ハードな登山を快適に楽しむには、足をサポートしてくれる「登山用タイツ」があると安心。自分に合うものをはくだけで、登山後の足の疲労やむくみ、翌日の疲労感や筋肉痛などを軽減してくれます。
この記事では、登山ガイドの上田洋平さんに監修いただき、登山用タイツの選び方と使い方についてご紹介します。
2024.05.28
YAMAP MAGAZINE 編集部
登山用のタイツは、大きく分けて3種類。それぞれの特徴を見ていきましょう。
特徴は「着圧」。圧力をかけて血液を循環させることで、むくみや冷え、疲労を軽減してくれます。足がむくみやすい人や山登りに慣れていない人、足に疲労を残したくない人、下山後の疲労感や筋肉痛に悩んでいる人などにおすすめ。
翌日の疲れが残りにくいため、「また山に登りたい」という気持ちにさせてくれます。
おすすめ製品| GOLDWIN(ゴールドウイン)コンプレッションロングタイツ
さまざまなアクティビティのパフォーマンスを向上させ、かつ体にかかる負荷を軽減し快適な活動を可能にする「C3fit(シースリーフィット)」の登山用タイツ。
一般医療機器「弾性ストッキング」にあたり、医療機器としてのいわばお墨付きのあるアイテムで、むくみの軽減や身体コンディションの維持に最大の効果を発揮してくれます。
適度な圧着感と良好な着心地に加え、素材や製造工程でも環境への負荷を低減するリサイクル素材を採用しています。
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テーピングの理論で筋肉や関節をサポート。足や膝の負担を軽減してくれるので足運びが良くなり、登山中のパフォーマンスもアップ。タイツのサポート力で腰や関節などが安定するため、ケガの予防にもなります。
膝や腰に不安がある人、筋力が弱い人、縦走などの長時間の登山をする人などに試してほしい1本です。
おすすめ製品|GOLDWIN(ゴールドウイン)フォーカスサポートロングタイツ
独自の着圧設計(Compression)、コンディショニング(Conditioning)、快適な着用感(Comfort)と3つのCを実現することを目指して作られたC3fit(シースリーフィット)のスポーツタイツ「C3fit technology」。
「フォーカスサポートロングタイツ」は、このブランドのひとつとしてラインナップされている、トレッキング専用設計のサポートタイツです。
前ボタンとファスナーにより前開きができ、ウエストもスピンドル紐で調整できるので、脱ぎ履きがしやすいのが特徴。また、独自の立体設計等により、動きやすさにもこだわったつくりとなっています。
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コンプレッション系タイツの「着圧で疲労を軽減してくれる機能」と、サポート系タイツの「筋肉や関節をサポートする機能」。その両方を兼ね備えたタイツです。
強力に歩行のサポートをしてくれるため、足腰の負担を全般的にサポートしてほしい人におすすめの1本です。ただし、両方の機能をもっているので価格は高くなりがち。
おすすめ製品| CW-X(シーダブリューエックス)/WACOAL(ワコール) スポーツタイツ ジェネレーターモデル2.0
股関節からふくらはぎまで途切れず続く一連したテーピングが運動時の筋肉や関節をサポートすることで、運動時の筋肉の疲労を軽減するとともに、関節を安定させ、下半身のバランスをととのえて可動域を向上させてくれるタイツ。
タテ・ヨコ・ナナメ全方向均一に伸びるストレッチ性の高い素材を使用しているので、着心地も抜群。
公式サイト:CW-X公式サイト を見る
登山用タイツを選ぶときは、季節に合わせて素材も変えることが必要です。
① 吸汗速乾性
② 通気性
③ 紫外線対策機能
④ 接触冷感
夏は大量に汗をかくので、吸汗速乾性と通気性のよいもの(メッシュ素材など)を着用するようにしましょう。紫外線対策や接触冷感を兼ね備えておけば、快適に登ることができます。
登山用タイツを足さばきのよいショートパンツや登山スカートの下に着用すると、カラーやデザインを選ぶことでファッション性が高くなり、登山がより楽しくなります。
また、ショートパンツの下にタイツを重ねることで、ケガや虫刺され予防にもなります。
おすすめ製品| GOLDWIN(ゴールドウイン)インパクトブリーズロングタイツ
体温が高く熱のこもりやすい下半身にぴったりと密着するタイツは、夏の気温の高い場所では暑苦しいと感じることも。
C3fitのインパクトブリーズロングタイツは涼しさに着目して設計されており、大胆なメッシュ使いによりムレやオーバーヒートを防いでくれるサポートタイツです。
YAMAP STORE:GOLDWIN(ゴールドウイン)インパクトブリーズロングタイツ/ブラック/MENS を見る
① 保温性
② 防寒性
③ 吸湿速乾性
冬の登山に耐えられる、保温性と防寒性が高いものを選びましょう。冬でも汗をかくので、汗冷えをしないために吸汗速乾性が必要となります。
風が強く吹いたり、雪が降ったりする冬は、登る山の条件が非常に厳しくなります。そのため、気候に合わせたタイツを選ぶことが重要です。
パフォーマンスを上げるために、冬用の登山用タイツを着用するようにしましょう。
おすすめ製品|THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)ホットトラウザーズ
保温性、防寒性、吸湿速乾性だけでなく、抗菌・消臭機能やストレッチ性も兼ね備える高機能ベースレイヤータイツ。
快適温度を確保してくれるのは、微粒子セラミックスを繊維に練り込んだ素材「光電子®」。余分な汗やムレを蒸発させつつ、吸収された体温(遠赤外線)が熱エネルギーとして身体に送り返される仕組みです。
また、暖かな空気を保持する特殊なポリエステル繊維によって保温性・軽量性を実現。素肌に当たる面には水分を保持しにくいポリプロピレン繊維を使用し、常に履き心地のよいドライな状態に保ってくれます。
YAMAP STORE:THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)ホットトラウザーズ/MENS を見る
機能性の高い登山用タイツは普通のタイツと違い、きちんと身につけないと効果は十分に発揮できません。正しい着用方法と注意点をしっかり確認しましょう。
タイツを、足のサポートする箇所にしっかりと合わせることで、効果が期待できます。穿くときは、無理に生地を引っ張ったり、爪を立てたりしないように気をつけましょう。タイツは肌に直接触れるため、縫い目や肌触りもチェックしましょう。
説明書を読み、正しく使うことがポイントです。中には、血圧が高い人や心臓が弱い人などに向けて注意書きがあるものも。購入する前に、使用上の注意をよく確認しましょう。
また、サイズが合わなかったりきつすぎたりすると、血流が悪くなって足が上がらなくなることもあります。初めて購入する際は、どの程度のフィット感が正しいのか、店員さんに相談しながら、できれば試着して購入するのがおすすめです。
歩行時間の長い山や高低差のある山など、不安要素がある場合はタイツを活用してみましょう。機能をよく知り、フィット感やサイズを考慮して自分に合う一本を選ぶことが、パフォーマンスの向上につながります。
自分の悩みにあった登山用タイツを見つけると、もっと山が楽しくなるはずです。
1979年2月10日生まれ。愛知県名古屋市出身、神奈川県藤沢市在住。2児の息子の父。
日本の山々だけでなく、海外の山々(アフリカ最高峰キリマンジャロ、南米最高峰アコンカグア)への登山経験を経て、2017年から富士山の登山ガイド。
2019年4月に日本山岳ガイド協会登山ガイドステージI資格、2022年4月に登山ガイドステージII資格を取得し、専業ガイドに。
山岳写真を撮るため、フルサイズ一眼レフ、ジッツォの三脚、雲台、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズを担いだ登山も敢行。キャンプ、空手、筋トレ、旅行、読書、トレイルランニング、ギター、ゲームなど趣味多数。