日本最高峰の山、富士山。その頂きを海抜ゼロメートルから目指す登山ルートがあるのをご存知でしょうか? その名も「富士登山ルート3776」。この超絶エキサイティングなルートに、勇敢にもYAMAPスタッフがトライ! 汗と涙の感動登山のレポートをお届けします。
2018.08.12
YAMAP MAGAZINE 編集部
富士山。シンメトリーなその裾野の美しさと3776mの標高は見るものを圧倒する日本一の山ですが、山好きに聞いてみると、その評判は賛否両論。
富士山登山は砂ばかりで景色が変わらないから退屈? 五合目から登っても達成感がない?
そういった人にこそ是非とも挑戦してほしいのが、富士山登山ルート3776。スタートはなんと静岡県富士市の海抜0m地点。標高差はもちろん3776m、全長は42km。
このエクストリームでクレイジーな登山ルートをYAMAPスタッフ、ヨギーが体を張って、実際に富士市が推奨する4日間をかけて歩いてみたので、その体験をレポートします!
1日目から4日目までのコースのタイトルがそれぞれの対応するYAMAP活動日記へのリンクとなっているので、詳細情報はそちらをクリックして参考にしてみてくださいね!
午前9時45分に福岡空港を富士ドリームエアラインズで出発、11時過ぎには富士山静岡空港に到着します。そこから富士ドリームエアラインズ利用者対象の無料シャトルバスで掛川駅、掛川駅から新富士駅までは新幹線こだまで向かいます。新富士駅からはタクシーを利用して、出発地点の富士塚には午後1時前に到着しました。同日朝出発でも昼過ぎには1日目行程を始められるので限られた時間を有効に使えるのが良いですね!
実はこの富士山登山ルート3776、スタート地点、中継点、山頂といった4箇所のポイントが設置してあり、スタンプラリーを楽しみながら歩くことができるのです。全部のスタンプを集めて、スタンプ台紙を後日郵送すると達成バッジがもらえ、さらには事前に挑戦計画書を提出(出発地点でも提出可能です)すると挑戦計画書がもらえるのでスタンプを集めながら、富士市が推奨する3泊4日で挑戦するもよし、まとまって時間が取れない方は日帰りで数回に分けて挑戦するもよし、ご自分のスタイルにあった挑戦を楽しめます。
富士山の五合目から先は富士宮口の開山日に合わせて7月上旬ー9月上旬までの2ヶ月だけしか歩けませんが、出発地点から五合目までは富士山閉山のシーズンでも歩くことができるので、季節で分けて歩くのも◎
出発地点は富士塚ともう1箇所、ふじのくに田子の浦みなと公園の2つがあり、どちらをスタート地点にしても、チャレンジ達成証明に必要なスタンプはいずれか1つで良いのでご安心ください。
今回は富士市の誇る、ご当地グルメ「つけナポリタン」発祥の地であり、どこか懐かしさ漂う吉原商店街を通ることもできるので、富士塚から出発することにしました!
富士塚自体は海抜0m地点ではなく、厳密に0m地点を求める方はさらに南下して堤防を超え、浜辺を目指してみてくださいね。浜辺で石を拾い、富士塚に奉納、登山の無事を祈願すると、さあ、いよいよスタートです。
(タイトルをクリックするとYAMAP活動日記に移動します。)
1日目コースは富士市街が大半、舗装路なのでスニーカーやトレッキングシューズなどで歩きましょう。マップには名勝 左富士や富知六所浅間神社など立ち寄りスポットやコンビニ情報も入れているので暑い時期はこまめに休憩を挟み、水分補給と暑さ対策も念入りに。ちょっと寄り道して観光できるのも、このコースならではの楽しみ方ですね。
旅の楽しみといえば、食。ここ富士市では近年、「つけナポリタン」なる料理が盛り上がりを見せており、吉原商店街にある店舗で食べることができるので是非ともこちらも挑戦していただきたいところ。多くのお店のランチ営業が午後2時までなので時間に余裕を持って歩きましょう。
商店街を通過すると、この日のゴールよもぎ湯まではひたすら一本道。市街地の平坦な道から緩やかな上り坂が続きます。振り返ると出発地点の富士塚が遠く、眼下に見えた時には富士山の裾野を少しづつ登っているという実感が湧きます。
1日目コースのゴールである大淵地区に差し掛かるとコンビニ等商店も少なくなってくるため、2日目以降必要となる水分食料等は間違いなくこの付近で入手しておきましょう。
(タイトルをクリックするとYAMAP活動日記に移動します。)
2日目コースは1日目に引き続き舗装路ですが、住宅や商店は見かけなくなり、林道へ。すぐ横をダンプカーやトラック等大型の車両がスピードを出して走るので万が一夜歩く際はヘッドランプ等は必ず点灯させましょう。コース目印となるのぼりや道路の上のマークも減るため、コースがあっているか不安になりますが、一本道が続く上にYAMAPを使えば自分の歩いている地点もわかるので、見た目以上に安心です。
2日目コースは休憩場所、トイレも限られてくるので、行程の中間地点に位置するふじひのきパークを目標に歩くのが良いです。富士市から富士宮市に入ると宿泊地、表富士グリーンキャンプ場まではもう少し。時間に余裕があれば天照教社に立ち寄るのもおすすめです。
富士山スカイラインに合流すると宿泊地、表富士グリーンキャンプ場です。3日目からはいよいよ、富士山の本格的な登山道に入るため、しっかりと休んで翌日以降の装備を確認します。
(タイトルをクリックするとYAMAP活動日記に移動します。)
3日目コースは富士山の裾野を感じさせる本格的な登山道です。富士山スカイラインを進み、旧料近所脇から登山道へ。序盤は歩きやすい樹林帯の中を進みます。途中、登山道がわかりづらい分岐も存在するのでYAMAPで確認しながら歩きましょう。
樹林帯を抜けると、富士山特有の砂礫が広がり、傾斜はさらに急に。歩きづらい場所なので一歩一歩ゆっくり確実に。取材当日朝、キャンプ場を出発した際は雲が広がっており、ところどころ雨が降り続いていましたが、この辺りではすっかり雨は止み、青空もチラホラ。もしや、と思い、上を見てみると、富士山頂が姿を現しました。
そして、おもむろに横を見ると宝永山の姿も。出発時から雲に覆われていた富士山の姿を今回初めて目撃し、テンションも期待も高まります。しばらく続いた山道歩きで疲れが出始めていましたが、あの富士山山頂に登りたいという一心で歩き続けます。
天気も良くなり、日差しが降り注ぐ中、無事六合目宝永山荘に到着です。富士宮口五合目から登山を開始した登山者も多い中、自分はすでに六合目時点で不思議な達成感に包まれていました。
六合目から更に上に進み、七号目や八号目の山荘で休憩することも考えたのですが、富士宮口は八号目以上であればご来光が望めるということもあり、今回は六合目を翌朝2時に出発することを想定し、六合目の宝永山荘に宿泊しました。六合目宝永山荘と雲海荘はスタンプラリーポイントでもあるので、スタンプの押し忘れにご注意を。
(タイトルをクリックするとYAMAP活動日記に移動します。)
4日目最終日は山頂を目指します。
午後9時には就寝していた僕は深夜の午前1時30分に起床、午前2時には六合目を出発しました。この日のご来光の時刻は山頂で午前4時40分。八号目は山頂から遅れること10分ほどでご来光時刻です。今回は山頂付近でのご来光は混雑するであろうことから八号目で見ることにしました。
ご来光を見終え、山頂へ。ご来光を山頂で見たと思われる登山客のみなさんとすれ違いながら一歩一歩歩みを進めます。そしてついに…
無事に7時過ぎに登頂しました。4日間に渡って、海抜0mから登ってきたこの時の達成感は忘れることができません。昔の人々もこのルートを通ってお参りに来ていたのでしょうか。ルート3776を達成した今なら富士山が信仰の対象となっていた理由が生意気ながら分かった気がします。
変化に富み、信仰の名残を感じ、富士山の魅力を120%感じることができる、富士山登山ルート3776。
7月の地図公開以降、YAMAPでも多くの方々が登っています。
富士山登山ルート3776に挑戦する際は最新の活動日記をご確認、しっかりとした準備をした上で臨んでくださいね!
すでに富士山登山ルート3776に挑戦されたユーザーさんたちの活動日記から、よりその魅力が伝わる活動日記を一挙ご紹介!こちらも挑戦の参考にしてみてください^^
1日目コース
2日目コース
Ichi roさん「富士登山ゼロメートルからの挑戦、2日目コース」
3日目コース
4日目コース
のぼりたいのはmountain²さん「✨富士山登山ルート3776(3日目✨)」