東京都八丈島【E-BIKE編】|異国情緒漂う島をE-BIKEで思い切り駆け抜けよう!

羽田空港から飛行機でおよそ1時間、太平洋に浮かぶ絶海の孤島「八丈島」。八丈富士や三原山の裾野に自然が広がる植物相豊かな島を、2日間に渡ってE-BIKEで駆け抜けるツアーが2020年12月に開催されました。サイクリング初心者でも、E-BIKEならば30kmを超える長距離を爽快に走ることができます。YAMAPでは、このツアーの企画立案に協力。普段はほとんど運動をしないというライターの矢作さんが、島の大自然を五感で味わえるE-BIKEの魅力と八丈島の美しい景色を巡る旅に同行した様子をお届けします。

2021.02.21

矢作ちはる

ワタリドリ製作所 代表

INDEX

【1日目】E-BIKE旅のスタート! 目指すは絶品ソフトクリーム

羽田空港から飛行機に乗って1時間、13時過ぎに八丈島空港に到着した私たちは、出発地点の八丈島観光協会に向かいました。東京を出発した時は雪が降りそうなほどの寒さでしたが、1年を通して温暖な気候の八丈島は、12月中旬でも15度前後もあります。

現地はあいにくの天候。レインウェアを身につけた一行に、早速E-BIKEが渡されました。E-BIKEとは電動アシスト機能がついた電動自転車のこと。ギアや電動アシストの調整方法など、操作のレクチャーを受けてから、いざ出発! ドキドキしながら乗ってみると、電動アシストのおかげで驚くほど軽やかに進みます。

走行中にも空模様が目まぐるしく変化します。出発前はスコールのような雨が降っていたのに、出発する頃には青空が見え始め、少しすると美しい虹が。

出発前にはスコールのような雨が

出発する頃には雨が上がりました

空に七色の虹がかかっていました

最初に目指すは、美味しいソフトクリームが人気の「八丈島ジャージーカフェ」。私はパッションフルーツゼリーの上にソフトクリームが乗ったものを頼みました。一口食べて、濃厚で風味豊かなミルクの味にびっくり!
それもそのはず、山と海に囲まれた八丈島の牧場で、放牧に近い形でのびのび育ったジャージー牛のミルクを使っているのだそうです。

走行中に牧場の前を通りましたが、こんなに風光明媚な牧場で育ったら、そりゃお乳も美味しくなりますよね。

豊かな自然の中で育ったジャージー牛の乳から作られるソフトクリームが名物。写真は「ソフトクリームonゼリー(パッションゼリー)」600円

他にも美味しそうなスイーツがたくさんありました

原料となる生乳を生み出すジャージー牛は海が見えるゆーゆー牧場で放牧に近い形で育てられています

E-BIKEで八丈富士の裾野を一周

美味しいおやつでエネルギーチャージをしたら、八丈富士の裾野を一周します。緩やかな傾斜の上り坂が続きますが、E-BIKEならアシスト機能が充実しているので、景色を楽しみながら走ることができます。南国の雰囲気溢れる美しい自然を眺めながら、E-BIKEで颯爽と駆け抜けるのは気分爽快!

緩やかな坂道が続きます

八丈富士という名前の通り、富士山のような形の山

映画の撮影などでも利用されたというホテルの廃墟もまた一興

真っ黒な大地と青い空とのコントラストが美しい

1時間ほど走って到着したのは「南原千畳敷」。海に沈む美しい夕日が眺められる絶景スポットです。ここ八丈島は、三原山と八丈富士の火山活動によって生まれた火山島。目の前に広がる景色も本土とは全く異なります。一見、荒野のようにも見えますが、真っ黒な溶岩大地の上にも珍しい植物が逞しく生きているのがわかります。

それから出発地に1時間ほどかけて戻り、1日目のサイクリングは終了。本日の走行距離は23km。途中、名所に立ち寄りながら、トータル約3時間走りました。
E-BIKEとはいえ、海風が強いエリアやひたすら上り坂が続く場所もあるため、息の上がる場面も多々ありましたが、走り終わったときは、心地よい疲労感。寄り道しながらくまなく島を巡れるE-BIKEの島旅は、癒しの時間でした。

溶岩台地の南原千畳敷と夕日ヶ丘。遠くには八丈小島が見えました

岩肌にぽつぽつ見える植物に逞しさを感じました

島民一押しの小料理屋で島料理を味わい尽くす

そしてお待ちかねの夕食タイム! 今回は美味しい島料理が食べられる名店ということで、素朴な雰囲気が島民に人気の「梁山泊」というお店に行きました。八丈島に来たら、絶対に食べておきたいのが島寿司です。お刺身は甘口の醤油で味付けされていて、中にはワサビの代わりに辛子が入っています。

たくさん走って空腹の体に、優しい味わいの島料理が染み渡ります。他にも 八丈島特産の明日葉やサツマイモの天ぷらなどをいただきました。サツマイモは驚くほど甘くてついつい食べ過ぎてしまうほど。明日葉も苦味などが全くなくて、おやつ感覚でサクサク食べられました。ミネラルやビタミンを豊富に含み、おまけに抗菌作用をもつ栄養満点のお野菜なのだそうです。

左からマグロ、サワラ、アオダイ、岩のり

サツマイモと明日葉の天ぷら

八丈島の郷土料理の盛り合わせ。お酒のアテにぴったりです

手前からの黄色いのは、島たくあん。一般的なものよりも歯ごたえがあって、少ししょっぱめです。時計回りに、島しょうがの煮物、明日葉の胡麻和え、島の牛乳で作ったモッツァレラチーズを使ったカプレーゼ。茹でた里芋にカツオの塩辛をつけて食べる「にょうげ」も、メジャーな料理なのだそう。

珍しい島料理をたくさんいただきました

どれもお野菜の味が濃くて、とても美味しかったです。海の幸、山の幸が盛りだくさんの体にも心にも優しい美味しい島料理をお腹いっぱいいただき、1日目の夜は更けていったのでした。

【2日目】八丈植物公園の中で南国気分を味わう

翌朝の天気は真っ青な快晴。泊まった場所は、庭に大きなガジュマルの木がある「そこど荘」という民宿です。お風呂にもゆっくり浸かり、布団でぐっすり眠ることができました。

庭には池とシンボルツリーのガジュマルの木

ガジュマルの木の裏手は海です

美味しい朝食から1日がスタート

準備が整ったところで、いよいよ出発。今日は三原山の裾野をE-BIKEで巡ります。昨日の八丈富士と並んで、八丈島を代表する活火山です。朝の澄み切った空気の中、E-BIKEで木のトンネルを駆け抜けます。まさにマイナスイオン吸いたい放題。

木のトンネルを突き進みます

島に住む子どもたちのために台湾から連れてきたという、キョンという小さな鹿が飼われている場所にも立ち寄りました。ガイドさんから食べさせても大丈夫な草を教えてもらい与えてみると、美味しそうに食べてくれます。

キョンという小さな鹿。とても人懐っこいです

寄り道をしながら目指すのは、「八丈植物公園」です。島で自生する珍しい植物や、熱帯地域で育つ植物などを見ることができます。

八丈富士の目の前に広がる八丈植物公園

園内は南国の景色そのもの

ハウスの中にはバナナなどの熱帯植物が溢れています

併設された資料館には、八丈島の生態や歴史文化に関する展示が並んでいます。島の砂浜に産卵のために訪れるウミガメについての解説や、絶海の孤島で牛の飼育が盛んになった理由などが、写真や模型で説明がされています。それによると、八丈島は温暖多雨な気候のため植物がよく育ち、牛の餌となるマグサや明日葉、アザミなどが自生していたため、牛を育てやすい環境なのだそうです。

島の自然や文化、動植物の展示コーナーがあるコーナーもあります

美しい玉石垣が続く大里集落を散策

島の文化を学んだところで、次に向かったのは玉石垣が続く大里集落です。卵型の白っぽい石で構成される玉石垣は防風林と同様の役割をもち、古くは室町時代に作られた歴史あるもの。前崎の浜に転がっている丸い石を手で一つずつ運んで積み上げ、隙間を島の土で作った粘土で固めています。台風が多い島の気候でも、滅多に崩れないほど強度があるそう。

八丈富士の周辺の石垣は黒っぽく、三原山の周辺の石垣は白っぽい石。E-BIKEで巡っていると、風景がガラリと変わるのが面白かったです。

(左上)八丈富士周辺は玄武岩でできた黒っぽい石垣
(右下)三原山周辺は安山岩でできた白っぽい石垣

高い方の石垣は室町時代に作られたもので、民家側にある左の石垣は、その後に真似て作られたもの。

坂の上から眺める八丈富士が美しかったです

八丈八景の一つの大坂トンネル展望台へ

続いて訪れたのは、八丈富士と太平洋を一望できる大坂トンネル展望台です。右側に海風を感じながら、ひたすら坂道をE-BIKEで登ります。
太ももの筋肉がいよいよ悲鳴を上げ始めた頃に、目的地に到着しました。高地なので、吹き飛ばされそうなほどの強風でしたが、八丈島を代表する8つの絶景「八丈八景」の一つというのも納得の美しい自然を一望できる絶景スポット。

大坂トンネル展望台までの長い坂

太平洋と八丈富士の美しいコントラスト

大竜ファームで椎茸の収穫体験&ランチ

そこから自転車で20分ほど走り、向かった先は大竜ファーム。一見、島の食堂という外観の場所ですが、奥がファームになっていて椎茸の収穫体験ができます。

食堂の裏手が広大なファームになっています

想像よりもはるかに広いファーム内には、椎茸の菌床がぎっしりと置かれた棚がいくつも並んでいます。適度な湿度と温度が保たれているため成長が早く、生えてきてからなんと1週間で食べ頃を迎えるそう。

(左上)奥が見えないほどの長さです
(右下)にょきっと生えた椎茸が可愛らしい

軍手をして採集ハサミを持ち、人生初の椎茸の収穫! あちこちに食べ頃の椎茸が生えていて、ついつい没頭してしまいます。ここで育てているのは「うみかぜ椎茸」という名前の椎茸です。

プリッとした大きな椎茸を採取したときの幸福感たるや!

参加者全員、カゴいっぱいに採取しました。これらはすべて持ち帰れます。出荷するときの袋詰め体験もさせてもらえました。

驚くほど肉厚な椎茸です

一袋に入りきらないほどの量になりました

そして、ファームに併設された食堂でランチタイムです。こちらのカレーに椎茸のフライをトッピング。農薬や化学肥料を使っていないうみかぜ椎茸は、えぐみや臭みが全くありません。歯ごたえのある肉厚の椎茸は、ジューシーで絶品でした。

「男のカレー」小鉢・スープ付きで950円(税抜)

島の牛乳と苺を使ったスムージーも甘くて美味しかったです

ジャングルのような自然林の中を探検

腹ごしらえが終わったところで向かった先は、美しい自然林が広がる裏見ヶ滝です。

入り口から階段をひたすら登ります

恐竜が出そうな雰囲気の生命力溢れる林です

大きな根っこをもつ巨木もたくさんありました

林の中は自然の宝庫。珍しい植物がたくさん生い茂り、歩いているだけで楽しい場所です。途中、珍しい植物を見つけると、ガイドさんが特徴や実生活でどんな使われ方をしているかなどを教えてくれるので、とても勉強になります。異国のジャングルを探検してきたかのような気分が味わえる素敵な場所でした。

珍しい植物があるとガイドさんが教えてくれます

裏見ヶ滝の名の通り、滝の裏側を通ることができます

鯨の潮吹きを眺めながら足湯に浸かる

いよいよ旅の終盤。この2日間の疲れを癒すため、公共の無料足湯「足湯きらめき」に立ち寄ります。最終日にして上り坂が多くハードなルートでしたが、その疲れが吹き飛ぶほどの素晴らしい眺めに感動!
広大な海を目の前にして足湯に浸かっていると、時間を忘れることができます。ぬるま湯なので、つい時が経つのも忘れてしまうほどの心地よさ。火山島の八丈島では、あちこちで良質な温泉が湧き出すのだといいます。
足湯に浸かりながら遠くで二頭の鯨が潮吹きをする姿も見ることができました。ここは天国か…!?

足湯きらめきから臨む絶景ビュー!

公共の足湯なので無料で入れます

最後は、八丈島のお土産がなんでも揃う古民家風の土産物店の「民芸あき」で、お土産を購入。八丈島産の食材を使った食べ物や、珊瑚のアクセサリーや木彫りの民芸品、雑貨など、欲しいものがたくさんあって目移りしてしまいました。

島民目線で島をディープに楽しみたい人にはE-BIKEの旅がおすすめ!

火山島ならではの豊かな植相と、真っ青な海と美しい景観の山、そして美味しい郷土料理。生命力溢れる自然からたくさんエネルギーをもらいました。

E-BIKEを使った初めての島旅でしたが、専用の道具なしでも参加できる身軽さがよかったです。E-BIKEは電動アシスト機能がついているので、アップダウンが激しい島の地形でも息切れすることなく、美しい島の景色を楽しみながら走ることができました。

車だと素通りしてしまうような場所にも、E-BIKEならば冒険気分を味わいながら訪れることができます。八丈島は走る場所によって景色ががらりと変わるので、1日30km近い距離を走ったにも関わらず、全く飽きることなく景色を楽しむことができました。たった2日間の滞在とは思えないほど、島のディープな魅力を存分に味わうことができたと思います。

太陽の光をたっぷり浴びながら大自然の中を走ると、余計な雑念が払われて心も体もどんどん元気になっていくのがわかります。ちょっと元気が出ないなと感じる人にこそ、E-BIKEで巡る八丈島の旅がおすすめです。

矢作ちはる

ワタリドリ製作所 代表

矢作ちはる

ワタリドリ製作所 代表

ライター・プランナー。大手広告会社、出版社を経てフリーランスに。渡り鳥が軽やかに国境を越えて旅するように各地を飛び回りながら、ヒト・モノ・コトに関わるその土地ならではの魅力を発信する活動をしている。趣味はフリープランの一人旅と食べ歩き。 20才の頃からおんぼろバスで国境越えをするようなちょっと危険な旅を好み、訪れた国は30カ国以上。主な著書に『石の辞典』(雷鳥社)、『世界の絶景1000』(英和出版 ...(続きを読む

ライター・プランナー。大手広告会社、出版社を経てフリーランスに。渡り鳥が軽やかに国境を越えて旅するように各地を飛び回りながら、ヒト・モノ・コトに関わるその土地ならではの魅力を発信する活動をしている。趣味はフリープランの一人旅と食べ歩き。
20才の頃からおんぼろバスで国境越えをするようなちょっと危険な旅を好み、訪れた国は30カ国以上。主な著書に『石の辞典』(雷鳥社)、『世界の絶景1000』(英和出版社)などがある。

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