンのような風合いを帯びているようにも見えます。
リラクシーなオープンカラーやゆったりしたシルエットと相まって、普段着との境目がなく、自然な感じで着ることができました。大胆な総柄のグラフィックシャツは山ウェアとしてはなかなか見ることがないのでとても新鮮ですし、あまり人と被らないデザインなのも魅力的だと思います」
オープンカラーならではの広い衿元は、二人のようにベースレイヤーの衿元をチラ見せして、普段着さながらのスタイリングを楽しむことができます。
ちなみに着用したモデルのカラーについて弘洋さんは「僕にとっても総柄シャツは新鮮だったのですが、サンドカラーとグリーンの配色がカモ柄のようにも見えて、ミリタリーシャツを羽織るような感覚で挑戦しやすい」と感じたそう。
夏の登山は暑さに加えて紫外線対策も大切です。
「山に登る際に気をつけていることは紫外線対策。肌が露出している部分はもちろんですが、シャツなどで肌を覆っていたとしても服の上から紫外線を通してしまうという話はよく聞くので、このシャツのように服自体にUVカット機能があるのはとてもありがたいですね」
<商品詳細>
左/トレイルセンダーキャンプシャツ(MENS)
右/トレイルセンダーショートスリーブシャツ(WOMENS)
耐久性や速乾性、ストレッチ性に優れた150グラムと超軽量の山シャツ。指が入る広めのベンチレーションが両脇下に3箇所ずつ設けられ、通気性も抜群だ。ウィメンズは袖丈が従来より長めにアップデートされ、日差しもしっかりカバー。
さらにUVプロテクト加工も施されていて、暑い夏の山行に重宝する。フロントには着脱が容易なスナップボタン、ウィメンズは一枚で着たときにはだけないようナットボタンを採用。レイヤードしやすいゆったりしたサイズ感は、普段着として一枚で着てもサマになる。ともに2色ずつ展開。各8,250円
左/生地に使用する100%リサイクルのウルトラライトリップストップポリエステルは超軽量ながら強度が高いため、枝の引っ掛かりやバックパックとの擦れなど気兼ねなく使える。
右/シャツの裾裏には、小さな隠しポケットが。コインがちょうど入るサイズなので、100円玉を数枚潜ませておけば山小屋のトイレを使用する際に便利かも。
キャンプシャツに使用される夏に快適な高機能素材「ウルトラライトリップストップポリエステル」は、トレイルセンダーコレクションのすべてのアイテムに使用されています。二人がこの日はいていたショーツもまた然り。
「夏場のショーツってどうしても汗をかくと肌へのベタつきが気になるものですが、その不快感やストレスが全然ない! 速乾性のよさやゆとりのあるサイズ感からなのか肌離れがいいので、はいていて気持ちがいいですね。
ストレッチもしっかり利いているので岩場や登りの道でも足上げがよく、自然と足取りが軽くなる気がします」とは弘洋さん。
普段のファッションでもピンクを取り入れることが多いという史織さんは、「ニュアンスのある淡いピンクがとても可愛い」とショーツのカラーリングも絶賛!
「ウィメンズは丈が短くてより歩きやすいかも。ただ短いだけでなく、裾がラウンドカットになっていてスタイルがよく見える点も好印象です」
スマホやミニウォレットが難なく入る大容量のハンドポケットがあしらわれたトレイルセンダーショーツ。ボディとポケットが2トーンの配色になっていて、それがまたデザインのアクセントとしても利いています。
「大きなカーゴポケットの外側に別気室の小さなポケットがついていて。これがリップが入るちょうどいいサイズ感で便利なんです。ジップ付きなので中身を落とす心配もないし、使いたいときにスマートに出し入れできます」
<商品詳細>
左/トレイルセンダーショーツ(MENS)
右/トレイルセンダーショーツ(WOMENS)
こちらもウルトラライトリップストップを使用した夏山ショーツは、大容量のポケットが付属。軽量性、耐久性、ストレッチ性を備えていて、トレッキングのみならず、トレイルランニングなどのハードなアクティビティにも対応してくれる。メンズはフロントジップもついたドローコード仕様で、着脱もイージー。2トーン配色のパターンとソリッドパターンから選べる。ともに3色ずつ展開。各8,800円
山頂に着くと、嬉々として昼食の準備を始める二人。史織さんは、今日のようにのんびり山の中を歩いたりくつろいだりする時間が楽しいと笑顔で話します。
「こうして2人でのんびりハイクしたり、テント泊をするのが好きです。とくにテント場では思い思いに耽ったり、本を読んだり、写真を撮ったり、二人で鍋料理を楽しんだり。ただただ山のなかに身を置いて、山を感じられる。何も考えない時間が贅沢で幸せな時間です」
山の時間を気持ちよく過ごしたい二人にとって、着ていて気持ちいい山ウェア選びは重要。とくにこれまであらゆるアイテムを試してきた弘洋さんは、山ウェア選びでもっとも重視するのは「機能」だと断言します。
「シーンや山行にもよりますが、今日のように日差しが厳しい低山をデイハイクするときや真夏のトレイルを快適に楽しむなら、軽くて速乾性に優れてムレない高機能なトレイルセンダーウェアはピッタリだと思います」
左/トレイルセンダーショートスリーブ
右/トレイルセンダーロングスリーブ
よりシンプルなデザインが好みの人には、レギュラーカラータイプのシャツがおすすめ。シンプルながら胸元のダブルポケットがアクセントになり、カジュアルに装える。スモーキーなカラーリングもこなれた印象に。
もちろん素材に使用されるウルトラライトリップストップポリエステルにより、軽量性や耐久性は言うまでもなし。
フロントはスナップボタン。ショートスリーブはGlacial×Chalice、Dark Storm、Light Zinc× Blue Slateの3色展開。8,800円。ロングスリーブはBlue Slate×Dark Storm、Carob×Dark Storm、Chaliceの3色展開。9,350円 *メンズのみの展開
トレイルセンダーパンツ
夏山に適した軽量パンツは優れた軽量性、伸縮性に加え、膝まわりに立体裁断を施したこだわりのパターンワークによって足上げはすこぶるスムーズ。膝抜けの心配も不要だ。ショーツ同様にフロント両サイドにはアイコニックな大容量ポケット、右のヒップ側にはベンチレーションも兼ねたスマホポケットを備える。Dark Storm、Blue Slate、Combat Greenの3色展開。各9,900円 *メンズのみの展開
<モデル・プロフィール>
田中史織さん
1990年生まれ。多くのハイカーに支持されるソックスブランド「高山植物図鑑」主宰。靴下デザイナー。夫・弘洋さんの影響で山を始める。季節ごとの花や植物を楽しみながら、山に休憩をしに夫と2人で山旅を楽しむ。
田中弘洋さん
1987年生まれ。登山歴は12年。史織さんとともに北アルプス縦走や海外のロングトレイルなどを楽しむ。トライ&エラーを繰り返しながら、本当に使える機能重視のモノ選びを追求し続けるギアマニアだ。
原稿:平野美紀子
撮影:廣瀬順二
モデル:田中史織、田中弘洋
協力:コロンビアスポーツウェアジャパン