家財保険って何? 火災保険との違い、補償内容を解説

登山道具はタフだけど、使われる環境が過酷なだけにどうしても破損はつきもの。そんなアウトドアシーンの困った! に備える新サービスとして「アウトドア家財保険」の取り扱いがヤマップでスタートしました。とはいえ、「家財保険って何?」「火災保険とどう違うの?」と思う人が多いはず。そこで本連載では、人気インスタグラマーで家財保険初心者のヤマガスキナダケさん(質問者)とヤマップネイチャランス損害保険 [※] のウチコさん(解説者)をお迎えし、家財保険の謎を解き明かしていきます。全6本(予定)すべてを読み終えたら、あなたも家財保険マスターになれるかも!?

[※] ヤマップネイチャランス損害保険は、登山アプリ「YAMAP」等のサービスを運営するヤマップのグループ会社です。

2024.05.28

ヤマガスキナダケ

会社員イラストレーター

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家財保険って知ってる?

人に対する保険と、物に対する保険

ヤマガスキナダケ:ウチコさん、今日はよろしくお願いします。

ウチコ:よろしくお願いします。

ヤマガスキナダケ:僕は本当に保険のことを全く知らなくて、そもそも自分がどんな保険に入っているかすらよくわかってないんです。

ウチコ:ほとんどの方がそうかもしれませんよ。

ヤマガスキナダケ:ですので今日は基礎の基礎から教えてもらえたらと思っています。

ウチコ:はい、ではまず保険の大枠をお話ししますね。今現在、民間保険の種類は大きく3つ、①生命保険(第1分野)、②損害保険(第2分野)、③医療保険(第3分野)に分かれています。「生命保険」は文字通り命に関わる保険で、例えば一家の大黒柱が亡くなってしまったときの残された家族の暮らしを保障するもの。「医療保険」は病気や怪我で入院・治療が必要になったときに医療費の負担を軽減するもの、と考えるとわかりやすいと思います。

ヤマガスキナダケ:ふむふむ。保険と聞くと生命保険を思い浮かべがちですけど、大分類だけでも3つもあるんですね。あれ、でもなんで今、2つ目の損害保険を飛ばしたんですか?

ウチコ:鋭いですね。生命保険と医療保険はどちらも「人に対しての保険」でしたが、次にお伝えする「損害保険」は「物に対しての保険」なんです。ちなみに損害保険は損害保険会社でないと取り扱いできない決まりとなっています。

ヤマガスキナダケ:なるほど、そんな違いが。でも、物に対する保険って具体的にはどういうことでしょう?

ウチコ:例えば家が火事になり焼けてしまったら、新しく家を建てなきゃいけない。でもそんなお金の備えは残っていない。そういったときに役立つのが損害保険です。

ヤマガスキナダケ:ふむふむ。火事の損害なんかを補償してくれるのが損害保険、と。あ、つまり、よく聞く「火災保険」っていうのはこの損害保険に含まれているってことですか?

ウチコ:そうです! ちなみに地震保険や自動車保険もグループとしては損害保険に入ります。そして、先日リリースされたYAMAPグループの「家財保険」も、同様に損害保険の一種ということになります。

火災保険と家財保険は何が違うの?

※補償対象は各保険会社によって異なります。

ヤマガスキナダケ:なるほど。損害保険の中にも火災保険や地震保険などの種類があって、YAMAPグループの家財保険もここに含まれる、と。あれ、でも火災保険と家財保険って響きが似てません? 火災(かさい)と家財(かざい)、名前は似てるけど何がどう違うのか。

ウチコ:ややこしいですよね。すごくシンプルにお伝えすると、家財保険は火災保険の一部なんです。損害保険の中に火災保険があり、さらに火災保険の中に家財保険がある、という感じ。

ヤマガスキナダケ:ほう。わかったような、わからないような。そもそも火災保険は「火災」って名前に入っているくらいだから、火事に遭ったときに補償してくれる保険なんですよね?

ウチコ:はい。でも火災以外にも台風や落雷、空き巣被害などのシーンも補償対象となる場合があります。これは家財保険も同じ。じゃあ何が違うのかというと、補償される対象物が「建物」なのか、「家財」なのかということ。火災保険の中で「建物」を補償する契約と、「家財」を補償する契約とに分かれているんです。でも、建物だけを補償する契約の場合、家財は補償されないんです。

ヤマガスキナダケ:え、じゃあ同じ火災保険でも建物のみの契約だったら、それ以外のものは補償されないってことですか?!

ウチコさん:そうなりますね。火災保険は建物そのもの、家財保険はお部屋の中の家具や家電が補償対象になる、と考えるとわかりやすいかもしれません。

ヤマガスキナダケ:知らなかった!

ウチコ:火災保険だけでなく家財保険にも入っておくと、火災など万が一の被害に遭われた際に、家財も補償されるので安心なんです。

家財保険の補償対象は?

ヤマガスキナダケ:俄然、家財保険が気になってきました! さっきから家財、家財と言ってますが、具体的にはどんなものが対象になるんでしょうか?

ウチコ:家財とはつまり「家具・家電」のことなので、一般的には例えばソファやダイニングテーブル&チェア、ベッド、たんす、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、それから衣類や食器なんかも補償対象となります。

ヤマガスキナダケ:僕はアウトドアが趣味なので家の中には登山やキャンプで使う道具類がたくさんあるのですが、これらも対象になりますか?

ウチコ:「屋内」であれば、補償されます。

ヤマガスキナダケ:ん? といいますと?

ウチコ:家財保険はあくまで「家の中にあるもの」が損害を受けたときの補償です。言い換えると、普段は家の中にあるものを「家の外」に持ち出して損害を受けたときの補償は基本的には対象外となるわけです。

ヤマガスキナダケ:おお、そんなルールがあるんですね……。

ウチコ:はい。例えば旅行中にカメラを落として壊してしまった、とか。アウトドアシーンで挙げるなら、登山中の転倒や事故でトレッキングポールが折れた、キャンプ中に焚き火の火が引火してテントが燃えた、といったケースがこれに当たります。

ヤマガスキナダケ:な・る・ほ・ど〜。そういう、家財を外に持ち出した際のもしもに備える方法はないんでしょうか?

ウチコ:必要な人はプラスアルファの備えとして特約をつけるケースが多いと思います。保険会社によって名称は違ったりしますが、「携行品損害補償特約」や「自宅外家財特約」なんて表現されているものですね。

ヤマガスキナダケ:そうかあ、外に持ち出したときのアウトドア道具の破損は特約扱いが基本なのかあ。それって別料金がかかるってことですもんね。その分だけ保険料が上がるのか。

ウチコ:YAMAPグループの家財保険では、追加の保険料なしで活動中のアウトドア道具の破損も補償します。厳密には特約扱いですが、基本契約に自動セットされるので、通常の家財に加えて活動中のアウトドア道具も補償してほしいという方にはぴったりだと思います。

ヤマガスキナダケ:たしかに! ようやく家財保険の謎が解けてきました。それにしても保険って、補償対象だったり条件が細かいんですね。うちは家財も入ってるんだろうか、調べなくちゃ。

ウチコ:火災保険の証券を見ればすぐ分かると思いますよ。

ヤマガスキナダケ:分かりやすい説明ありがとうございます! まずは自分が加入している保険契約内容を正しく知るところからですね。

ウチコ:はい、まずはそこからですね。

保険は登山に似ている

というわけで保険のイロハから教わり学んだことは、保険と登山は似ているところがあるということ。保険も登山も人それぞれにリスクが違えば必要なものも当然違ってくる。自分に合ったものを選ぶにはまずは現状を知ることだと学びました。

登山で言えば、今どんな装備を持っていて使い方まで知っているか? のようなこと。でなければいざというとき、効果的に使うこともできない。保険で言い換えればどんな保険に自分自身が入っていてどんなときに何が補償されて何が対象外なのか?

保険全体を一から学んだことで、家財に限らず起こりうる災害への備えや健康のことまで自身の現状を今一度見直すきっかけになりました。

次回は家財保険の補償対象や条件について、さらには今回その存在を知った「アウトドア家財保険」にはどんな特徴があるのかを詳しく聞きたいと思います。

監修:ヤマップネイチャランス損害保険
承認番号:YN24-019
承認日:2024/5/23

ヤマガスキナダケ

会社員イラストレーター

ヤマガスキナダケ

会社員イラストレーター

京都在住。山、川、時々イラストがライフワーク。山頂にはこだわらない登山を家族3人で楽しんでいます。いかに日帰りで無理をせず低山を楽しむかがテーマで、登山をもっと身近に感じてもらえたら幸いです! instagramはコチラ→https://www.instagram.com/yamagasukinadake/?hl=ja