皆さん、西日本で一番高い山を知っていますか? 標高1,982m、愛媛県の西条市と久万高原町に位置する石鎚山。日本百名山のひとつでもあり全国から年間およそ10万人の登山者が訪れる人気の場所、登山好きなら「一度は登ってみたい」と思う山のひとつです。この石鎚山を舞台に、10月24日・25日の2日間、山の楽しみ方を遊びながら学べるイベント「マウンテンアカデミーin石鎚国定公園」が開催されました。山を楽しむ様々なコンテンツを体験できるこのイベント。今回はその様子と、石鎚山で学んだ「山の新しい遊び方」をご紹介します。
2020.11.30
YAMAP MAGAZINE 編集部
メイン会場となる石鎚国定公園ピクニック園地は、地元の人にとっては「スキー場」という印象が強い場所ですが、グリーンシーズンは、気持ちのいい芝の広場。
秋の爽やかな風が吹き抜ける絶景の高原を舞台に開催されるイベントでは、天空のマルシェ、E-BIKE試乗会、キャンプ、マウンテンクッキング、星空観賞など、様々なコンテンツが用意され、参加者の到着を心待ちにしています。
標高1,300mの会場までは、ロープウェイで一気に上がれるので、小さな子供連れや体力に自信の無い方も安心。イベント当日は気持ちの良い秋晴れで、山も紅葉に色づき始めた頃。ロープーウェイ乗り場には参加者だけでなく、朝早くから登山者も多く並んでいました。
ロープウェイを降り、森を抜けて坂を上がると会場入口が見えてきました
今回、YAMAPが運営をお手伝いしているE-BIKE試乗体験。果たしてE-BIKEで急斜面のゲレンデを登ることはできるのか?
mont-bellスタッフが教えるテント設営のワークショップも開催。キャンプ初心者でもテント設営をマスターできるとのこと
天空のマルシェでは、温かくて美味しい食事はもちろん、地元の方との交流も楽しめます
たくさんのコンテンツが準備され、山好きが、もっと山を好きになる2日間がいよいよスタートです! まずは、参加者たちの様子をちょっと覗き見してみましょう。
大阪からバスツアーで来た方、近県から来た方、地元の方など、参加者の居住地は多種多様。2日間で総勢300名以上の方に足を運んでいただきました。
地元からの参加者に話を聞いてみると「石鎚山には毎年来ているけれど、イベントを目的に来たのは初めて。普段、山登りしない友達も連れてこれてよかった」とのこと。お友達は今回のイベントをきっかけに山の面白さに気がついたようで、私たちもお話を聞いて嬉しくなりました。
遠方からの参加者からは「ずっと石鎚山に登りたいと思っていた時に、ちょうどイベントを見つけて、来るきっかけになりました」という声も。
話を聞くと、1日目はマウンテンクッキング、テント泊、スターナイトツアー。2日目は石鎚登山ツアーに参加。イベントをフルに楽しめるよう、スケジュールを組んだとのこと。天気にも恵まれて、本当によかった!
思いっきり山をかけあがってみる。子どもたちは疲れ知らず
2日間の会期中は、アクティビティーに参加するもよし、ゆっくりと過ごすもよし。人々の笑顔が溢れる会場は終始Happyな雰囲気に包まれていました。
マウンテンアカデミーでは、山をもっと楽しんでもらうためのコンテンツが多数用意されています。ここからは、各アクティビティーの様子について、紹介していきましょう。
mont-bellスタッフにテントの張り方を学ぶテントワークショップ。設営したテントはそのまま宿泊にも利用します。参加者の中には、初めてテントに泊まるという方も。まずは、スタッフが張り方のポイントを解説をしながら、目の前でデモンストレーション。慣れれば15分くらいで張れるそうです。
さすがmont-bellスタッフ。あっという間にテントが完成していきました
座学の後は、いよいよ、参加者の番です。テントの張り方によって眠る時の快適さが変わってくるので、みんな真剣!
困った時は、スタッフにヘルプ!
初めて張る方や、ひとりで参加されている方も、全員無事にテントを張り終えました。テントが風をはらまないように、風下に向けて入り口を設置すること。ペグはテンションがかかる方向に対して斜め45度。結露を防ぐために換気に配慮することなど、テント設営のポイントを学ぶことができ、一同大満足の様子です。
続いて紹介するのは、アウトドアの達人 田中ケンさんによるマウンテンクッキング教室。アウトドアでBBQやカレーを作った経験がある人は多いと思いますが、外でガッツリ料理をするのは初めて! という参加者も多い様子です。ケンさんがお勧めするキャンプ道具が「ガソリン式ツーバーナー」。マウンテンクッキングでは、このツーバーナーを使って、簡単でお洒落、でも本格的な“キャンプ飯”に挑戦しました。
美味しい料理を作る上で、ツーバーナーは欠かせない!と語るケンさん
道具の使い方を習い、ケンさんのレクチャーを聞きながら、各テーブルで料理開始!
肉の焼き加減はお好みで。うーん、美味しそう!
アウトドア料理で難しいのは、やっぱり火加減。ステーキを焼く時は、火の上にフライパンを持ってくる。保温する時は火から遠ざけてフライパンを置く。試行錯誤しながら、アドバイスを参考に料理を作っていきます。
メキシコ料理「チラキレス」や、チーズリゾットなど、お洒落なキャンプ飯が完成しました。楽しく料理して、みんなで外で食べるのって最高ですよね。いい笑顔!
街の光が届かない1,300mの会場は、星空も抜群! 石鎚山では、毎月スターナイトツアーが開催されていますが、今回はなんと、マウンテンアカデミー特別版での実施です。
夕方18:00。陽も沈みはじめ、徐々に薄暗くなってきました。みんな、それぞれに星を鑑賞しやすい位置に椅子を置いて、辺りが暗くなるのを待ちます。
すっかり暗くなると、国内屈指の望遠鏡メーカーVixen社のスタッフと声優のかかずゆみさんのナレーションによるスターナイトツアーが始まりました。ふと気がつけば、頭上には遥かに広がる満点の星空が!
スタッフが星空を指差して「動く光が見えますね。あれは人工衛星です」と解説が始まり「今日は、月、木星、土星が見えています」と話は続きます 。星座の紹介や、流れ星の大きさに関するクイズなど、天体の興味深い話が次から次へと。参加者は空を見上げながらその名調子に聞き入っていました。
天体望遠鏡メーカーのVixen社の望遠鏡で月を鑑賞
そして、かかずゆみさんによる物語の朗読。宮沢賢治の作品など、星にまつわるストーリーを聴きながら、星空を鑑賞します。満点の星の下、優しい声で素敵な物語を聴いていると、そのまま眠ってしまいそうです(ちなみに、かかずゆみさんは、ドラえもんのしずかちゃんの声を担当されています)。
石鎚山に来たからには、やっぱり登りたいですよね、西日本最高峰! イベント中には登山の初心者から玄人まで、みんなが安全に山を楽しめるツアーも開催されました。コースは石鎚山弥山登頂ツアー・石鎚山山麓紅葉トレッキングツアーの2つ。
イベント2日目の朝8:30。登山ツアー参加者が続々と集まってきます。ガイドさんから、装備の確認や歩き方のレクチャーを受けて、各自出発の準備に余念がありません。
ガイドさんから安全に登山するための心得や注意事項を教わります
それでは出発! みんな元気に山に向かいました。
スタッフは参加者の姿が見えなくなるまで手を振ってお見送り
無事に登れたかな? と気になっていましたが、YAMAPの活動日記に、参加者さんの投稿を発見! 雲ひとつない快晴で、頂上からの景色も最高だったみたいです!
続いて紹介するのは、今回のイベントでYAMAPがサポートを行なっているE-BIKE試乗体験です。
ちなみにE-BIKEとは、電動アシスト機能付きのスポーツ自転車のこと。街中で見かけるママチャリタイプの電動アシスト機能付き自転車と比較して、推進力が強く、バッテリー容量も大きいため、ハードなアクティビティーにも十分に使える次世代の乗り物なのです。
「とはいえ、ゲレンデの急斜面なんて登れるわけないでしょう…」と思ったあなたは、ぜひこの乗り心地を体験すべき。そう、このアクティビティーは自転車で急斜面のゲレンデを登り、E-BIKEのパワーを体感してもらう試乗会なのです。
まずは水平に進んで自転車のパワーを感じてください
慣れてきたら坂に挑戦!
こんな勾配も、ラクラク登れちゃいました!
子どもも女性もゲレンデをラクラク登れました。みんな「まるで押されてるみたい!」と歓声が上がるほど、そのパワーに感動している様子です。ちなみにこのE-BIKE、普段は石鎚山の麓に位置する西条市にて、レンタルすることができます! 詳細はこちらから。
ただ登山するだけが山の楽しみ方じゃない! 参加者も「こんな体験ができて嬉しい!」「初めてテントに泊まった。また泊まりたい!」など、山の遊びがもっと好きになった様子。
山に登って絶景を楽しんだり、植物や自然を楽しむのに限らず、様々な工夫で山が全く新しい遊び場になるんだなと、教えてもらった2日間でした。
イベント中、ずっと晴天を維持してくれて、素晴らしい景色を見せてくれた石鎚山に感謝。そして、一緒に楽しく山の遊びを学んだ、マウンテンアカデミーのスタッフさん、参加者のみなさんに感謝です。また次回の開催を楽しみに待ちましょう!
今回、ゲレンデを登ったE-BIKEのパワーを西条の町でも体験できます! ゲレンデの斜面をあんなにラクラク登れたのだから、町で乗ってみたら、きっとペダルの重さも感じさせない軽さなのでは? E-BIKEはJR伊予西条駅前にあるソラヤマいしづち事務所にてレンタルが可能です。
西条は石鎚山の麓にある町なので、石鎚山周辺の見所スポットを巡るのに、E-BIKEはうってつけですよ!
日本七霊山のひとつで西日本最高峰の石鎚山を神体山とする神社。山麓に鎮座する「本社(口之宮)」、山腹の「成就社(中宮)」と「土小屋遥拝殿」 、弥山頂上の「頂上社(奥宮)」の4社をあわせて石鎚神社と呼ばれます。諸願成就のパワースポットです!
→JR伊予西条駅からE-BIKEで20分(Mapで見る)
四国最大規模の自然共生型アウトドアパーク。清流大明神川をまたぐジップスライドなど、アクティビティーもスリル満点です。子どもから大人まで思いっきり楽しめます。
→JR伊予西条駅からE-BIKEで70分(Mapで見る)
瀬戸内海や石鎚山を一望できる絶景の温泉、瀬戸内海の海の幸を満喫できる会席料理など、愛媛の魅力がギュッと詰まった休暇村。敷地内にはシーサイドキャンプ場も併設されており、キャンプ好きにも人気です。
→JR伊予西条駅からE-BIKEで70分(Mapで見る)
石鎚山のふもとの静かな里山にある、廃校になった小学校を活用した体験型の宿泊施設。「自然を知る、生活に活かす」をテーマに、様々な体験教室が開催されています。ケビン(宿泊可能な小屋)やキャンプ場、バーベキューハウスなどもあり、子連れアウトドアにもぴったり。近隣の黒瀬ダムは絶景スポットとしても人気です。
→JR伊予西条駅からE-BIKEで60分(Mapで見る)
カフェを併設した人気の観光農園。冬から春までは「あまおとめ」や「紅ほっぺ」など数種類のイチゴ狩りが時間無制限、食べ放題で味わえます。夏にはブドウ狩りや、カフェで供されるシャインマスカットのかき氷が大人気。カフェのみの利用も可能で、季節のもぎたてフルーツを使ったスイーツが一年を通して味わえるスポットです。
→JR伊予西条駅からE-BIKEで50分(Mapで見る)
次世代の乗り物として、今アウトドア界隈で熱い視線を集めるE-BIKE。石鎚山に抱かれた美しいフィールドの観光に是非ご活用ください!
株式会社ソラヤマいしづち
TEL:0897-47-6030
台数に限りがございますので、事前にご予約ください。