赤城山、妙義山、浅間隠山|群馬の地元ガイドが教えてくれた絶景紅葉スポット

YAMAPユーザーの皆さんに群馬の山の魅力を体感してもらうため、現在YAMAPでは「ぐんまの山旅2024 活動日記投稿キャンペーン」を開催しています。

昨年も大好評だった本キャンペーンですが、今年は夏と秋の2回開催にパワーアップ。前期はすでに終了していますが、後期は9月21日(土)〜11月17日(日)の期間で開催します。期間中、素敵な投稿をしてくれた方には「オリジナル手ぬぐい」や「群馬県の地域産品のカタログギフト」をプレゼント。さらに、条件クリアで「限定デジタルバッジ」も獲得可能です。

今回は、そんな群馬県の山の中でも、この秋、特に登って欲しい「4座」について、おすすめコースや見どころ、とっておきの下山スポットを地元の登山ガイドさんに教えていただきました。紅葉も美しい群馬の山々に、この機会に出かけてみませんか?

2024.10.01

大関直樹

フリーライター

INDEX

「ぐんまの山旅2024 活動日記投稿キャンペーン」で限定デジタルバッジをゲットしよう!

9月21日(土)〜11月17日(日)までのキャンペーン後期の期間中、群馬県内の対象の山「10座のうち1座以上」に登ると、YAMAPアプリ上で期間限定のデジタルバッジ・Mt.GUNMA 2024 「秋」が獲得できます。

左:Mt.GUNMA 2024 「夏」(配布終了)、 右:Mt.GUNMA 2024 「秋」

対象の10座は下記の通り。キャンペーン前期の「夏」とは、また別の山が対象となりますのでお間違いのないように。

バッジ名:Mt.GUNMA 2024 「秋」
獲得可能期間:2024年9月21日(土)〜11月17日(日)


対象10座の詳細はこちらから

赤城山 妙義山 浅間隠山 王城山 吾妻耶山
迦葉山 金山 十二ヶ岳 嵩山 赤久縄山

 

今回は、デジタルバッジ・Mt.GUNMA 2024 「秋」を獲得できる対象10座のうち、特にオススメしたい「4座」の魅力について群馬在住の登山ガイド、長田厚実さんと松原美成子さんのおふたりに詳しく教えてもらいました。

それでは、これからオススメ4座の魅力を探っていきましょう!

①赤城山|紅葉と展望を楽しみながら縦走できる日本百名山

赤城山(あかぎやま)
標高:1,674m(地蔵岳)
おすすめコース:鳥居峠~覚満淵~長七郎山~地蔵岳~鳥居峠
行動時間:3時間40分
コース難易度:初中級者向き
東京から登山口までの所要時間(マイカー):約2時間30分

Q:どんな山なの?
A:日本百名山のひとつで、最高峰の黒檜山(くろびやま)、駒ヶ岳、地蔵岳などからなる山々の総称。代表的な登山ルートだけでも20本近くあるので、初心者から上級者まで誰でも楽しめることで人気の山です。

Q:見どころを教えて!
A:覚満淵と賽の河原の紅葉/長七郎山と地蔵岳からの展望/御神水の湧水

※「ぐんまの山旅2024 活動日記キャンペーン」の期間限定デジタルバッジ「Mt.GUNMA 2024 秋」の獲得ランドマークは最高峰の黒檜山(くろびさん・1,828m)です。獲得を目指す場合は、ぜひ黒檜山を目指すルートもチャレンジしてみてください。

松原さん(以下、松原):登山口の鳥居峠近くにある覚満淵(かくまんぶち)は高層湿原の草紅葉がきれいなので、山に登る前に一周してみるのがおすすめです。長七郎山の山頂は、地蔵岳が間近に見えるほか、日光白根山、浅間山などの展望が楽しめますよ。

覚満淵の紅葉(volcomさんの活動日記から

そこから小沼に下りていく途中の賽の河原では、ドウダンツツジの仲間が真っ赤に紅葉して見応えがあります。八丁峠から整備された登山道を30分ほど登った地蔵岳からは、赤城山最高峰の黒檜山を始め、燧ヶ岳(ひうちがたけ)や至仏山(しぶつさん)、谷川連峰などがグルっと見渡せます。

帰りには、鳥居峠近くの赤城の美味しい湧き水、御神水を堪能しましょう。

Q:注意することはある?
A:覚満淵の通行止め区間/地蔵岳までの階段状の道
松原:覚満淵は古い木道が破損したため、通行止め区間があります(2024年9月現在)ので、ホームページ等で最新情報を確認しましょう。また、八丁峠から地蔵岳までの木製階段の道は、釘が出ているところがあるので気をつけてください。

Q:おすすめ下山スポットが知りたい!
A:①富士見温泉みはらしの湯、②ささや(蕎麦屋)、③曽山商店(蕎麦屋)

長田さん(以下、長田):立ち寄り湯は、鳥居峠から車で30分ほどの富士見温泉みはらしの湯がおすすめです。美人の湯とも言われる塩分濃度の高い源泉で、体の芯から温まります。その途中にある「ささや」は、名水「赤城の清水」を使った手打ち蕎麦が味わえることで人気です。

曽山商店の舞茸天ぷらそば(B.Suraさんの活動日記から

松原:赤城大沼近くには飲食店がいくつかありますが、私のおすすめは曽山商店です。とくに大きな舞茸がついた舞茸天ぷらそばは、本当に美味しいです。ほかにもサイドメニューのわかさぎのフライも、ぜひ食べて欲しいですね!

②妙義山|奇岩と紅葉のコントラストが美しい名山の穴場ルート

妙義山(みょうぎさん)
標高:(1,103m・相馬岳)
おすすめコース:裏妙義のもみじ谷 往復コース
行動時間:2時間15分
コース難易度:初中級者向き
東京から登山口までの所要時間(マイカー):約2時間30分

Q:どんな山なの?
A:妙義山は、赤城山、榛名山とともに上毛三山に数えられ、群馬を代表する山のひとつ。
切り立った岩壁と紅葉の組み合わせは、ほかでは見ることのできない独特の景観を織りなし、上毛かるたにも「紅葉に映える妙義山」と詠まれています。

Q:見どころを教えて!
A:もみじ谷の紅葉

松原:群馬県のなかでも紅葉の名所として知られる妙義山は、切り立ったクサリ場などが多い上級者向けの山です。ただし、そのなかでも表妙義自然探勝路(中間道)は、初中級でも歩ける一般ルートなので、オンシーズンには多くの登山者で混雑することもしばしば。そこでおすすめなのが、裏妙義のもみじ谷を歩くコースです。紅葉の最盛期には、辺り一面が真っ赤に染まるのですが、あまり人が歩いていない、まさに穴場のルートです。

もみじ谷のイロハモミジ(ざどじぃさんの活動日記から

※「ぐんまの山旅2024 活動日記キャンペーン」の期間限定デジタルバッジ「Mt.GUNMA 2024 秋」の獲得ランドマークは最高峰の相馬岳(そうまだけ・1,103m)です。獲得を目指す場合は、相馬岳を目指すルートもチャレンジしてみてください。ただし、山頂に至るルートは危険箇所もあります。ご自身の登山経験を元に慎重な判断をお願いします。

Q:注意することはある?
A:10月は、ヒルに注意/落ち葉の多い道は、真ん中を歩くこと
長田:例年だと10月中旬くらいまでは、ヒルが出ます。ただし最近は、温暖化で気温が高い日が多いので、10月一杯くらいまでは対策を考えたほうがよいかもしれません。市販の虫よけスプレーや、ヤマビル専用の忌避剤などを事前に用意しておきましょう。

松原:紅葉のシーズンになって道に落ち葉がたまると、道のへりがわかりづらいので注意してください。とくに、段差が見えなくなっているところだと、つまずいて足をくじく危険もあります。落ち葉の多い道は、なるべく真ん中を歩きましょう。また、12月になると道に霜が降りるので滑らないように気をつけてください。

Q:おすすめ下山スポットが知りたい!
A:①妙義温泉もみじの湯、②妙義山麓のきのこ販売所、③道の駅みょうぎ

長田:温泉に入るなら、妙義ふれあいプラザ妙義温泉もみじの湯がよいでしょう。開放感のある露天風呂では、妙義山や関東平野の景色を見ながらゆっくりと入浴できます。

妙義ふれあいプラザ 妙義温泉「もみじの湯」

松原:妙義山麓は、きのこの産地として知られているんですよ。登山口周辺には、販売所などもあるので、お土産として購入するとよいですよ! また、11月になると、道の駅みょうぎで地元の特産品である下仁田ネギの販売が始まります。甘くて肉厚のネギは、一度食べるとやみつきになります。

③王城山|下山後の観光スポットも充実している初心者向きの山

王城山(おうじょうさん)
標高:1,123m
おすすめコース:王城山神社~山頂 往復コース
行動時間:3時間20分
コース難易度:初級者向き
東京から登山口までの所要時間(マイカー):約2時間50分

Q:どんな山なの?
A:吾妻川の左岸に位置する王城山は、「ぐんま百名山」のひとつで、古くから山岳信仰が伝わる山。コース上には、日本武尊(やまとたけるのみこと)」の伝説が残る王城山神社や戦国時代に砦があった古城などもあり、歴史を感じる山旅が楽しめます。

Q:見どころを教えて!
A:伝説が残る遺構/下山後の観光/6合目を過ぎたところの柱状節理/カエデの紅葉

長田:登山口から山頂までの道は、とても整備されているので、初心者や子連れ登山者の方も安心して楽しめます。もともと王城山は、山麓の人々から「みこしろ山」と呼ばれ、神様が籠もる山として崇拝されてきました。登山口にある王城山神社や山頂近くにある古城など、古くから伝わる伝説も多いので、歴史を感じられるのが魅力です。また、八ッ場ダムや水陸両用バスなど、下山後の観光スポットも充実しています。

登山口の王城山神社(ヤマサン2103さんの活動日記から

松原:登山道には、1合目から10合目までの標識があるのですが、6号目あたりにで「焙烙岩(ほうろくいわ)」が現れます。この岩が、要塞みたいで迫力がありますね。さらのその上にはカエデの木がたくさんあるので、オンシーズンには紅葉もきれいです。

6合目の焙烙岩(マサルさんの活動日記から

Q:注意することはある?
A: 一部ルートの通行止め
松原:9合目から奥宮へ向かう道でY字になっている場所があります。右の「御籠岩(おこもりいわ)」経由の道は崩落のため通行止めになっていますので注意しましょう

Q:おすすめ下山スポットが知りたい!
A:①川原湯温泉、②【水陸両用バス】八ッ場にゃがてん号、③林温泉かたくりの湯、④道の駅 八ッ場ふるさと館

長田:八ッ場ダムや吾妻峡など下山後の見どころはいっぱいありますよ。まず、温泉なら王城山神社からクルマで5分ほどの川原湯温泉がよいでしょう。こちらは、八ッ場ダム建設によって移設された新しい温泉街で、王湯という日帰り入浴施設があります。飲食店も数軒あり、それほど混んでいません。また、八ッ場ダム湖を周遊する水陸両用バスも人気です。ただし、本数が少なく紅葉シーズンは混雑するので、事前にWEBで予約をしましょう(12月まで運行予定)。

水陸両用バス「八ッ場にゃがてん号」

松原:温泉は、王城山神社の向かいにある林温泉かたくりの湯がおすすめです。基本的に地元の方向けの温泉なのですが、区域外の人も500円で利用できます。お湯はほぼ無色透明で、しっとりとした肌触りが心地よいです。温泉前の駐車場は地元の方専用なので、少し離れたところにクルマを止めましょう。食べ物なら、道の駅 八ッ場ふるさと館のパンがおすすめです。店内パン工房で焼き上げた焼き立てパンで人気No.1の「八ッ場ダムカレーぱん」や、「まゆ丸、丸岩を登る!」というメロンパンがおすすめですよ。

まゆ丸がのったメロンパン(あっこさんの活動日記から

④浅間隠山|秋晴れの青空にカラマツの黃葉が映える展望の山

浅間隠山(あさまかくしやま)
標高:1,757m
おすすめコース:浅間隠山登山口(二度上峠側)-浅間隠山 往復コース
行動時間:2時間35分
コース難易度:初級者向き
東京から登山口までの所要時間(マイカー):約3時間

Q:どんな山なの?
A:山麓の東吾妻町や中之条町から眺めると、浅間山を隠してしまうことから名付けられた山。標高は2000mに足りませんが、頂上から広がる360度の大展望は見事のひとこと。コースタイムも往復で3時間ほどなので初心者にも最適です。

Q:見どころを教えて!
A:山頂からの大展望/カラマツの黃葉

浅間隠山から見た浅間山の眺め(菊リンさんの活動日記から

長田:登山ルートは、浅間隠温泉からと二度上峠からのふたつがありますが、二度上峠からの方が展望が開けているのでおすすめです。また、山頂からは360度の大パノラマが広がり、大迫力で眼前に広がる浅間山を始め、北側に草津白根山や谷川岳、南側に妙義山や秩父の山々、そして遠くには富士山の姿も望めます。本当に色々な山が見えるので、山座同定をするのも楽しいでしょう。

松原:紅葉シーズンは、登山口の二度上峠にあるカラマツが鮮やかな黄色になってきれいです。山頂からは、迫力のある浅間山の姿が目の前にドーンと広がり、遠くには谷川連峰や北アルプスが見えるなど、群馬有数の山岳ビューを楽しめる山です。

Q:注意点することはある?
A: 駐車場はなるべく早めに到着したい/尾根に出る手前の急登に注意
長田:危険箇所は、ほとんどありません。初心者や年配者でも安心して登れます。ただし、紅葉シーズンは登山口に一番近い駐車場が埋まることがあります。少し離れた場所に駐車することはできますが、なるべく早めに到着した方がよいでしょう。

松原:手軽に登れるのですが、尾根に出るところは意外と急登です。アセらずゆっくり登りましょう。また、下山時は急登が滑るので、足元をしっかり確認しましょう。

Q:おすすめ下山スポットが知りたい!
A:倉渕川浦温泉 はまゆう山荘

長田:日帰り入浴とランチも楽しめる倉渕川浦温泉 はまゆう山荘がおすすめです。温泉は、群馬県唯一の含鉄泉で濃厚な茶褐色。保温効果が高く、湯上がりでもしばらくポカポカしています。また、この施設は横須賀市によって建てられてこともあって、横須賀市以外で横須賀海軍カレーを食べられる唯一の施設となっています。

はまゆう山荘の茶褐色の温泉(オーさんの活動日記から

今回紹介した4座は、いずれもぐんま百名山に選定されており、展望と高山植物が楽しめる名峰です。初級者向けから中上級者向けまでバリエーションがありますので、自分の体力に合った山を選んで、ぜひ群馬の山を満喫してください!

教えてくれた人
長田厚実 (おさだあつみ)さん


日本スポーツ協会公認山岳指導員
水上山岳ガイド協会、尾瀬ガイド協会所属
谷川岳など群馬の山々をベースに春夏秋冬、山遊びを楽しんでいる。

松原美成子(まつばら みなこ)さん

日本山岳ガイド協会登山ガイド ステージⅡ
みなかみ山岳ガイド協会所属 尾瀬ガイド協会所属
谷川岳を始め、上越の山、北アルプスなど各地の山をガイドする傍ら、地元放送のニュース番組の山コーナーで、群馬の山の魅力を紹介。山登りの楽しさ+αを追い求めて、ガイドが無い日も山に入る日々。

原稿:大関直樹
協力:群馬県、公益財団法人 群馬県観光物産国際協会

大関直樹

フリーライター

大関直樹

フリーライター

小中学校はボーイスカウト、高校はワンダーフォゲル部で自然に親しむ。好きなものは、タバコとお酒と競輪。最近は、山頂で一服すると周りの目が厳しいので肩身が狭いのが悩み。「みなさんが山で嫌な思いをしないように風下でこっそり吸いますので、許してください」