「九州1周ヤマトホ!」1年をかけた壮大な冒険もいよいよ佳境へ

ふたりの若手お笑い芸人が1年をかけて全長2936.9kmの九州自然歩道踏破を目指す冒険「九州1周ヤマトホ!」を皆さんはご存知でしょうか? 旅が始まったのは2019年の3月。スタートからはや10ヶ月が経ち、旅もいよいよ大詰めを迎えています。今回は旅のこれまでを振り返り、そして九州自然歩道の最南端、鹿児島県佐多岬でふたりを元気づけるべく計画した「佐多岬サプライズ大作戦」の様子をお伝えします。

2020.01.06

YAMAP MAGAZINE 編集部

INDEX

果敢なる挑戦「九州自然歩道」踏破

2019年3月8日夜、福岡県北九州市皿倉山。福岡第二の都市、北九州の夜景が煌めく中で壮大な旅が幕を開けました。旅の名前は「九州1周ヤマトホ!」。舞台は九州の主だった山をひと筆書きのようにつなぐ全2936.9kmのトレイルコース「九州自然歩道」。1年間をかけてこの道のりを踏破するのは、若手お笑いコンビの「STAND」。自分を磨くため、そしてお笑いの歴史に爪痕を残すため、ふたりの厳しい旅が始まったのです。

皿倉山山頂での出発の瞬間。ここから過酷な旅が始まりました

これまでの軌跡

3月8日に皿倉山をスタートして以来、旅はもうすぐ10ヶ月を迎えます。その間、多くの出会い、そして別れがありました。山中ですれ違う登山者からの励ましの言葉、通過する街や村でふたりの疲れを癒す優しいもてなし。「STAND」のふたりは、多くの方に背中を押されながら1歩1歩、険しい山を登って行きました。

4月18日佐賀県黒髪山にて

しかし、その旅路は我々が想像する以上に過酷なもの。長崎県を通過した5月から7月にかけての梅雨と猛暑は、確実にふたりの体、そして心を消耗させていったのです。

6月26日長崎県西海市にて。降り頻る雨の中、歩みを進めるふたり

そして迎えた8月7日。「STAND」のひとり、廣渡が体力、精神力ともに限界を迎えリタイアを宣言、コンビが解散してしまうという事態に陥ります。

8月9日熊本県天草半島にて。コンビ解散後、ひとり歩みを進める西村

廣渡が去った後、残された西村はひとりで旅を続けることになります。孤独な旅路に挫けそうになる心を奮い立たせ西村は長崎から熊本への道を進み、新しいコンビ「ムラビト」の相方、下村と出会うことになったのです。

9月11日熊本県丸山にて、新コンビ結成初の登山

そして、新コンビ結成から3ヶ月弱の12月初旬。西村と下村はついに、九州の最南端「鹿児島県佐多岬」に到着しました。

ふたりを応援すべく用意したのは思いのこもったメッセージと料理

YAMAPでは、果敢にチャレンジを続けている彼らを応援するため、贈り物を届けるプロジェクト「佐多岬サプライズ大作戦」を11月に立ち上げていました。贈り物はユーザーの皆さんからの熱い思いのこもった応援メッセージと温かな料理。私たちは事前にYAMAP MAGAZINE(旧YAMAP.mag)上でメッセージと当日料理を作ってくださる方を募集していました。

応援メッセージの一部。たくさんの熱い言葉が寄せられました

応募フォームに寄せられたたくさんの応援メッセージ、そして九州最南端の佐多岬まで赴き、手料理を振る舞おうという心意気を持った料理人の方の応募。応募してくださった皆様、本当にありがとうございました。

厳正なる審査の結果、数多くの応募の中から小倉にある大きなホテルでアスリートに向けた料理を担当するシェフ「タクさん」に佐多岬まできていただき、到着したふたりに料理を振る舞うことに。また、今回寄せられた応援メッセージと、過去に活動日記に寄せられた応援メッセージの一部をプリントしたTシャツも一緒にプレゼントすることにしました。

「佐多岬サプライズ大作戦」実行当日

ふたりが佐多岬に到着したのは12月3日。南国鹿児島とはいえ師走の風は冷たく、岬周辺には強い海風が吹いていました。我々YAMAPスタッフとタクさんは、ふたりを驚かすべく、事前に岬そばのキャンプ場で準備を行いました。

当日は調理のためにキャンピングカーも手配。暖を取れるように焚き火を起こしてふたりの到着を待ちます

自宅であらかじめ下ごしらえをした食材を抱えて料理人のタクさんも到着

本当は素敵なキャンプセット一式やテントサウナも用意していたのですが当日は稀に見る強風。あえなく設置を諦めました

数多くの熱いメッセージが入ったTシャツも用意。ふたりを待ちます

いよいよふたりの到着

そしていよいよふたりの到着。事態を理解できていない様子で、いつになく騒がしいキャンプ地に怪訝な顔をしながら1歩1歩近づいてきます。

この日は伊座敷漁港から大泊野営キャンプ場までの17.3kmの行程。到着したふたりの顔からは疲労の影が

まずは、今回の「佐多岬サプライズ大作戦」の概要を説明し、そして熱いメッセージのこもったTシャツをふたりにプレゼント。

到着したふたりにまずはTシャツの贈呈を行います

そしていよいよディナータイムのスタートです。タクさんはお仕事でアスリート向けの料理を手掛けているだけあって、ふたりの身体のことにも気を配ったメニューが並びます。

こだわりの魚介を使ったアクアパッツァ。中央には地元産のクエ

熊本産黒毛和牛と子羊の背ロース

ふたりのディナーの様子を温かく見守るタクさん(タクさんの活動日記の詳細はこちらから)

いつも使い慣れないナイフとフォーク、食べ慣れない高級食材の数々。そして突然渡されたTシャツ。若干戸惑い気味ではありましたが、応援の気持ちはふたりに届いたようです。料理も終わり、ほっとひと息ついている時に「辛いことも多いし逃げ出したいと思うこともある。でもYAMAPでいただくメッセージや山ですれ違う人にかけてもらえる声、それが何よりも嬉しい」、ふたりはそう語っていました。

厳冬期の九重を超え、いよいよゴールへ

1月以降は、厳冬期の過酷な山々がふたりの前に立ちはだかります。特に後半最大の山場は大分県と熊本県に跨がる九重。おそらくふたりが九重に足を踏み入れる時期は、雪が積もり、小川が凍る厳しい環境になっていると予想されます。
厳冬期の久住山の様子

九重を超えた先にあるのは、1年前にはじめの1歩を踏み出したあの皿倉山。3月のゴールに向け、いよいよ「九州1周ヤマトホ!」の冒険も佳境です。しかし、ここからが最も厳しい旅路になることもまた事実。そして、ふたりが歩みを進めるために最も力になるのは、皆さんからの応援ということもまた事実です。

今日この時も寒空の下、1歩ずつゴールに向かって前へ進む「ムラビト」。どうか、これからゴールまでの残り2ヶ月と少し。彼らの旅に応援をよろしくお願いします!

彼らの旅の様子はこちらから

彼らの旅の様子は下記のサイトおよび、FBS福岡放送「FBS開局50周年記念 九州1周ヤマトホ!」(毎月第2土曜日 午前9:30~10:30)で知ることができます。YAMAP公式アカウントからは、ふたりの活動日記に応援のコメントを寄せることもできますので、ぜひふたりの冒険の様子を見て、フォロー&応援のメッセージの書き込みをお願いします! 皆さんからのコメントがふたりの力になります。

FBS福岡放送「九州1周 ヤマトホ!」公式HP​
http://www.fbs.co.jp/yamatoho/

これまでの旅の経緯(「九州1周 ヤマトホ!」公式HP内)
http://www.fbs.co.jp/journal/matome/58.html
http://www.fbs.co.jp/journal/matome/63.html

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登山アプリYAMAP運営のWebメディア「YAMAP MAGAZINE」編集部。365日、寝ても覚めても山のことばかり。日帰り登山にテント泊縦走、雪山、クライミング、トレラン…山や自然を楽しむアウトドア・アクティビティを日々堪能しつつ、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと奮闘中。