2020年の大河ドラマは「麒麟がくる」。主人公は織田信長を討ち取り、戦国の世に新しい潮流を生み出した謀将「明智光秀」。長谷川博己、堺正章、本木雅弘といった豪華な俳優陣が演じる群雄劇を心待ちにしているYAMAP ユーザーの方も多いかと思います。
せっかく大河を見るのなら歴史の現場を訪れ、光秀の足跡を辿ってから日曜の夜8時を迎えた方が感慨も深まるというもの。ということで今回は全国の歴史登山愛好家の皆さんに向けて、誕生〜越前滞在時代まで、光秀の前半生にゆかりがある山をご紹介します。ぜひご一読でござる!
2019.12.23
YAMAP MAGAZINE 編集部
まずは光秀生誕の地から。実は光秀の少年期は謎が多く、生誕地についても岐阜県可児市説や同恵那市説、大垣市説など、複数の説が伝わっています。
中でもYAMAP MAGAZINE的に注目したいのは、岐阜県可児市瀬田の「長山(157m)」にあったとされる「明智城」。1342年に築城され、以来1556年斎藤義龍に攻め滅ぼされるまで明智家の居城であったと伝えられます。誕生〜20代後半までを光秀はこの地で過ごしたそうです。現在は明智城址公園散策路として整備されており、ハイキングを楽しむことができます。幼少期の光秀が野を駆け、学び、遊んだ生誕の地はぜひ初回放送までに訪問しておきたい場所です。
みささんの活動日記より/登山道入り口付近にある大手門(正門)
masumiさんの活動日記より/復元された馬防柵
ニトシ【福ちゃん】さんの活動日記より/山頂付近の開けた場所には明智城址の碑があります
ニトシ【福ちゃん】さんの活動日記より/麓の天龍寺は明智家ゆかりのお寺。光秀の位牌(日本最大)や明智一族の墓所などがあります
岐阜県岐阜市にある標高329mの金華山。この山には、斎藤道三が居城とした稲葉山城(岐阜城)があります。
斎藤道三は戦国の混乱に乗じて一介の商人から身を起こし、美濃国を支配した乱世の梟雄。若い頃の経歴に謎が多い光秀ですが、斎藤道三に仕官した頃から世に知られていくことになります。一説には、道三の生き様は光秀の人生に多大なる影響を与えたとも。尊敬する主君を得て、縦横無尽に活躍した光秀の姿を想像しながら、トレッキングとお城探訪を楽しんでみてはどうでしょう?
ツブラ爺さんの活動日記より/金華山山頂にそびえる稲葉山城。現在の建物は1956年に再建されたもの
亮太さんの活動日記より/低山ながら頂上付近には絶景ポイントも。お昼だけではなく夜景の美しさも評判です
☆Makotoさんの活動日記より/ハイカーに人気の「瞑想のこみち」は静かな森の中をゆったりと散策できます
スタンドブルーさんの活動日記より/岩戸公園から頂上を目指すルートは、岩場もあり短距離ながら楽しい行程
次にご紹介する場所は越前の国一乗谷(福井県福井市)。斎藤道三・義龍親子の戦い「長良川の戦い」で美濃の国を追われた光秀は越前に逃れ、朝倉義景に仕官することとなります。朝倉氏は「一乗谷山(435m)」周辺を拠点とし、越前の国を治めていました。
往時の山城や朝倉義景居館の建物はすでに失われていますが、武家屋敷や城下町は一部再現されており、戦国の頃の様子を窺い知ることができます。光秀はこの地で後の室町幕府15代将軍、足利義昭と出会うことになります。この出会いが後に光秀と信長を引き合わせ、戦国の世に波乱を巻き起こすきっかけとなっていくのです。
yuccocoさんの活動日記より/低山ながら豊かな緑の中を歩くことができる登山道
チョッパーさんの活動日記より/山中には城址を説明する道標もちらほら
Mr.slimさんの活動日記より/ふもとの居館跡には、今も立派な唐門や住居跡の礎石が残り、当時の面影を伝えます
たかぼーさんの活動日記より/一乗城山を含めた周辺の山域では、戦国の歴史を巡るトレイルランニング「朝倉トレイルラン」が実施されています
今回は、2020年大河ドラマの主人公「明智光秀」の前半生を追う形で各地の山をご案内しました。テレビや小説で物語を楽しみながら、実際に歴史の登場人物と同じ野山を歩き、彼らが活躍した時代に思いを馳せる。そんな「歴史登山」も山の楽しみ方の一つだと思います。ぜひ新しい歴史の楽しみ方をお試しください!
歴史登山 明智光秀ゆかりの山城探訪<後編>は、2020年中頃に公開の予定。ご期待ください。