星の光跡写真を撮りたい|カメラ初心者のYAMAPスタッフが挑戦した話

SNSや雑誌でよく見かける「星がぐるぐる回っている光跡写真」。撮ってみたいと感じたことはありませんか? とはいえ、「すごい機材が必要なのでは?」 「設定や画像加工が難しそう」と、諦めていた方も多いと思います。

でも、もし「簡単に星の光跡写真が撮れる一眼カメラがある」と言われたら? しかも、そのカメラが登山でも使いやすい軽さとタフさを兼ね備えているとしたら?

今回の記事では、カメラ初心者の編集部員が冬の低山で星空撮影に挑戦した様子をお届けします。

2026.02.10

Toba Atsushi

YAMAP STAFF

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「一人じゃ無理」と思っていた憧れの写真

『OM-5 MarkⅡ』公式Webサイトより引用。こういう写真を撮ってみたい!

登山雑誌やSNSなどで見かける「星の光跡写真」。神秘的なその風景に見惚れた経験はないだろうか?

とはいえ、「あれはマニアの領域。自分に撮れるはずがない」。そう感じている方が大半だろう。筆者もそうだった。

カメラの設定、専用の機材、テクニック…。「全くイメージできず、手も足もでなさそう…」というのが、一眼初心者(ほぼ素人)の筆者の印象だ。

だが今回の記事では、そんな難題に敢えて挑戦してみた。

使用したのは、アウトドアに最適なカメラを製造する『OM デジタルソリューションズ』が、昨年夏に発売したデジタルミラーレス一眼『OM-5 MarkⅡ』。果たして、美しい星空写真は撮影できたのか? その顛末をお伝えしよう。

『OM-5 MarkⅡ』を選んだ理由

2025年7月に発売された『OM-5 MarkⅡ』。登山での使用に最適な「軽さ」と「丈夫さ」を兼ね備えたミラーレス一眼として、YAMAPユーザーにも人気

なぜ今回の挑戦で使用するカメラが『OM-5 MarkⅡ』なのか? 理由はこのカメラが、星空の撮影に便利な機能を複数搭載しているからだ。代表的なものとして下記の3つが挙げられる。


ナイトビューモード暗い環境下でも、モニターやファインダーで星と景色を確認して構図を決められる機能。


星空AF(オートフォーカス)難易度が高い星のピント合わせも簡単・正確に行える機能。


ライブコンポジット星の光跡を手軽に撮影でき、光の筋が伸びていく様子もリアルタイムでチェックできる機能。


星空撮影で難しいとされる「暗闇での構図確認」「星へのピント合わせ」をアシストしてくれ、通常はたくさんの写真を時間差で撮影して画像合成を行う必要がある「星の光跡」も開始・終了のシャッター2回で手軽に撮影可能。

上記機能の力を借りれば、「未熟な筆者でもひょっとしたら撮影できるかも…」と淡い期待を抱いたのが挑戦のきっかけだった。

リアルな記事にするための制限

と、ここまで『OM-5 MarkⅡ』を選んだ理由を説明してきたが、いくら優秀なカメラであっても、星空を撮影するには、それなりの操作が必要だ。おそらく「プロの講師に指導してもらって、いい機材を使って、時間をかけて練習すれば」それなりの写真が撮れるようになるだろう。

しかしながら、そんな恵まれた環境を作り出すには時間もお金もかかる。結果として美しい写真は撮れるだろうが、それでは一般読者の皆さんの参考にはならない。そこで今回の撮影では、無謀にも下記の制限を設けて挑戦することにした。


① Geminiにアドバイスしてもらう
GeminiはGoogleが提供しているAIチャットサービス(無料でも使用可)。操作法や必要機材に関しては、カメラ熟練者の助言に頼らずGeminiの力を借り、それでも不明な点は同商品の説明書(Webで確認可能)を参照することとした。


② 追加の機材購入は、1万円以内
1万円に設定した理由は筆者のお小遣い額から逆算した結果だ。「まあ、この程度なら気負わずに出せるな」という肌感覚で決めた。


③ 気軽にいける低山で撮影する
「標高が高い山頂」や「絶海の孤島」に行けば、きっと星空は美しいだろう。だが気軽に誰でもいける場所ではない。そこで今回の撮影場所は、郊外にある低山の山頂とした。


④ 高価なレンズは使わず、標準レンズを使用
星空撮影には、広角で明るいレンズが良いとされるが、今回は初心者が最初に手にする可能性が高い標準のキットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」を使用した。
『OM-5 MarkⅡ』に『M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO』をセットした様子。カメラ・レンズともに防塵・防滴性能を備えているので、雨に濡れても安心のタフさ


とにもかくにも、上記の制限で美しい星空の写真が撮影できれば、読者の皆さんにも胸を張って「OM-5 MarkⅡを使えば簡単です!」とオススメできる。

操作法をGeminiに質問してみたら?

とはいえ上記の制限を自分に課してはみたものの、筆者はカメラ初心者。今回使用する『OM-5 MarkⅡ』も借り物なので、操作法には不慣れだ。

そこでまずは、Geminiに星空撮影の操作法を聞いてみたのだが、丁寧にやり方を説明してくれた。

スマートフォンで気軽に質問できる。撮影中の疑問も解消してくれるので、初心者にはありがたい

入力した質問は、「OM-5 MarkⅡとM.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PROで星の光跡写真を撮りたいのですが、カメラの操作方法を教えてください」といった内容。

説明がわかりにくい点については何度か質問を重ねることで、操作できるレベルの回答が得られた。アドバイスの内容はスペースの関係で割愛するが、ぜひ読者の皆さんもカメラの操作法に迷った際は試してみてほしい。

※とはいえ、AIは発展途上の技術のため、不正確な回答が返ってくる場合もある。その点はご了承願いたい。ちなみに2026年1月末現在、『OM-5 MarkⅡ』ではなく『OM-5 Mark2』と入力した方が正しい回答が返ってくる傾向があった。

必要な機材は?

操作法と合わせてGeminiに「0℃付近の山頂で星空を撮影する際に必要な周辺機器」に関する質問をしたところ、「結露を予防するためのレンズヒーター」と「三脚」が必要だとアドバイスを受けたため、この2つを購入。

レンズヒーターは3千円弱、三脚は高さが100cm程度の簡易なもので、こちらも3千円弱。合計6千円以内に収まった。

本来なら風の影響を受けにくいしっかりした三脚が良いとのことだったが、風が弱い場合なら簡易な三脚でも撮影可能とのこと。一抹の不安もあったが、ここはコスト重視の判断をした。

ちなみに、カメラとレンズ、三脚とレンズヒーターを合わせた重さは1,327g(カメラ・レンズ:672g /レンズヒーター:58g/三脚:597g)。これなら登山に持っていくのも苦にならない。

期待に胸躍らせ、いざ山へ!

前置きが長くなったが、1月中旬の新月の日に向かったのは、大分県玖珠町にある伐株山。標高685mの低山で、山頂には大きな公園が広がっている。

使用した機材は先ほど紹介した3点セット。「カメラ&レンズ」「レンズヒーター」「三脚」だ。レンズヒーターはUSB給電式なので、日常使いしているモバイルバッテリーも合わせて持参した。

天気は晴天、気温は5℃。朝まで晴れる予想だが、山頂の気温は0℃まで下がるとのこと。防寒対策をしっかりして、あとは日没を待つだけだ。

果たして結果は?

日が暮れるのを待って、いよいよ撮影スタート。カメラの操作法は要約すると下記の手順。とても簡単だった。


STEP1
レンズヒーターを設置したカメラを三脚に固定し、モードダイヤルを「B」にする。「ナイトビューモード」をONにする。


STEP2
リアダイヤルを回して、「LIVE COMP」を選択。


STEP3
「1コマあたりの露出時間(秒)」「ISO感度」「絞り」を設定。今回はGeminiのアドバイスをもとに13秒/1600/F4.0とした。


STEP4
「星空AF」をONにして、星にピントを固定する。


STEP5
シャッターを1回押すと、準備が開始される。画面表示に従い、2回目のシャッターを押すと、撮影開始。モニターで星の軌跡が伸びる様子を確認する。


STEP6
満足いくまで軌跡が伸びたら、シャッターを再度押す。撮影終了。


そして、撮影した1枚がこちら。

手前味噌だが、自己評価120点の期待を超える写真が撮れた。

設定に要した時間はおおよそ10分程度。あとは30分ほど光跡が伸びるのを眺めながら待っただけで、この仕上がり!

北極星を中心に描かれた星々の光跡。地平線の向こうにうっすらと輝く街の光。アクセントを添える木々のシルエット。

「難しい」と思い込んでいた写真が、こんなにあっさりと、しかも自分の手で撮れてしまった。 静寂の山頂で、ニヤニヤが止まらない。

『OM-5 MarkⅡ』は星空撮影にオススメ

味を占めて2枚目に挑戦したのは、ブランコをシルエットに星の光跡を撮影した写真。こちらも満足のいく出来栄えだった

星の光跡撮影はとても特殊な撮影だ。1枚の写真を撮るために、誰もいない山頂で数十分もカメラの前に佇み、出来栄えにひとり頬を緩める。

時間がかかるため、普通の写真に比べればかなり大変である。しかし、だからこそ出来上がった1枚に対する満足感は極めて高い。そして面白い。

筆者はあと数年もすれば50歳になる。この歳になると新しい趣味を始めることも億劫になりがちだ。だが、星空撮影は趣味にしたいと思える、本当に奥深い体験だった。

そして、『OM-5 MarkⅡ』は、その新しい趣味への扉を開いてくれる最適な相棒だと感じた。ぜひ読者の皆さんもこの扉を開いてほしい。

きっと新しいワクワクに出会えるはずだ。

余談

ちなみに筆者は今回の取材で、星空撮影の沼に片足を突っ込んでしまった。より明るい広角レンズの物色と写真教室の検索を、夜な夜な繰り返していることをお伝えして、原稿の終わりとしたい。

Toba Atsushi

YAMAP STAFF

Toba Atsushi

YAMAP STAFF

YAMAP MAGAZINE 編集部メンバー。文系登山をこよなく愛しており、山の話をしていてもついつい歴史の話や神話の話にトリップしがち。登山・歴史神話・キャンプが主な守備範囲。