スマートウォッチを徹底的に使ってわかった「登山で本当に使える機能」とは

アウトドア使用に特化したスマートウォッチとして注目を集める「Amazfit T-Rex 3」。今回はYAMAPユーザー5人に使っていただきました。本記事では、登山での使用を通じてユーザーが感じた使い勝手や便利な機能など、リアルなレビューをご紹介します。

さらに、お得な期間限定クーポンも登場。そして最後には、今秋に登場する上位機種「Amazfit T-Rex3 Pro」の特徴を見ていきます。登山にぴったりのスマートウォッチを探している方は必見です!

2025.09.30

森山 憲一

山岳ライター/編集者

INDEX

過酷な環境に耐えるスマートウォッチ

軍用規格をクリアする堅牢性、ダイビングにも対応する100m防水仕様など、荒っぽい使い方にも耐える丈夫さを誇るAmazfit T-Rex 3。スマートウォッチ界トップレベルのバッテリー持ちのよさや、あらゆるアクティビティをサポートする多機能性も魅力です。

YAMAP MAGAZINEではこれまでも、ナビゲーション機能心拍モニタリング機能などAmazfit T-Rex 3の使い勝手を検証してきました。

今回は、縦走登山やトレイルランニングなど、それぞれの視点で山を楽しむYAMAPユーザー5人が登場。夏の1ヶ月間、Amazfit T-Rex 3を徹底的に使い込んでいただきました。

ルートを外しても時計が教えてくれるので安心/まささん(モニターNo.1)

南アルプス・悪沢岳で。左腕にはAmazfit T-Rex 3(まささん)

名前:まささん(40代・男性)
登山歴:8年
スマートウォッチ使用歴:なし
縦走から雪山登山、沢登りまで、一年を通じてオールラウンドに登っているまささん。長年愛用していた時計が壊れてしまい、これを機会にスマートウォッチを導入しようと思っていたところに本モニター企画を発見して応募。

使っていて特に便利に感じたのは、ルートを外した際の警告機能です。時計が振動して教えてくれるので、スマホと違って気づかないことがありません。道を間違えたことにすぐ気づけるのは道迷い防止に役立つうえ、早く気付けるほどリカバリーも簡単になるので、とてもありがたい機能だと感じています。これは心理的にもかなりの安心感を与えてくれますね。また、バッテリーが長持ちすることも高評価ポイントです。

▶ナビゲーション機能
スマホを見なくても手元でルートを確認できるのがとても便利です。ただし、分岐などの方向案内は状況によってタイミングがずれることがあるので、さらなる精度アップを期待します(電波の状況が関係しているのかも?)。

▶心拍数計測機能
今までは意識することがなかった心拍数を意識することで、歩き方が変わりました。ひとりで歩くときはペースを上げて心拍数もアップ。グループで先頭を歩くときは、無意識にペースが上がりすぎないよう、心拍数を確認しながら歩いています。

▶スマホアプリの使い勝手
運動や睡眠など、身体の状況をトータルに判断できて重宝しています。自分はふだんから睡眠が不足しがちで、それが数値で客観的に示されました。こうした部分もアプリで管理することで、日常生活にも役立っています。

▶不満に感じたポイント
特になし。

▶価格について
世の中には10万円程度するスマートウォッチもたくさんあるなか、この機能でこの価格は良心的だと感じます。

 

バッテリー持ちのよさはまさに驚異的!/コーセーさん(モニターNo.2)

八ヶ岳・赤岳山頂で(コーセーさん)

名前:コーセーさん(50代・男性)
登山歴:7年
スマートウォッチ使用歴:他社のスマートウォッチを使用
低山ハイキングからアルプス縦走まで、全国各地の山を精力的に歩いているコーセーさん。以前からスマートウォッチは使っていたが、バッテリー持ちやキズのつきやすさに不満を覚えていたところ、Amazfit T-Rex 3の存在を知る。

本機最大の魅力は「圧倒的なバッテリー持ち」です。これはまさに驚異的といえるレベルで、7日間常時使用(睡眠時も含む)してもバッテリー残量が56%も残っていたのには心底驚かされました。私が5年以上使用していた他社のスマートウォッチでは2日に1回は必ず充電が必要だったため、睡眠時のデータ取得を諦めざるを得ない状況でした。

しかし、Amazfit T-Rex 3はこのバッテリー性能のおかげで、充電の心配なくすべての機能を継続的に利用できるため、日々の健康管理や登山時の体調把握に大きく貢献してくれます。充電切れのストレスから解放される点は、他のスマートウォッチと比較しても圧倒的な優位性だと断言できます。

▶ナビゲーション機能
YAMAPアプリが使える他社のスマートウォッチなどと比べるとひと手間かかりますが、便利な機能だと思います。ただし、ナビゲーションを使うと複数日の登山では途中でバッテリーが切れました。このへんは設定によってバッテリー持ちがかなり変わるようなので、最適な設定を研究したいと思います。

▶心拍数計測機能
リアルタイムで運動強度を計測し、1kmラップなど多彩なデータ表示も可能。心拍数アラートを設定しておけば、運動強度が高くなりすぎたことがすぐわかるなど、特に初心者にとってはありがたいペース管理ツールになると思いました。自身の運動強度を客観的に把握できるので、より効果的なトレーニングや安全な登山計画に役立てることができました。

▶スマホアプリの使い勝手
「BIO CHARGE」「睡眠に関するデータ」など、自分の体調がわかりやすく視覚化されるのは面白いと思います。一方、「PAI*」など耳馴染みのない項目があり、そのあたりはもう少しわかりやすい説明がほしいとも感じます。
*PAIとは:Amazfitに搭載されている健康評価システム。ノルウェー科学技術大学で実施された研究結果に基づき算出される健康指標のひとつ。

▶不満に感じたポイント
YAMAPとの連携にひと手間かかる(ただし一度やり方を覚えれば簡単)。

▶価格について
安いほうだと思います。他メーカーのスマートウォッチが相対的に高くなっているので、Amazfit T-Rex 3のコスパは非常に高いと感じます。

 

正しい進行方向を知らせてくれるのが便利だ!/萩(はぎちゃん)さん(モニターNo.3)

名前:萩(はぎちゃん)さん(30代・男性)
登山歴:4年
スマートウォッチ使用歴:なし
トレイルランニングをメインに活動している萩(はぎちゃん)さん。これまでOSJ奥久慈トレイルやKAGA SPA TRAILなどを完走。トレイルランナーとしてさらにレベルアップするためにAmazfit T-Rex 3の機能に期待。

使ってみていちばんありがたく感じたポイントは、進行方向を事前に知らせてくれる機能でした。分岐に差し掛かる前にどちらに曲がるか知らせてくれるこの機能は大変重宝しています。特にトレランでは地図を見る余裕がないときもあるので、音とバイブレーションで事前に知らせてくれるのはとても助かります。進行方向を直感的な矢印で示してくれてわかりやすいのもいいところです。

分岐や急カーブなどでは、電子音+バイブレーション+矢印表示で進行方向を知らせてくれる(萩(はぎちゃん)さん)

▶ナビゲーション機能
繰り返しになってしまいますが、トレイルランニングでスピードを出していると、ゆっくり地図を見る暇がありません。そんなときでも事前に進行方向を示してくれるので、分岐の見落とし防止になるうえ、スピードを緩めることなく走り続けることができて便利な機能だと感じています。

▶心拍数計測機能
通常の走りで想像以上に心拍数が高いことが判明しました。これにより、レース中の戦略だけでなく、トレーニング時でも、今、何を行なうのが適切なのか数字で把握することができるようになったため、強くなるためのポイントを理解しやすくなりました。

▶スマホアプリの使い勝手
私の場合はトレーニングのサマリーや記録をよく閲覧します。UI/UXも秀逸なうえに、トレーニングの実績だけでなく、パフォーマンスの履歴まで追えるため、自分の成長が肌で感じるように理解できました。

▶不満に感じたポイント
もうちょっと軽くなれば……。

▶価格について
コストパフォーマンスは非常に高いと思います。マップ機能を備えたスマートウォッチは、他メーカーではAmazfit T-Rex 3の倍以上の値段のものが多いので。

 

高山病対策に血中酸素計測機能が役立ちそう/こっとさん(モニターNo.4)

南アルプス・塩見岳山頂で(こっとさん)

名前:こっとさん(50代・女性)
登山歴:5年
スマートウォッチ使用歴:なし
コロナ禍をきっかけに、学生時代以来数十年ぶりに登山を再開。百名山を中心に登っており、わずか4年で現在85座まで到達。日常生活を含めて腕時計は苦手派だったが、「登山で使うと便利」という知人のすすめによりスマートウォッチ導入を決意。

Amazfit T-Rex 3を使うようになってから、自分の体調を数値で「見える化」できるようになったことは思わぬ発見でした。以前から、標高の高い山小屋で寝苦しさを感じていたのですが、Amazfit T-Rex 3を使って南アルプスに行った際に血中酸素を測ってみると、自身の普段の数値と比較してかなり低めに表示されました。そのおかげで、血中酸素濃度を意識した高所での過ごし方や、対策を考えるようになりました。

あと、アラームが意外に便利で、よく使っています。音は出ずにバイブレーションで知らせてくれるので、山小屋の大部屋でも安心です(スマホだと体に密着していないので、気づかないときもありました)。同様に、電車の中で寝るときも、音を出さずに目覚ましをかけられて重宝しています。

▶ナビゲーション機能
YAMAPで作った計画をAmazfit T-Rex 3に取り込む作業は思ったより簡単で、使いやすかったです。これまでは、山中で分岐を曲がった後など、こっちで間違いないかな?と20メートルほど進んでからスマホの地図で確認するということをいつもやっていましたが、Amazfit T-Rex 3は手首をちらっと見るだけでルートから外れてないことがいつでも簡単に確認できる、というのが大きなメリットでした。

▶心拍数計測機能
心拍数の表示が色分けされているので、歩きながら数字をちゃんと読めなくても、パッと見て自分の状態を把握できるのがいいと感じています。北アルプスで、心拍数が上がりすぎないように気をつけながら登ってみたら、予定より早く到着するということもありました。
水泳でも使えるようだったので、ジムのプールで使ってみました。普段通り流して泳いでいると心拍数はオレンジ色でしたが、25メートルを全力で泳いだら一発でレッドゾーンの170を超え、もう少し体力を付けないと……と自覚。心拍数が130まで落ちついたら次スタート、などとトレーニングの目安にもなりました。

▶スマホアプリの使い勝手
登山で記録したデータをグラフなどで見ることができて視覚的に面白いですが、どこにどんなデータが入っているか、その数字が何を示しているのかがまだ理解できていません。使いこなすにはもう少し慣れが必要なようです。

▶不満に感じたポイント
全体に大きくてゴツく、私にはベルトも長すぎました。デザイン的にユニセックスというよりは男性用として作られているようで、女性にも使いやすいサイズとデザインがあるといいなと思います。

▶価格について
スマートウォッチはもっと高いものだと思っていたので、手頃な価格であることはうれしいポイントです。

 

体の状態を常にモニターできるので、歩行クオリティが上がる/はるきさん(モニターNo.5)

金峰山山頂で(はるきさん)

名前:はるきさん(20代・男性)
登山歴:5年
スマートウォッチ使用歴:他社のスマートウォッチを複数台使用
八方池から見た北アルプスの絶景に魅せられて登山にはまる。今では日本の山だけに飽き足らず、ボルネオ島のキナバル山に足を延ばすまでに。体力には自信があるが、それだけについついオーバーペースになってしまう。Amazfit T-Rex 3で適正なペース管理を身に付けたい。

行動中の心拍数が表示されるので、自分の体の状態をモニターでき、ペースを乱さずに歩けました。普段使っているスマートウォッチでは、画面上に心拍数やルートの常時表示ができないので手間がかかっていました。Amazfit T-Rex 3はその手間がなく、とても便利に感じています。
画面が大きくて操作しやすい点と、バッテリーが長持ちする点も非常に気に入っているポイント。富士山では、13時間以上GPSフル活用で使用しましたが、充電は70%以上残っていたと思います。なんてタフな子!

暗いときでも進むルートがひと目でわかる!(はるきさん)

▶ナビゲーション機能
今まではいちいちスマホで確認していましたが、手元で確認できるのもとても助かりました。画面が大きいので地図も手元でも見やすかったです。

▶心拍数計測機能
低心拍から高心拍まで段階分けされて表示される点がいい。心拍数と疲労度の関係がわかれば、自分にとって最適なペースをつかめるようになります。

▶スマホアプリの使い勝手
山行のデータがあとでまとめて見られるのが面白いです。機能をすべて使いきれていないので、使い方に慣れてくればさらに活用できると思います。

▶不満に感じたポイント
個人的にはゴルフでも使えるようになるとうれしいです(同社の別モデル「Balance 2」には本格的なゴルフ機能が搭載されているそうです)。

▶価格について
機能を考えれば十分に納得できる価格だと感じています。

 

あらゆる登山者のニーズに応えるAmazfit T-Rex 3

YAMAPユーザー5人のレポートを紹介しましたが、印象的だったのは、魅力に感じたポイントが5人それぞれに異なっていたこと。

まささんは「ルートを外した際の警告機能」、コーセーさんは「圧倒的なバッテリー持ち」、萩(はぎちゃん)さんは「進行方向を事前に知らせてくれる機能」、こっとさんは「血中酸素計測機能」、はるきさんは「自分の体の状態をモニターできること」を、それぞれ最大の魅力にあげていました。

これはAmazfit T-Rex 3の多機能性をそのまま表しているといえると思います、Amazfit T-Rex 3はナビゲーション機能やオフラインマップ機能が注目されることが多いですが、さまざまな人のさまざまなニーズに応える懐の深さをもっているともいえるでしょう。

ユーザーの皆さんがコメントしてくれた「ナビゲーション機能」と「心拍数計測機能」については、YAMAP MAGAZINEで以前に詳しいレポートを掲載しています。そちらもぜひ読んでみてください。

▶過去関連記事
日本一道迷いしやすい登山道で検証|スマートウォッチAmazfitが登山で使える理由とは
心拍数を把握して「脱・バテ登山」|スマートウォッチであなたの登山が変わる

上位機種「Amazfit T-Rex 3 Pro」も新たに発売

ところで、この9月12日には、Amazfit T-Rex 3の上位機種も発売されました。その名も「Amazfit T-Rex 3 Pro」です。

T-Rex 3から変わった主なポイントは以下。

・ベゼルにチタン合金を採用
・ディスプレイにサファイアガラスを採用
・LEDフラッシュライトを搭載
・ディスプレイがより明るく(2000ニト→3000ニト)
・音声通話に対応
・ベルトがワンタッチで交換可能に

このなかで特に登山者的に注目なのは、まずチタンとサファイアガラスの採用でしょう。これによって堅牢性は大幅にアップしています。山で腕時計を使うと、岩にこすったりしてすぐキズが付いてしまうものですが、ダイヤモンドの次に硬い素材とされるサファイアガラスはキズが付くことがほぼありません。これはかなりありがたいポイントです。

さらに登山シーンで重宝する機能として、内蔵LEDフラッシュライトが挙げられます。手首に装着したまま瞬時に点灯できるため、両手が自由に使えるのが魅力。明るさ調整が可能なデュアルモードを搭載し、通常の白色光では200ルクス、探索モードでは300ルクスの明るさを照射できます。

例えば、早朝の暗い登山道でヘッドライトの補助光として使ったり、テント内での細かな作業時に明るく照らしたりと活躍シーンは幅広く、バッテリー持ちへの影響も軽微。視界を妨げない赤色光モードや、万が一の際に使えるSOS信号モードも搭載しています。ヘッドライトの持参は登山の基本ですが、「ちょっと手元を照らしたい」ようなシーンで活躍する新機能でしょう。

そのぶん、価格も59,900円と、T-Rex 3に比べて2万円ほどアップしてしまっているのが悩ましいところですが、「とにかく頑丈なウォッチが欲しい!」という人には注目のモデルになるはずです。

なお、今ならAmazfit T-Rex 3およびAmazfit T-Rex 3 Proをお得にゲットできるYAMAPユーザー限定キャンペーンを実施中。10月31日までの期間中、Amazon.jpの表示価格から5%OFFでご購入いただけます。また、複数購入いただいても1台ずつにクーポンが適用されます。ぜひ、この機会をお見逃しなく!

クーポンコード:YAMAPT3PR
対象製品:Amazfit T-Rex 3、Amazfit T-Rex 3 Pro
割引率:5%
期間:記事公開日~2025年10月31日23:59

原稿:森山憲一
協力:Zepp Health Corporation

森山 憲一

山岳ライター/編集者

森山 憲一

山岳ライター/編集者

1967年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学教育学部(地理歴史専修)卒。大学時代に探検部に在籍し、在学中4回計10カ月アフリカに通う。大学卒業後、山と溪谷社に入社。2年間スキー・スノーボードビデオの制作に携わった後、1996年から雑誌編集部へ。「山と渓谷」編集部、「ROCK&SNOW」編集部を経て、2008年に枻出版社へ移籍。雑誌『PEAKS』の創刊に携わる。2013年からフリーランスとなり、登山と ...(続きを読む

1967年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学教育学部(地理歴史専修)卒。大学時代に探検部に在籍し、在学中4回計10カ月アフリカに通う。大学卒業後、山と溪谷社に入社。2年間スキー・スノーボードビデオの制作に携わった後、1996年から雑誌編集部へ。「山と渓谷」編集部、「ROCK&SNOW」編集部を経て、2008年に枻出版社へ移籍。雑誌『PEAKS』の創刊に携わる。2013年からフリーランスとなり、登山とクライミングをメインテーマに様々なアウトドア系雑誌などに寄稿し、写真撮影も手がける。ブログ「森山編集所」(moriyamakenichi.com)には根強い読者がいる。