山歩(さんぽ)とは、山や身のまわりの自然の中を気持ちよく歩くこと。当企画「⚪︎⚪︎山歩」では、さまざまなテーマをかけ合わせ、思い立ったらすぐ行ける山歩コースの提案をしています。今回ご紹介するのは、絶景と癒しをダブルで楽しめる「渓谷×山歩」。夏は涼しさ、秋には紅葉を求めてー。夏休みやシルバーウィークの行き先としてもおすすめできる、全国の素敵な山歩道(さんぽみち)を紹介します。
2024.08.16
YAMAP MAGAZINE 編集部
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山歩(さんぽ)とは、日常から少し足を伸ばすだけで出会える自然を、無理せずのんびり歩きながら楽しむこと。本格的な山登りや長時間のハイキングでなくとも、自然の中で五感を解放すれば、癒しに満ちた休日を過ごすことが可能です。
今回ご提案するのは、絶景と癒しをダブルで楽しむことができる「渓谷×山歩」。豊かな日本の森林に育まれた清流を間近で感じられる渓谷は、まさに山歩にぴったりの場所。苔むした岩や、透明度の高い瀬・淵・滝などが織りなす非日常の空間は、美しく神秘的です。渓谷ならではの素晴らしい景観を楽しめるのはもちろんのこと、この上ない癒しのひとときを過ごすことができるでしょう。
実際のところ、滝が飛沫をあげて流れ落ちるような場所では、1㎤あたり15,000〜20,000個とケタ違いのマイナスイオンを浴びることができる渓谷も存在すると言われています。
マイナスイオンが人間にもたらす効果としては、新陳代謝・自然治癒力・自律神経の働きを高めてくれることが知られていますが、日常の生活空間で触れられるのはごく微量……。滝のダイナミックに流れ落ちる様や川のせせらぎを感じながら歩ける渓谷山歩なら、マイナスイオンをたっぷりと浴びることができるのです。
また、水に恵まれた渓谷沿いは樹木や草花など植生も豊かで、多くの場所で森林浴も同時に楽しむことが可能です。木々が放つ香りの成分である「フィトンチッド」は、人間にとっても高いリラクゼーション効果があることが、医学的にも解明されています。まさに「渓谷×山歩」は癒しとリフレッシュに最強の組み合わせといえるでしょう。
渓谷を流れる清流がもたらしてくれるのは、絶景だけではありません。美味しい水が育んだグルメを味わうのも一興、蕎麦や川魚などはその代表格です。また、山歩の心地よい汗を流してくれる温泉も、まさに水の恵みといえるでしょう。
ただ歩くだけでなく、舌でも肌でもその地域ならではの水からの贈り物を満喫する……。これこそが山歩の休日をさらに充実させるためのポイントです。
山歩に出かけるために、特別な服装や装備を購入する必要はありません。動きやすい服装であれば、基本的に普段づかいのものでOKです。渓谷沿いの木々は適度に日光を遮ってくれますが、陽射しが強い時は日焼け止めなどの紫外線対策もお忘れなく。
渓谷は地形の特性上、雨や水しぶきで遊歩道が濡れていたり、晴れた日でも湿り気を含んでいることがあります。靴は、溝が深い靴底の滑りにくいものがおすすめです。万が一、足が濡れてしまった時のために、替えの靴下を用意しておくと安心ですよ。
今回の山歩(さんぽ)道選定の目安は以下の通りです。
・歩行時間:3時間以内
・歩行距離:5km以内
・上り累積標高差:400m以下
これはハイキング初心者でも無理なく気軽に歩ける数値。これから山や自然の中で遊びたいと思っている人にもぴったりです!
※一部、上記目安を超えるコースもあります。
※入場料が必要な渓谷もあります。
※冬季を中心に閉鎖となる渓谷もあるので、事前に確認してください。
※自然災害の発生などにより、現地の登山道や遊歩道、交通機関が通行止めになる場合もあります。お出かけ前に現地の最新情報を確認するようにしましょう。
面倒な旅支度をすることなく、日帰りや短時間でふらりと気軽に出かけることができるのが山歩の何よりの魅力。「綺麗な景色を見たい」「どこかへ涼みに行きたい」そんな時、渓谷での山歩は充実した時間を約束してくれること請け合いです。
四季折々の表情を見せる森の中の清流沿いを歩けば、ココロもカラダも水の恵みに満たされ浄化されていく感覚に包まれるでしょう。明日からの日常を過ごすチカラをチャージできる渓谷の山歩へ、今度の休日に出かけてみてはいかがでしょう。
トップ画像:chang_hsinさんの活動日記より
執筆・編集協力:鷲尾 太輔