登山用具の中で最も重要なアイテムといえば、登山靴。足にフィットしない登山靴で歩くと、靴ずれや捻挫などを起こしかねず、安全登山にも関わってきます。そこでYAMAPでは、「登山靴に関するアンケート」を実施。寄せられた1.8万人もの回答の中から登山靴についての代表的なお悩みをピックアップし、KEENスーパーバイザーの坂本佳隆さんに答えていただきました!
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2021.06.02
大関直樹
フリーライター
登山者1.8万人が回答した登山靴に関するアンケートで分かったのは、登山靴選びの難しさ。「今履いているものでも大きな問題はないんだけど、ひょっとするともっと良いものがあるかもしれない」、「何足試してもぴったりの登山靴に出会えない」、「そもそも何を基準に選べばよいの?」…。そんな悩みが多数寄せられました。
だからこそ、登山靴を買う前にきちんと情報を収集して、ポイントを押さえて選ぶことが重要なのです。
ではさっそくアンケートを見てみましょう。
アンケートの結果を見ると、登山靴を選ぶ際に約90%の人が足へのフィット感を重視していることがわかりました。しかし、「どうしたら自分の足にフィットしたものを見つけられるのかわからない」という声も。そこで、KEENスーパーバイザーの坂本さんに試し履きでジャストフィットする登山靴を見つける方法を聞いてみました!
坂本さん:ジャストフィットする靴を見つけるためには、ショップで色々なモデルを試し履きしてみることが重要です。ポイントは以下の3点です。
①つま先に余裕があること
②靴の中で指が動かせること
③足指の親指と小指、甲の部分が靴に当たって痛くないかをチェックすること
また、試し履きのときは、山で使うソックスを履いてからにしましょう。ソックスの厚さによってフィット感が変わってくるので、登山靴とソックスは、ワンセットと考える方がよいと思います。
坂本さん:ショップで登山靴を履いたら、店内を歩いてみることが大切です。本当にフィット感を確かめてみるには、最低でも5~10分くらいは歩かないとわかりません。歩くのが面倒だと思って早めに切り上げてしまうと、山に行ったときに靴ずれなどのトラブルになる恐れがあります。
質問された方は、左足の小指を痛めたとのことですが、もしかしたら左右の足の大きさが違っていたのかもしれません。実際、そういう方って意外といらっしゃるんですよ。その場合は、大きい足のサイズに合わせて靴を選びます。そして、小さい足は、靴紐をきつく締めて調整します。
坂本さん:登山靴は、山行スタイルによって使い分けたほうが、疲れにくく安全な登山が楽しめます。たとえば、日帰り低山で荷物が軽いなら、スニーカー寄りのローカットでライトな靴がおすすめです。足首が固定されないので捻挫のリスクはありますが、軽いので軽快に歩けます。
岩場や稜線歩きなら、ミドル~ハイカットでソールもしっかりしたものがいいでしょう。靴自体が重めというデメリットはありますが、足場が不安定でも足首が固定されるので、捻挫などを防いでくれます。
どちらも一長一短があるので、登る山によって使い分けるのがベストだと思います。その方が、登山靴の寿命を長持ちさせることもできますよ。
坂本さん:登山靴のソールは、使用頻度や保管状態にもよりますが、湿気やカビによって劣化するので、4~5年が寿命と言われています。そのため、購入してから5年以上経った登山靴を使うことはおすすめしません。
また、登山前には必ずソールを曲げ伸ばししてみて、細かな裂け目が入っていないか確認してみることも大切です。もし、登山中にソールが急に剥がれてしまったら、細引き(細いひも)やテープで応急処置をする必要があります。その場合、歩き続けると事故につながるリスクがありますので、速やかに下山しましょう。
坂本さん:登山靴のような丸い靴紐はほどけやすいんですよね。
そこで、お客様には二重蝶結びをおすすめしています。結び方は簡単で、普通の蝶結びで1回くぐらすところを2回に変えるだけです。ぜひ、みなさんもやってみてください。
また、登山靴の紐は、登りと下りで結び方を変えると歩きやすいですよ。とくにミドル・ハイカットの靴は、上りで少しゆるめにすると足首が固定されないので疲れにくいんです。下りのときは、筋肉が疲れていて足首がぐらつきがちなので、足首部分の紐をしっかりと締めて固定しましょう。ローカットでも、下りが始まるときに靴紐をしっかりと締めた方が、つま先が靴に当たって爪を傷つけるのを防いでくれます。
坂本さん:そうですね、登山靴を長持ちさせるためには、メンテナンスがとても大切です。まずは、山から帰ってきたらインソールを取り出して洗いましょう。ソールに詰まった泥や小石は、ブラシなどでしっかりと取り除きます。アッパーは、紐をほどいてスポンジや固く絞った布で拭いて汚れを落としましょう。
泥だらけだとアッパーを水洗いしたくなりますが、これはNG。レザー素材は水を吸うと変形しますし、ナイロン素材も靴の内部に水が溜まるとカビの原因となってしまいます。
そして最後に日陰でしっかりと乾燥させてから、防水スプレーをかけて風通しのよいところで保管します。靴を箱に入れて保管する方がいますが、密閉した状態は靴の劣化を早めてしまうので、あまりおすすめできません。
読者アンケートでは、普段からKEENシューズを愛用している登山者からも、色々な質問をいただきました。そこで、坂本さんにKEENでは、どんな点にこだわって登山靴を作っているのかについても、お話をうかがいました。
坂本:もちろん履いてください! そして、このご意見、よくわかります。やはり見た目がオシャレな靴を履くと、気持ちもアガりますよね(笑)。登山靴には、快適かつ安全に山を歩くことができる機能性が必要ですが、それに加えてKEENが力を入れているのがデザイン性です。
例えば、新発売のテンポフレックスウォータープルーフは、登山はもちろん、タウンユースでも使えるファッション性の高さがお客様に好評です。最近は、モノトーンのスニーカーが流行していますが、ブラックならスニーカーライクに履きこなすことができます。このようにKEENの登山靴は、普段使いできるアイテムが多いのが特徴だと思います。
坂本さん:ナチュラルなフィット感は、KEENがこだわっている部分なので、それを体感していただいたのはうれしいですね(笑)。履き心地が良く感じていただけたのは、日本人の足に合ったワイドな木型を採用し、甲の部分を包み込むような設計になっているからです。
また、足首周りには「ヒールロック」という靴紐と連動するテープを使っているので、かかと部分もしっかりとフィットするような構造になっています。実際に履いていただくとわかるのですが、この機能があることで、かかとがブレずに安定して歩くことができます。
坂本:KEENでは、登山靴に「KEEN.DRY」という独自開発した防水透湿性素材を使っています。これを靴のインナーに袋状に圧着しているので、ソールからもアッパーからも水が内部に入らないようになっているのです。それと同時に、汗ムレも防いでくれます。
また、「KEEN.DRY」は靴に特化した防水透湿性素材なので、メンブレン(素材に使われている防水透湿性フィルム)も硬く、耐久性が高いのが特徴です。基本的に、靴ひもをしっかりと締めて山を歩き回るのを前提に作られているので、破れて水が侵入してくるような心配は、ほとんどないと思います。
坂本さん:今シーズンリリースされたフレックスシリーズというモデルには、登山靴の屈曲性をアップさせる「KEEN.BELLOWS FLEX」というテクノロジーが搭載されています。これは、アッパーの甲部分に蛇腹状のパーツを取り付けることでシューズが曲がりやすくなっているのです。
こちらも履いていただくとわかるのですが、ソールが確実に地面にグリップするので、ストレスフリーで歩くことができます。また、登山靴を履き慣れていない人でも、自然に足が蹴り出されるので快適な歩行が楽しめるはず。
KEENが自信を持っておすすめするこの新しい機能を、ぜひ来店して試し履きで実感していただきたいですね!
今回、 お話を伺ったのは大阪・天王寺&阿倍野エリア最大級のショッピングセンター、天王寺ミオ本館1Fにできたばかりの「KEEN POP-UP TENNOJI 」。JR、近鉄の駅から至近なので、買い物にはとても便利。
実はKEENは全国に直営店が11店舗もあるんだとか。記事を読んで気になった方はお近くのお店に行ってみては?
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いずれも「YAMAP MAGAZINEを読んだ」とキーワードを言う必要があるので忘れずに。なお数に限りがあるので「KEENシューズが気になった」という方はお店にGo!
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原稿:大関直樹
撮影:カツマトシアキ
イラスト:吉田恭三
協力:キーン・ジャパン合同会社