スマートウォッチで山登りはラクになる|風景写真家が Google Pixel Watch 3 を使い続けてわかった活用術

写真家の横田です。
スマートウォッチは近年、YAMAPをはじめとした登山地図GPSアプリと連携できるようになったことで、登山者の間でも一般的になり始めてきました。以前は人気のGPS付きスポーツウォッチを使っていましたが、機能の複雑さと実用性のバランスが合わず、次第に使わなくなってしまいました。

しかし、その認識を変えるきっかけとなったのが Google のスマートウォッチ「Google Pixel Watch 3 」。

ときに転倒、転落しかねない登山道ですが、わかりやすい直感的な操作性と、シンプルかつ実用的な機能で、登山や撮影での活用の幅が圧倒的に広がりました。今回は、Google Pixel Watch 3 を山で使い続けてわかったスマートウォッチの活用事例や、先代からの進化などについて紹介します。

2025.02.26

横田 裕市

風景写真家

INDEX

登山や撮影をサポートする主な機能

1. 地図機能による現在地把握

手元ですぐにYAMAP地図を確認できます

まず何よりも助かるのが、登山地図GPSアプリ「YAMAP」との連携により、手元ですぐ地図確認ができること。複雑な分岐点の行き先の確認や、視界不良時に便利な機能です。

スマートフォン側のYAMAPアプリで事前に地図をダウンロードしておけば、圏外でもWatchに地図が表示され、現在地の確認が可能。内蔵コンパスとの併用で、より確実なナビゲーションができます。 

Watch版YAMAPアプリを使用する際には、事前にWatchへのアプリインストールが必要です。

Watchとスマートフォン、2つで1セットでの使用が前提なので、Watch版YAMAPアプリ単体では機能しません。地図については、スマートフォン側でスタートすれば、転送操作は不要です。

※Google Pixel Watch は Androidスマートフォンでのみ使用できます。iPhoneには対応していません。

出発前、事前にWatch版YAMAPアプリをインストールしておきましょう

実際に、奥多摩・大岳山での山行中、分岐確認のためにWatchで登山地図を使用した際に、想像以上に見やすく感心しました。地図の表示もまったくストレスを感じさせないほど速く、拡大・縮小も画面に表示されるボタンをタップするシンプルな操作で、移動中のちょっとした確認であれば十分な使い心地です。

以前は地図を確認するためにスマートフォンをその都度取り出していたので、今思えば煩わしい動作でした。スマートフォンを落とすリスクもありました。

なお、登山の前後や日常生活の携帯の電波のあるオンラインの環境下では、通常の Google マップアプリでの地図確認やナビゲーションが手元ででき、便利なのはいうまでもありません。

2. カメラリモート機能

長時間露光や離れた位置からのシャッターに活躍するカメラアプリ

写真愛好家におすすめなのが、このカメラリモート機能です。Google Pixel をはじめとした Android スマートフォンとペアリングすることで、リモートシャッターや撮影モードの切り替えなど、カメラを遠隔操作できます。自撮りはもちろん、滝や星空など、カメラを離れた位置に設置して撮影する際に便利です。

三脚にスマートフォンを固定し、手元のウォッチでシャッターを制御することで、安定した写真撮影ができます。Google Pixel Watch 上でのプレビュー確認も可能です。

リモートシャッターを用いて Google Pixel 9 Pro の長時間露光撮影で撮れた1枚

Google Pixel カメラの詳細:Google Play でアプリを知る

3.雨雲が近づくと教えてくれる雨アラーム

標準で天気アプリもインストールされていますが、それには雨雲の通知機能はありません。

おすすめの雨アラームアプリは雨雲が近づくと、Watchの通知音とバイブレーションで教えてくれます。

山行中、もしもの時に事前に雨具を着るといった備えが可能です。
画面を切り替えることで天気予報も確認できます。

雨アラームの詳細:Google Play でアプリを知る

4. 健康管理機能

心拍数や活動状況が一目で分かります

心拍数や歩数などの健康データをリアルタイムで計測し、YAMAPアプリと連携してモニタリングできます。急な上り坂での息切れ時や疲労時にデータを確認することで、体調管理の参考になります。

スマートウォッチで心拍を管理する際、心拍数と疲労の関係について以下のポイントを押さえておくと、
より自分の体力に合った無理のない登山ができるでしょう。

心拍数と疲労の関係
・安静時の正常な心拍数は成人で60〜100回/分程度です。
・一般的に、最大心拍数の約60%〜75%の範囲が疲労回復に効果的とされています。
・最大心拍数の目安は「220 − 年齢」で計算できます。
・心拍数が高いほど、疲労回復が遅くなる傾向があります。

登山中にバテないための最適なペース配分は、心拍数を参考にすることで効果的に管理できます。

最適な心拍数の範囲
登山に最適なペースは、最高心拍数の75%以下で歩くことが推奨されています。
具体的には、以下の範囲内で歩くことが効果的です。

1.最大心拍数の65〜85%の範囲
2.より安全な登山では、最大心拍数の70%まで

この範囲内で歩くことで、乳酸の蓄積を防ぎ、長時間の歩行を継続できます。

5.万が一の事態に備える安全機能

緊急情報サービスは事前にしっかり登録しましょう

Google Pixel Watch 3 には、以下の安全機能が搭載されています。
緊急SOS機能1: サイドボタンの長押しで、事前登録した連絡先に位置情報付きのSOSを送信
転倒検出機能2: 転倒を自動検知し、緊急連絡先に通知

これらの機能は、特に単独登山時の安全確保に役立ちます。

例えば、単独登山中に足を滑らせて転倒し、意識を失ってしまったとき。Google Pixel Watch 3 の転倒検出機能が作動し、自動的に救助要請が送信されるため、迅速な救助を受けることができます(*1、*2)。

使用して感じた4つの特徴

1.快適な装着感

私は時計を装着した時の快適さを重視しています。軽量で通気性があり、長時間の装着でも負担が少ないです。夏場の汗をかく季節でも、比較的蒸れにくい設計になっています。

このバンドは、耐久性と防水性に優れたフルオロエラストマーというフッ素樹脂ゴムの素材でできています。防汚性があり、匂い移りしにくいのも嬉しいです。検討される方は、店頭での試着をおすすめします。

2. 十分なバッテリー性能

従来モデルからバッテリー性能が改善され、日帰り登山であれば、通常使用で十分な駆動時間があります。YAMAPアプリを使用した状態でも、安定して使用できました。

従来のWatchですと、日帰り登山の途中でバッテリー切れを起こしてしまったのですが、Google Pixel Watch 3 になってからはフル充電で1日6〜7時間の登山をしても残量が15%ほどありました。

ただし、2日以上の登山の場合は、モバイルバッテリーの携行が必要です。長期の山行を計画する際は、この点に注意してください。

3. 見やすい画面と優れた操作性

見やすいディスプレイ、豊富な盤面カスタマイズでより自分好みに

Google Pixel Watch 3 は、ディスプレイがとても見やすく、情報の視認性が高いため快適。この「Actua ディスプレイ」は、Google Pixel に採用している独自の有機ELパネルです。

従来よりも明るさが 2 倍(最大輝度 2,000 ニト)になり、登山の稜線に出た強い日差しの下でも驚くほど見やすい印象でした。

3からは画面サイズ41mm、45mmの2種類が発売され、それぞれ第2世代より表示領域が広くなっています。なお、私は45mmを使用しています。

スワイプやリューズを用いた直感的な操作で、登山中でも簡単に必要な情報にアクセスできます。

画面サイズは、Google Pixel Watch 2 に比べて、41mmが10%以上、45mmが40%以上大きくなった

4. 豊富なフィットネス&ヘルスケア機能

Fitbitのワークアウト記録とYAMAPアプリは併用可能です

Google Pixel Watch は Fitbit(フィットビット)の機能が充実しており、登山だけでなく、トレイルランニングやマウンテンバイクなど、様々なアウトドアアクティビティにも活用できます。安全かつ効果的にワークアウトを記録できます。

Fitbit は、心拍数や歩数、睡眠時間などの健康関連のデータを記録するアプリです。スマートフォンと連携してデータの管理や分析ができます。Fitbit は2021年に Google に買収され、Google Pixel Watch の標準機能として搭載されています。

Google Pixel Watch 3 で、快適・安全な登山を!

Google Pixel Watch 3 は、登山における実用的なツールとして役立ちます。

YAMAPアプリとの連携による地図機能、健康管理機能、そして緊急時の安全機能など、登山に役立つ要素を備えています。

あなたもぜひ、Google Pixel Watch 3 でスマートウォッチデビューしてみませんか。そして、より快適な登山を楽しみましょう!

Google Pixel Watch 3 の詳細はこちら

*1 データ通信料が発生する場合があります。安全確認および緊急事態の共有を使用するには、位置情報の有効化と、4G LTE 接続またはインターネット接続が必要です。安全確認および緊急事態の共有は、ネットワーク接続やその他の要因によって、緊急時の通信手段として利用できないことがあります。また、一部の国や言語ではご利用いただけない場合があります。詳しくは、g.co/pixelwatch/personalsafety をご覧ください。

*2 転倒検出機能は一部の国ではご利用になれません。また、ネットワーク接続やその他の要因によって利用できない場合があります。スマートウォッチは、緊急時の通信手段として利用できないことがあります。転倒検出ですべての転倒が検出されるわけではありません。4G LTE 接続がない状況で Google Pixel Watch から緊急サービスに発信するには、ペア設定したスマートフォンが近くにある必要があります。他のユーザーに現在地を共有するには、転倒検出機能に位置情報の利用を許可する必要があります。データ通信料が発生する場合があります。詳しくは、g.co/pixelwatch/personalsafety をご覧ください。

Google、Google Pixel および Pixel、Google Pixel Watch、Fitbit、Android は、Google LLC の商標です。

横田 裕市

風景写真家

横田 裕市

風景写真家

福島県出身 85 年生、東京都在住の写真家。雄大な自然のスケールを伝える大胆かつ 繊細な絵を得意とする。プロとして10年のキャリアを持ち、主に商業向けに国内外の風景を撮影。Appleでの広告採用や国際フォトコンテスト ipa2016 での部門優勝、海外メディア 掲載等、国内外問わず活動の幅を広げている。今秋、TAMRONの新作レンズ広告撮影を担当。全国でSONYのセミナー講師を務める。20 ...(続きを読む

福島県出身 85 年生、東京都在住の写真家。雄大な自然のスケールを伝える大胆かつ 繊細な絵を得意とする。プロとして10年のキャリアを持ち、主に商業向けに国内外の風景を撮影。Appleでの広告採用や国際フォトコンテスト ipa2016 での部門優勝、海外メディア 掲載等、国内外問わず活動の幅を広げている。今秋、TAMRONの新作レンズ広告撮影を担当。全国でSONYのセミナー講師を務める。2019 年ソニーイメージングギャラリー にて初写真展「フィンランド 冬の光」が大成功を収め、全国で巡回展を開催。

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