登山やキャンプを楽しむ人なら「増え続ける道具の置き場」に悩んだことが一度はあるはず。アウトドアをテーマに収納・インテリア実例を投稿する「おうちアウトドア大賞」(RoomClipにて開催)を受賞した皆さんの「アウトドア部屋」を拝見しつつ、達人たちの収納・インテリア術を紹介します。
2020.08.24
YAMAP MAGAZINE 編集部
「家の中でアウトドアを感じる」をコンセプトに、自分の「好き」を一目でわかってもらえる部屋作りを意識しているというYUNTaさん。テイストをできるだけ統一して、イメージの相反するものは置かない、または別コーナーにそれだけを集めて配置するよう工夫しているそうです。
YUNTaさん:山を始めたと同時に徐々に増える登山道具の収納に悩んだのがきっかけです。オフシーズンにはクローゼットに押し込めてしまうことも考えましたが、好きなものは眺めていたい性格もあり見せる収納を思いつきました。また、世間でキャンプが流行りだした時期と重なって、キャンパーがテントサイトを素敵に飾って楽しんでいるのを雑誌などで目にしてかなり影響された気がします。
YUNTaさん:いざ使いたいときに「どこいった?」とならないよう、ある程度、収納場所を決めています。細々とした道具類はバラけないよう使用用途ごとにまとめ、箱やバスケットに入れて保管しています。
お役立ちアイテム① 自分で壁に設置した可動式の棚
YUNTaさん:固定式だと収納するものが限られてしまい、自分が「こうしたい」と思っても制限されてしまうため、物の大きさや衣類の長さに合わせて高さを変えられる可動棚は重宝しています。
お役立ちアイテム② パンチングボード&100円ショップのフック
YUNTaさん:ベニヤ板にドリルで地道に穴をあけた自作のパンチングボードと、それに合わせてペンチで加工した百均のワイヤーネット用フック。見せる収納に必須の「吊るし技」を実現するため頑張って製作しました。
お役立ちアイテム③ ブランドシューズの空箱
YUNTaさん:どんどん増えるスタッフバッグや収納袋はまとめてひとつのバスケットに。派手な色やバラバラの色はディスプレイの雰囲気を損なうので、カゴや箱に入れて目立たないように保管しています。
オフシーズンや普段履きしない登山用のソックスもまとめてシューズの空箱にまとめています。ブランドの箱はカッコイイのでディスプレイにも最適。捨てられません。
「お気に入りの道具を手に届く位置に、日常的に目に入るところに並べておくことで、常にキャンプ気分に浸りたかった」と話すtyssさんには、アウトドアショップ風にディスプレイをするコツを教えていただきました。
tyssさん:ナチュラルでアクティブな印象を出すため、木材やOSB合板、パンチングボードは自然な色味で揃えました。道具の配置についても、色や形、サイズ違いでグルーピングして並べることで空間としての統一感を出しつつ、持ち出し・片付けしやすいようレイアウトを工夫。見た目にも遊び心をとの思いから「眺めたい収納」を意識し、あえて左右対称にならないよう配置しています。
tyssさん:一番のポイントは、ラブリコなどのDIYパーツを使った収納。突っ張り棒の要領で床や天井を傷付けずに柱を立てられるので、現状回復しやすく、場所を選ばない手軽さが気に入っています!
お役立ちアイテム① 設置が楽なDIYパーツ
tyssさん:ラブリコ、ディアウォール系のDIYパーツを使えば、誰でも簡単に部屋に柱を立てられます。
お役立ちアイテム② 100円ショップの棚受け
tyssさん:なかでもセリアの棚受けはカッコイイのでオススメです!
お役立ちアイテム③ パンチングボード
tyssさん:ホームセンターで安価で手に入り、加工も容易な2×4材、1×4材などの木材、OSB合板、パンチングボード。
部屋中央のハンモックが印象的なディスプレイ空間。その主人・cyobinonさんがアウトドアインテリアを始めたのは、「名古屋にあるJAM-DAYというお店のキャンプ道具のディスプレイがカッコ良かったから」なんだとか。
cyobinonさん:ハンモックを設置しているこの場所は、実は「土間」。なので、夏場は地面からの冷気や風が気持ちがいいんです。家の中で寛ぐには最適な場所ですね。寝転がると、立派な梁とドライフラワーを眺められるようになっています。
cyobinonさん:私なりに心がけているポイントは3つ。まず、見た目のいい道具は思いきって「見せる収納」にすること。ハンモックはその最たる例です。次に、細かいキャンプ道具は見た目のいいバスケットに入れること。そして、道具の年代を合わせること。ここを揃えると、色味や見た目が格段に良くなります。
お役立ちアイテム① オイルランプ
cyobinonさん:ランタン類は家でも吊るして収納しています。なかでもお気に入りなのは、写真右に写っているヴィンテージ照明。キャンプではオイルランプとして、家では電球用E26のアタッチメントに変えることでコンセントから安全に照明として使えるハイブリットな照明です。
お役立ちアイテム② レドモンドのヴィンテージバスケット
cyobinonさん:まず、見た目がいい。色や形にも種類があって、揃えるのが楽しいですし、頑丈な作りなので、重い物を入れてもちゃんと運べます。キャンプではかさばりやすいキッチン用品や細かな物、食材など、何でも入れられるますし、家ではそのまま「見せる収納」として使えます。名古屋にあるJAM-DAYで購入しています。
お役立ちアイテム③ osb合板で作った棚
cyobinonさん:DIYなので好きな高さで棚が作れること、柄があるので汚れが目立たないことがポイントです。ビスも刺しやすく、引っ掛けて収納するのも簡単。ホームセンターで安く買えるのもいいところですね。
リノベーションを機にキャンプ道具の「見せる収納」を始めたzombieさんは、「どんどん増えるキャンプ道具を雑多に置いても、あまりごちゃついて見えないよう心がけている」んだそう。その収納テク、空間づくりのコツを聞きました。
zombieさん:玄関の壁一面を有孔ボードにしたことがポイントです。有孔ボードは裏側にもフック用のスペースが必要なので、ホームセンターなどで売っている有孔ボードをそのまま取り付けると、ボードが浮き出てしまって収納ディプレイとしては収まりの悪さを感じます。それが嫌で全面壁一面有孔ボードにしたんです。
壁一面を有孔ボードにできなくても、打つ手はあります。例えば同じ高さの絵を飾ったり、有孔ボードを複数枚使ってなるべく全面に取り付けして浮き出る箇所を少なくする(目立たなくする)ことで、収まりの良い、スッキリしたディスプレイになるのではと思います。
zombieさん:気をつけたいのは「置き場所」を決めること。雑多に物を置いていいのは壁と棚のみと決めて、それ以外はできるだけシンプルに、隠す収納を心がけています。これだけで、物が増えても意外とスッキリ見えます。また、道具には様々な色が使われているので、床、壁、天井には原色を使わずシンプルな色合いで統一。有孔ボードの色も棚色と合わせるとgood!
お役立ちアイテム① 有孔ボード
zombieさん:有孔ボードディスプレイの際は、ホームセンターで売っているような小さいものを買うより、業務用の大きい有孔ボードを買って、壁に合わせてカットした方が良いと思っています。
お役立ちアイテム② 有孔ボード用のフック
zombieさん:よく行くカインズホームなどのホームセンターで購入しました。ネットで売っているものは、送料を入れると意外と高く付くので、カインズホームなどのホームセンターの方がコストパフォーマンスは高いと思いました。
https://www.cainz.com/shop/goods/search.aspx?search.x=x&category=4519&ps=20
お役立ちアイテム③ オレゴニアン キャンパー(Oregonian Camper) メッシュキャリオール スーパー
zombieさん:写真には写っていないですが、最近買って収納に良かったものです。値段も然程高くなく、大きめの焚き火台を収納しています。収納口が締めることが出来るので、収納にもちろん、キャリーケースにも最適でした。
「最近道具が増えてきたので、日々の掃除の傍らこまめに整理整頓するよう心がけています」と話すWestGermanyさんが掲げるのは「非日常を感じられる、なるべくリアルなキャンプ空間」とのこと。どんな工夫があるのでしょうか?
WestGermanyさん:雨の日や遠出できないときには、家の中でもリアルで趣のある空間をつくって「おうちキャンプ」を楽しみます。ウッドデッキにテントを設置して、ランタンで雰囲気を演出。外でするいつものキャンプと同じように、食事の時間やマット&シュラフで過ごすひとときを楽しんだり。外の空気感を味わいながらのんびりと過ごしていると、リフレッシュできますね。
WestGermanyさん:見せる収納の利点は、自宅にいながら少しでもアウトドアを連想できて、リアルなキャンプ・アウトドアに出かける際の持ち出しも楽チンなこと。「見せるアイテム」と「収納するアイテム」に分けておいて、後者はコンテナBOXに格納。こうしておくと、あれが必要これが必要と必要な道具を探し出す手間がなく、本当に”そのまま持っていくだけ”なので、非常に合理的です。
お役立ちアイテム① ソフトコンテナボックス68リットル
WestGermanyさん:この中にキャンプ用品をまとめて収納しています。家では自宅収納アイテムとして使い、キャンプに出かけるときはそのまま車に積むだけ。特にバイクでキャンプへ行く場合はとても便利です。バイク・キャンプに必要なアイテムを厳選して詰めているので、このソフトボックス1つをバイクに積むだけで準備完了。バイクの割には充実したキャンプ装備で、思い立ったらすぐに出発できます。
お役立ちアイテム② 無印良品の頑丈BOX
WestGermanyさん:同じく自宅収納 × キャンプへの持ち運びが便利なアイテムとして活用しているのが、無印良品のBOXです。大・中・小とサイズごとに使い分けており、階段下のデッドスペースが定位置。蓋を返し、メルカリで購入した天板を付ければテーブルとしても使えるので、とても重宝しています。
お役立ちアイテム③ ラダーシェルフ
WestGermanyさん:見せる収納として「ラダーシェルフ」を使ったディスプレイを楽しんでいます。お気に入りのランタン、キャンドルなどは普段から部屋のインテリアとして活用。夜、明かりを灯すと、自宅にいながらちょっぴりキャンプ気分が味わえます。
「ファッションにアウトドアブランドを取り入れるようになったのがきっかけで、登山やキャンプに興味を持った」というRRRLさんは、家の中でも自然やアウトドアシーンを味わえうための工夫として、フェイクグリーンを活用。インテリアのこだわりを聞きました。
RRRLさん:少しでも外の雰囲気を出したくて、グリーン(フェイク含む)やガーランドを飾っています。部屋の中では使わないのですが、雰囲気づくりのディスプレイとして、焚火台や焚火用のトライポッドを置いたり、芝生っぽく見えるラグマットを敷いたり。とにかくリアル感にこだわりました。
RRRLさん:お気に入りのアウトドアアイテムはとにかく「見せて」陳列するのが原則です。家でも使えるアイテムはすぐに使えるよう、見やすく手に取りやすい場所に。細々したアイテムはペグボードを使ってまとめて収納します。見栄えだけでなく、紛失も抑制できるのでおすすめです。あとはコンテナですね。使わないギアを入れたりして、インテリア兼収納アイテムとしてフル活用しています。
お役立ちアイテム① ウッドラック
RRRLさん:PENDLETONのブランケットやウォータージャグ、ランタンなどを見せる収納に使用しています。
お役立ちアイテム② ペグボード
RRRLさん:ボトルやカラビナ、キッチンツールなどの収納に使用しています。
お役立ちアイテム③ snow peakシェルコンテナ50
RRRLさん:使用していないギアやカトラリー、調理器具などの収納に使用しています。
増え続けるアウトドア道具は「見せる収納」で解決!
キャンプ・登山道具の収納アイデアを事例とともにご紹介しました。YAMAPとRoomClipのコラボ企画 「おうちアウトドア」大賞のサイトには、他にも参考になるアウトドア収納・インテリアのコツが満載。増え続ける山道具、キャンプ道具にお悩みの方はぜひ一度覗いてみては? ヒントになる事例が見つかるかもしれません。
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