山が好き、登山が好き。そんな山や自然を愛する人々の、等身大の言葉と山を楽しむ姿をお届けします。
2021.04.16
YAMAP MAGAZINE 編集部
「都会で忙しくしていると、頭ばかりを使ってしまって、心や体のサインに鈍くなってしまう」
そう語る松見咲子さんも、過去にハードワークによって、体と心の調子を悪くしてしまったことがある。
それからは、自分の頭と心と体のバランスをとる時間を意識的につくっているそうだ。
その一つが、自然。
自然に入って、五感でその場を感じることは、心と体のいい休息になる。
今は、多くの人に都会の中でもそういう時間をつくって欲しいという思いから、ハーブティーのブランドを立ち上げている。
都会でも浴びれる太陽。でも、木々の隙間から降り注ぐ木漏れ日は全然違う。
風も都会では不快なだけだけど、森の中では木々のおかげでそよ風になってくれる。
自然では視覚以外から受ける刺激が多い気がする。
「あなたが見たもの、食べたもの、読んだもの、聞いたもの、触れたもの。あなたが接するもの全てであなたは構成されている」
バリのオーガニック農園を経営している現地の方から聞いた言葉。
それ以来、自分の五感で感じることを大事にしてる。
競争社会に生きていると、「もっと頑張らなきゃ」ってなってしまって、心と体をなおざりにしがち。
その結果、倒れたり鬱になったりする人もいる。
自分もどっちかといえば、自分のやりたいことよりも、周りからどう見えるかとか、周りから認められるために頑張ってた。
その結果、体や心のサインに気がつくことができなかった。
自然に入ったり、自然のものを取り入れるのは、心と体を整える良い手段だと思う。
頭ばっかり使っていると、だんだんと麻痺してしまう。心と体にも目を向ける時間を、みんなもつくってほしい。
都会で働いていると、机の前に座り続けて、その日雨が降ったことも知らずに過ごすことが多かった。
でも、それって文字通り”不自然”。外に出て移ろいを感じることはきっと大事なことだと思う。
海外の島に移住したある日本人女性は、「ここにいると、直感が研ぎ澄まされる。生と死を感じる瞬間が多い」と言っていた。
山ものどかなようで、一歩間違えれば死に直結する場所。そういう意味で、山にいると「生々しく」生きている感じがする。