ミレーの人気バックパック「サースフェーNX」に待望の大型モデル登場

MILLET(ミレー)が、バックパックのフラッグシップモデル「サースフェー」をモデルチェンジしたのは、昨シーズンのこと。そのときは、30Lと40Lという中型モデルでしたが、今シーズンはいよいよ、50L、60L、75Lという3種類の大型バックパックが登場しました。これから夏に向けて縦走やテント泊用のバックパックを購入したいと考えている方は、必見です!

新モデルの「サースフェーNX60+」を無料でお試しできるモニターもYAMAPユーザー限定で募集。詳細は記事の末尾にありますので、ぜひ最後までご覧ください。

2024.04.04

大関直樹

フリーライター

INDEX

登山者待望の「大型」サースフェーがいよいよ登場

昨シーズンリリースされた「中型サースフェーNX」は、「ミレー史上最高の背負い心地」という評判も高く、リリースから1年を過ぎた現在でも登山者にも圧倒的な支持を得ています。

今シーズン登場する「大型サースフェーNX」は、中型の容量を大きくしただけでなく、大型バックパックに必要な機能を考え尽くした設計になっているのが特徴です。

具体的には、サースフェーNXの持ち味である雨と汗を防ぐ「ドライ感」の追求は継承しつつ、荷重を分散させ、背負い心地を向上させる機能を強化。

さらに、バックパックを何度も下ろして荷物を取り出さなくても済むよう、使い勝手のよい位置にポケットを配したほか、メイン気室以外の収納力も大幅に向上しています。

縦走登山など荷物が多いときは、最近流行のUL系バックパックだと肩に荷重がかかり過ぎて疲れやすいという声も聞きます。しかし、「大型サースフェーNX」のように多少重くても、背負い心地を重視した設計のバックパックなら、そんな心配はありません。

<大型サースフェーNXの4つの特徴>

特徴①:雨と汗による濡れをシャットアウト
特徴②:荷重を効果的に分散させた快適な背負い心地
特徴③:荷物を効率的に収納できる14のポケット
特徴④:ユーザーの使いやすさを追求したディテール

特徴① 雨と汗による濡れをシャットアウト

●シリコンによる撥水加工で雨に強い
中型サースフェーNX同様に、表面生地にはシリコンによる撥水加工が施され、耐水圧は1500㎜を確保。これは一般的なバックパックのレインカバーやテントのフライシートに匹敵する値。多少の雨ならレインカバーなしでも安心して行動できます。

シリコン加工は雨だけでなく泥も弾いてくれる

●縫製を減らしたことでパッキングがラクに
メイン気室は、生地同士の縫い合わせを可能な限り避け、雨が内部に侵入しにくくなっています。縫い目が減ったことで余計な引っ掛かりもなく荷物の出し入れがスムーズになり、パッキングがラクになりました。

雨が入りにくい&荷物が出し入れしやすいメイン気室

●速乾素材とメッシュ搭載のデザインで汗濡れを防止
荷物が重い大型ザックを背負っていると、背中が汗でびしょ濡れになってしまうことも。そこで背面パッドには、速乾性に優れた素材を使用することで、ドライ感をキープ。さらにメッシュ生地を使うことで通気性も向上しました。

速乾素材&メッシュ構造で汗による濡れから体を守ってくれる

特徴② 荷重を効果的に分散させた快適な背負い心地

●硬めのウエストベルトがしっかりと荷重を支える
ウエストベルトは、バックパックの荷重を腰に分散させるための重要なパーツ。その素材には1.5mm厚のポリエチレンシートと高反発EVAを採用。相当な力が加わっても折り曲がりにくい硬さがあるので、腰にしっかりと荷重がかかり、重い荷物も想像以上に軽く感じます。

写真左は大型のウエストベルト。右の中型と比べると厚みがあることがわかる

ウエストベルトには硬いポリエチレンシートが入っている。これは大型だけに採用されたもの

●腰骨を包み込むV字構造のウエストベルト
大型は中型よりもウエストベルトが太くなっていますが、それに伴って付け根部分をV字構造に設計。2ヶ所から締め上げることで、腰骨を包み込むようにベルトがフィットし、腰で荷重をサポートしてくれます。荷物も安定するのでバランスを崩しにくいというメリットもあります。

左が大型、右が中型のウエストベルト。大型はV字構造でベルトをフィットさせている

●ショルダーハーネスがしっかりと肩の形状をキープ
ショルダーハーネスは、肩を包み込むような自然なカーブを描くように設計。ウエストベルトと同じく高反発EVAに加えポリエチレンシートが入っているので形状をキープしてくれ、長時間バックパックを背負っても、肩に食い込みにくくなっています。

大型のショルダーハーネス(左)は、自然なカーブがキープされている

ショルダーハーネスにも硬いシートが入っている

●荷重を背中に引き寄せてくれるボディフィットストラップ&スタビライザー
背中に吸い付くようなフィット感を得るために取り付けられたのが、ボディフィットストラップ。このストラップを引くと荷物が背中・腰部分に引き寄せられるため、抜群のフィット感を得ることができます。

さらに、ショルダースタビライザーストラップを締めることで肩から腰まで均等に荷重を分散させられます。

バックパックの下部はボディフィットストラップで、上部はスタビライザーで、それぞれ荷物を引き寄せる。ボディフィットストラップの先端は、他のストラップと混同しないように色を変えている

●パック外側に荷物をつけてもコンプレッションが可能
ボディフィットストラップと同じく背中側に荷物を引き寄せる機能を持つのがサイドコンプレッションストラップです。通常、バックパックには2本しかついていないことが多いのですが、大型サースフェーNXは3本ついているのが特徴。これによって、サイドコンプレッションストラップをバックパック正面で連結してモノを運んだときでも、コンプレッション機能が維持できます。

左の大型サースフェーNXは、ストラップが3本ついている

パックのフロントに荷物を装着してもサイドコンプレッションストラップを効かすことができる

●背面長を調整してジャストフィットさせられる
大型サースフェーNXは、背面長サイズを変えられるのもポイント。メンズ、ウィメンズともに10cm幅で調節可能で、ベルクロとストラップの2つのシステムで確実に固定できます。この機能によって、ひとりひとりの身長や体格に合わせた最適フィットを実現できました。

背面の長さは、10cm幅で調節可能

ストラップよって行動中に背面パッドがズレるのを防ぐ

特徴③ 荷物を効率的に収納できる14のポケット

●左右の胸にはストレッチメッシュポケットを装備
左右のショルダーハーネスには、伸縮素材のポケットを搭載。大型スマホやドリンクボトルなども収納できます。ポケットの口は、バンジーコードで締められるので、サングラスや日焼け止めなど小物を入れても落とす心配がありません。

バンジーコードは、片手で操作できるので便利

●地図も収納できるビッグサイズのウエストポケット
ウエストベルトの両側には大型のフォールディングポケットが備わっています。ここには登山マップや手ぬぐい、ドリンクボトルなど行動中に頻繁に出し入れするものを入れておくと便利。このようなサイズのポケットがあることで、バックパックを下ろして荷物を取り出す回数が確実に減るでしょう。使用しないときは、折りたためるので歩行の邪魔になりません。

大型ポケットの外側にはミニポケットもついており、ナイフやリップクリームなどの小物も入れられる

●使い分けができる深さの違うサイドポケット
サイドポケットは、左右で深さが違うように設計。トレッキングポールや三脚などの長モノは、浅いポケットに入れておくと取り出しやすいでしょう。ドリングボトルや薄手のウインドブレーカーなどは、深い方に入れると落としてしまう心配がありません。

写真左の浅いサイドポケットにはトレッキングポールや三脚などの長物を、写真右の浅いポケットにはウェアなどを収納できる

●マチがついているジッパーサイドポケット
浅いサイドポケット側にはジッパーで開閉できる大きなポケットを配置。このポケットにはマチがついているので、モノを入れたときに収納力が高くなるのが特徴。大きめのドリンクボトルや傘、レインウェアなど、かさばるものを入れておくのに便利です。

テルモスなど太めのボトルも瞬時に出し入れ可能

●フロント部分も2気室ポケットを搭載
大型サースフェーNXは、フロント部分にも大きめのポケットがついており、ウェアや小物などを収納可能。内部は2気室になっているので、荷物を分けて入れられます。

フロントポケットは、中型にはなく、大型だけにつけられたもの

●雨蓋には付属のレインカバーが標準装備
雨蓋には2つのポケットを配置。そのうち下部のポケットには、付属のレインカバーが入っています。カバーはパック本体に被せた後にフックで固定できるので、強い風に吹かれても飛ばされてしまう心配がありません。色は視界が悪いときでも安全性が高くなるように視認性の高いイエローを採用しています。

雨蓋内のレインカバーは、フックで固定されている

悪天候時でも視認性の高いレモンイエローのレインカバー

特徴④ ユーザーの使いやすさを追求したディテール

●荷物にアクセスしやすいダイレクトアクセス
フロント部分にはメイン気室の荷物にすぐにアクセスできるようにU字型の大きなジッパーがついています。このジッパーを開けるだけで、行動中でも素早く荷物の出し入れができるので、とても便利。しかも、サイド部分にはパネルを開けたときに荷物がこぼれ落ちないようにストレッチメッシュのマチがついています。

ジッパーを全開にしても荷物が落ちないようにマチがついている

●使い勝手のよい2気室構造
サースフェーは従来から2気室構造でしたが、その仕切り部分をファスナーからストラップに変更。仕切りの両サイドに隙間があるので、テントポールのような長モノを入れても貫通して収納できます。ジッパーだと上から荷重がかかっていると開けにくかったのですが、ストラップにすることで素早く解除できるようになりました。

2気室でも長モノを収納しやすいように設計

●ロック式なので安心のアクセスジッパー
これまで大型のバックパックは、荷重がかかると下部のアクセスジッパーが開いてしまうことがありました。そこで、ミレーは新モデルで、ジッパーの引き手が立っているときは開閉でき、寝ている状態だと開かないロック式に改良。歩いているときに勝手にジッパーが開くのを防いでくれます。

ロック式なら知らないうちにジッパーが開く恐れがない

●後頭部が当たらないようにヘッドレストを設計
大型のバックパックは、背が高いため背負っていると、雨蓋が頭にぶつかることがあります。そこで雨蓋の頭に当たる部分に凹みをつけてヘッドクリアランスを確保。ストレスを感じずに行動できます。

見上げた時などに頭が当たらないのはうれしい

新たな100年へ向けて、ミレーのロゴがリニュアル

1921年にフランスで創業したMILLET(ミレー)は、2024年より、次なる100年への決意を込めて、ブランドロゴを一新しました。ミレーの頭文字である「M」を元に、フランスアルプスの山々のシャープな稜線をモチーフをデザイン。今回アップデートされた「大型サースフェーNX」にも、もちろん新しいロゴマークがついています。

新しくなったミレーのロゴは、アルプスの稜線をイメージ

ミレーの大型バックパック「サースフェーNX+60」YAMAPユーザーモニター募集

大型サースフェーNXの改良は、単なる表面的なアップデートにとどまらず、テント泊登山者のニーズに焦点を当てていることがわかっていただけたと思います。

荷物が重くなりがちなテント泊でも、背負い心地と収納性の向上を実現した大型サースフェーNXなら、きっと信頼できるパートナーとなってくれることは間違いありません。2024年3月から全国のアウトドアショップの店頭に並び始めたので、ぜひとも手にとってその使い勝手を実感してほしいと思います。

新モデルの発売を記念し、今回の記事で紹介した「サースフェー NX60+」のモニターになっていただけるYAMAPユーザーを「4名」募集します。

モニターに選定された方には「サースフェー NX60+」を、実際に登山で使用し、その使用感や感想をYAMAPの活動日記でレポートしてください。なお、お送りした「サースフェー NX60+」は、そのままプレゼントさせていただきますので、奮ってご応募ください。募集期限は2024年4月14日まで。詳細は以下のリンクから。
*募集は締め切りました。たくさんのご応募、ありがとうございました。

原稿:大関直樹
撮影:永易量行
協力:ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン

大関直樹

フリーライター

大関直樹

フリーライター

小中学校はボーイスカウト、高校はワンダーフォゲル部で自然に親しむ。好きなものは、タバコとお酒と競輪。最近は、山頂で一服すると周りの目が厳しいので肩身が狭いのが悩み。「みなさんが山で嫌な思いをしないように風下でこっそり吸いますので、許してください」