大分・宮崎で壮大な自然に触れる!祖母・傾・大崩ユネスコエコパークでデジタルバッジスタート

大分県と宮崎県の2県にまたがる祖母・傾・大崩(そぼ・かたむき・おおくえ)山系。起伏に富んだ複雑な地形と、めずらしい動植物が形成する生態系から、国内では10地域しかない「ユネスコエコパーク」に認定されています。今回、YAMAPではこの豊かな自然を誇る山域を舞台にデジタルバッジ&ピンバッチキャンペーンを実施することになりました。山行ルートとしても、人と自然との共生を学ぶフィールドとしても、魅力がいっぱいです。ぜひこの機会に、世界的にもその希少性が認められた大自然を肌で感じてみませんか?

2022.09.30

YAMAP MAGAZINE 編集部

INDEX

独自の景観・生態系・文化が息づく祖母・傾・大崩

今回のデジタルバッジ企画の舞台となる、「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」。「ユネスコエコパークとはなんぞや?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。正式名称は「Biosphere Reserves (生物圏保存地域)」。生物多様性の保全、持続可能な開発、学術研究支援を目的として、ユネスコが国際的に認めた地域のこと。手付かずの自然を保護する「世界自然遺産」とは異なり、自然と人間社会が共生していくことを目的に様々な保護活動が行われています。

「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」の特徴は、なんと言ってもその地形。急峻な岩峰や数々の渓谷がつくり出す独特の景観美は、圧巻の一言! 四季折々に大地を彩る豊かな植生は、この地形から生み出されています。そしてそこに暮らすのは、特別天然記念物のニホンカモシカや絶滅危惧種であるソボサンショウウオなど希少種も含めた動植物たち。道を行けば、長い時間をかけて育まれてきた圧倒的な自然美を前に、思わずため息が漏れてしまいます。

一方で、祖母・傾・大崩エリアの自然が今日まで続いてきたのは、そこに暮らす人々によって連綿と受け継がれてきた地域文化・活動があったから。この地には、山の恵みに感謝する神楽などの「祖母山信仰」が今なお色濃く根付いており、自然を畏れ敬う文化が脈々と受け継がれているのです。千年を超える昔から自然を大切にし続けてきた地域の営み。これもまた、この地が「ユネスコエコパーク」に認定された大きな理由です。

祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク バッジキャンペーンとは?

そんな祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの見どころを残らず満喫し、思い出の品としてオリジナルバッジを入手できるのが、今回の「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク バッジキャンペーン」です。

YAMAPで活動日記を記録しながら、祖母山・傾山・鉾岳・行縢山・比叡山・鹿納山・丹助岳の7座の指定されたランドマークの内2つを通過すれば、アプリにてデジタルバッジが獲得できます。

さらに、今回はピンバッジもご用意しました。デジタルバッジを獲得したら、最後に受け取り窓口へ。限定ピンバッジを進呈します。ピンバッジは限定300個のためぜひお早めに!

デジタルバッジ&ピンバッジをもらうには?ランドマークをご紹介

デジタルバッジは、2022年9月30日以降にYAMAPで活動日記を記録しながらMAP上に設定されたランドマーク(デジタルバッジ獲得地点)を通過することで獲得できます。もちろん、一度に全地点を回らずともバッジは獲得可能!ぜひ後にご紹介するおすすめスポットも含めて山行計画を練ってみてくださいね。では、ランドマークとして設定した7つの山についてご紹介しましょう。

ランドマーク①祖母山

標高1,756mの祖母山と一帯の山系は、その豊かな生態系から見ても世界的に重要な地。標高1,000m以上はブナ林、山頂はヒメコマツなど標高によって植生が変化するので観察しながら登りたい

大分・宮崎・熊本にまたがる祖母山(1756m)は、宮崎県の最高峰。日本百名山の一つでもあります。この山を源流とする神原渓谷には、全国でも数ヶ所でしか発見されていない希少な魚類「イワメ」が生息しており、清涼感あふれる滝巡りが楽しめます。また、切り立った崖やいくつもの渓谷が存在する緩急の激しい地形が祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの特徴でもありますが、祖母山登山道(宮原/黒金尾根コース)に位置する川上渓谷は、その代表格。夏場は川底の白っぽい花こう岩と森林の緑とのコントラストが、清涼感いっぱい。秋は紅葉と、一年を通して登山客を楽しませてくれます。秋には渓谷に映る極彩色の紅葉を満喫することができ、地元の方も多く訪れる名所となっています。

川上渓谷にかかる吊り橋は写真スポット。夏は緑と涼やかな流れを愛でることができ、秋は赤く輝く紅葉が楽しめる。

ランドマーク②傾山

傾山は別名四皇子峰と呼ばれ、神武天皇が東征の折、四人の皇子と共に必勝を祈願したことに由来する

傾山は大分県と宮崎県の県境に位置する標高1,605mの山。山頂は3つの岩峰からなり、南から後傾・本傾・前傾と呼ばれています。祖母山とともに、一帯が祖母傾国定公園に指定されており、ニホンカモシカやオオムラサキをはじめとした貴重な動物も多く生息しています。その生物多様性は、九州の山の中でも指折りの豊かさです。そで尾から南側を望めば、新百姓山や夏木山などの稜線が眺められます。条件があえば、早朝に一面の雲海を見ることができるかも!

ランドマーク③鉾岳

雄鉾・雌鉾からなる鉾岳。山頂は絶壁であり特に雌鉾からの展望は抜群

その名の通り、 大地に突き刺さった鉾(ほこ)のように聳り立つ大迫力の花崗岩スラブはクライマーに人気のスポット。YAMAPユーザーにも人気の登山道の途中にある「パックン岩」は、SNSでも話題の撮影場所です。

ランドマーク④行縢山

行縢山の北側にある大崩山。同じく花崗岩からなる断崖絶壁で上級クライマーに愛されるスポット

読み方は「むかばきやま」。2つの岩峰からなっており、その姿が遠くから眺めると行縢(むかばき・昔の武士が狩猟、騎乗などに際し、腰部から脚部にかけて着用したもの)の形に似ていたことからこの名がついたそう。頂上は絶壁でクライミングのスポット。ふもとには宮崎県管理のロッジがあり、宮崎県内の小学校の林間学校の登山コースでよく使われるコース。とはいえ、長距離登山のトレーニングとしても活用されているので油断は禁物です。

ランドマーク⑤比叡山

この荘厳な地形は元々流れていた綱の瀬川が、隆起してきた岩脈の一部を削り取った結果生まれた。「ウォーターギャップ」と呼ばれる

延岡市北方町にある、標高758mの山。比叡山の西側に対峙する矢筈岳との間はひときわ険しい峡谷となっており、雄大かつ幽玄な絶景が楽しめます。200mもの岩壁が聳え、ロッククライミングのメッカとしても有名。登山道もロープやハシゴを使う場所もあり、アップダウンが楽しめます。展望の良いカランコロン岩を経由して、稗ノ山(ひえのやま)まで歩くのもおすすめです。

ランドマーク⑥鹿納山

ノリさんの活動日記より
突き出た部分が「鹿納坊主」。遠方からも目立つその突端から眺める景色は格別。ぜひ挑戦を

宮崎県南部にある標高1,561mの山。「鹿納坊主」の呼び名もある山容はとてもシンボリック! 登頂すれば、360度広がる展望を手にできます。春にはアケボノツツジ、秋には紅葉と、変化する山の彩りも楽しんで。

ランドマーク⑦丹助岳

Matt君さんの活動日記より
こちらも祖母傾国定公園地域に指定されており、豊かな自然景観を楽しみながら進みたい

キリリと天に向かって伸びる山容は、絵画のよう。雄大な山岳風景を生み出しているのは丹助岳自身の風貌だけでなく、周辺とのコントラスト。隣接する矢筈岳と、綱の瀬川を挟んで向かい合う比叡山と織りなす景観はぜひ一度は拝みたいもの。標高はさほどではなくコースの歩行時間も比較的短いですが、岩壁を登るポイントもあるので油断は禁物です。

ニホンカモシカをモチーフにしたピンバッジ

無事に7座のうち2座を訪れたらデジタルバッジが獲得できます。デジタルバッジを手に入れたら、下記の受け取り窓口に行き、デジタルバッジ画面を受付に提示しましょう。ピンバッジを受け取ることができます。

【ピンバッジ受取場所一覧】

 

 

No. 市町 受渡場所
1 佐伯市 うめキャンプ村そらのほとり センターハウス受付カウンター
2 竹田市 竹田市観光ツーリズム協会(竹田支部) 観光案内所窓口
3 豊後大野市 ぶんご大野里の旅公社 公社内窓口
4 延岡市 延岡市役所 地域・離島・交通政策課窓口
5 高千穂町 道の駅「高千穂」 レジカウンター
6 日之影町 日之影町観光協会 観光協会内窓口

 

※受け渡し場所の営業時間、電話番号など詳細はこちら

バッジ巡りでぜひとも行きたい!YAMAP厳選おすすめスポット

せっかく祖母・傾・大崩を訪れるなら、麓の観光もぜひ旅の予定に組み込みましょう。ここからは、YAMAPがセレクトしたとっておきスポットをご紹介します。

<<高千穂エリア>>

高千穂あまてらす鉄道

廃線になった旧高千穂鉄道の線路を活用した、30人乗りの 「グランド・スーパーカート」が運行されている「高千穂あまてらす鉄道」。ディーゼルエンジンが搭載された大きなトロッコのような乗り物は、屋根もなく開放感抜群! 高さ105mの高千穂鉄橋からの絶景が楽しめる人気のアトラクションです。

客車の床の中心部には強化ガラスがはめ込んであり、足下に広がる美しい渓谷美を楽しめる。高所恐怖症の人は注意!?

高千穂がまだせ市場

農産物直売所と高千穂牛のレストランが併設された施設。高千穂牛レストラン「和(なごみ)」で味わいたいのは、全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を受賞したこともあるブランド牛「高千穂牛」。甘味を感じる脂とやわらかな肉質は、山行帰りの体に最上のご褒美となるでしょう。

直売所「鬼八の蔵」では地場産品と農産物が購入できる。自身や家族、友人へのお土産の調達にバッチリ

<<日之影町エリア>>

日之影温泉駅

全国的にもめずらしい廃線の旧駅舎と温泉が合体した日帰り温泉施設。五ヶ瀬川の清流や間近に迫る山並みのV字渓谷を眺めながら入浴できる露天風呂やドライ・ミストサウナ、ジェットバスなど、お風呂の種類も豊富なのが嬉しいところ。レストランと物産コーナーもあるので、汗を流したら食事をすることもできます。

駅のホームには無料の足湯が。渓谷を眺めながらお湯に足を浸せば、山行の疲れもスッキリ

TR列車の宿

せっかく一晩を過ごすならこんな変わった宿はいかが? 旧高千穂鉄道の列車を改修した、なんと「泊まれる列車」。外観のデザインはもちろん、内部の運転席や計器類、運賃箱などもそのままにしており、鉄道ファンや乗り物好きのお子様でなくても気持ちが高まります。

部屋は1人用、2人用、4人用の3タイプを用意。先に紹介した日之影温泉施設がすぐ横にあるのも嬉しい

<<延岡市エリア>>

道の駅北川はゆま

東九州自動車道北川ICを降りてすぐのところにある道の駅。地元の特産品や新鮮な野菜や果物、地元の高校生が商品開発したオリジナルスイーツなど、見どころ多し! 併設のレストランでは日向灘の生しらす、延岡発祥のソールフードであるチキン南蛮定食など、延岡グルメが堪能できます。

建物には特産の杉やひのきを使用。店内に漂う木の香りを楽しみながら買い物を楽しもう

鹿川渓谷

天然杉が生い茂る鬼の目山を源流とする、約2kmにも及ぶ渓谷。花崗岩の一枚岩でできた岩肌を清らかな水が流れていく様は、ここでしか見ることができない独特の景観です。真っ赤な紅葉が清流に彩りを加える秋は、まさに圧巻。清流に住む「やまめ」釣りのスポットとしても知られています(3〜9月)。

森林浴や紅葉狩りなどいずれの季節も美しい。キャンプ場も近くにあり四季折々に訪れたくなる

<<佐伯市エリア>>

うめキャンプ村そらのほとり

シャワー付きの風呂とトイレ、冷蔵庫などを完備したキャンプ場。宿泊はケビンとキャンプサイトから選択可能。炊飯器やキャンプ用品もレンタルできる他、農産物直売所や「道の駅宇目」が隣接しており現地で食材調達も可能なので便利です。リピーターが多いのも頷けます。

キャンプ場内には湖沿いの遊歩道や芝生広場もあり子どもから大人まで思い思いに過ごせる

藤河内渓谷

落差77mの観音滝を始点に約8km続く渓谷。清流が花崗岩を削って生み出した一枚岩の造形美は、一見の価値あり。人知が及ばない自然の力をまざまざと見せつけられるようなインパクトです。

有料のガイドを申し込めば、キャニオニング体験も可能。毎年5月から9月まで限定なので事前に確認を

<<豊後大野市エリア>>

ゲストハウスLAMP豊後大野

祖母・傾・大崩ユネスコエコパークの中心にある、2017年オープンのフィンランド式サウナ付き宿泊施設。部屋はドミトリーや個室、大部屋から選べ、テント泊も可能など、選択肢が豊富! 野外には炊事場が完備されています。レストランで夕食をとることも可能です(事前予約制)。

雄大な自然を登山でたっぷり楽しんだ後に、さらにそのロケーションの中でサウナで整う体験・・贅沢!

<<竹田市エリア>>

竹田市歴史文化館・由学館(国指定岡城跡)

岡城と江戸時代後期の文人、画家であった田能村竹田、竹田市の歴史を知ることができるミュージアム。隈研吾氏設計の文化館の建物は伝統を感じさせながらもモダンな仕上がりで、白壁と竹格子が組み合わさった長い塀のようなデザインが目を引きます。竹の格子の意匠が施されたエレベーターが隣接する国史跡「旧竹田荘」・画聖堂等と歴史文化館を結び、このエリア一帯が歴史回遊空間として楽しめます。

見る側面で異なる顔を見せる建築。外壁を飾る竹の格子は館内にも延長され一続きのデザインの凄みを感じられる

天然温泉 荻の里温泉

くじゅう連山を眺められる温泉施設。天然のミネラルが含まれたお湯が体の芯から温めてくれます。館内レストラン「トマト」で荻高原トマトを使ったオムライスやパスタなどが楽しめます。日帰りはもちろん宿泊も可能。洋室と和室の用意あり。

大浴場と露天風呂、家族風呂を完備。神経痛・筋肉痛・関節痛に効能があるとか

YAMAP MAGAZINE 編集部

YAMAP MAGAZINE 編集部

登山アプリYAMAP運営のWebメディア「YAMAP MAGAZINE」編集部。365日、寝ても覚めても山のことばかり。日帰り登山にテント泊縦走、雪山、クライミング、トレラン…山や自然を楽しむアウトドア・アクティビティを日々堪能しつつ、その魅力をたくさんの人に知ってもらいたいと奮闘中。