昨年行われた「THE 山ごはん王決定戦」にて初代「山ごはん王」の座に輝いた、モデル・登山YouTuberの山下舞弓さん。
「絶景を見ながら美味しいものを食べたい」「見た目も良くてカラダが喜ぶ料理を作りたい」という好奇心から始まった山下さんの山ごはんは、どれも真似したい絶品料理ばかり。
自分へのご褒美に、または大切な人へのおもてなし山ごはんとして。登山の様子とレシピの紹介を、文章と動画とともに、6回に渡ってお届けします。
山ごはん王の絶品レシピ #02/連載一覧はこちら
2021.07.16
山下 舞弓
モデル・登山YouTuber
夏になると、暑さで食欲がなくなりがち…。
夏バテになってからでは山に登れなくなってしまうので、予防のためにお肉をよく食べるようにしています。
その中でも夏に食べたいのは、ビタミンB1が豊富な豚肉!
今回は「ほど良い酸味が食欲をそそる、疲労回復レシピ」をご紹介します。
梅雨明けが待ち遠しい7月中頃、そろそろ夏山に向けてトレーニングをしないと!と思うものの、天気が不安定で山に行くのもとまどってしまう毎日。
そういうときは、トレーニングのために普段登っている山に行くのが一番!ということで、地元の高烏谷山(たかずやさん)へ行くことにしました。近所の裏山とい言っても、山頂までのコースタイムは1時間なのに標高差500m弱という、なかなか急登でトレーニングにぴったりの山なんです。
そして、山ごはん王決定戦の決勝戦で父と登った山でもあり、漫画「山と食欲と私」でコラボレーションさせていただいたときにも舞台になった、思い出深い山。今回はここで山ごはんを作ることにしました。
登山口のある高鳥谷神社までの参道は背の高い赤松が並んでいて、気持ち良く歩くことができます。
神社の横を抜けると、本格的な登山道開始!
比較的歩きやすい道ですが直登のような登りが続くため、運動不足の脚には疲労が蓄積されていきます…。しかも視界はなし。黙々と山頂を目指します。
いくつかの急登を超え、なだらかな尾根を数分歩いて山頂手前の最後の登りを過ぎると、ついに山頂到着!振り返ると…
ドーンと中央アルプスが。
最近、ずっとアルプスは雲で覆われていたので、山頂での展望は全く期待はしていなかったのですが、この景色。一雨ごとにアルプスにかかる雪が溶け、夏山に向かっているのがよくわかります。
絶景をしばし堪能し、雨が降る前にと山ごはんタイム!今回は家で下準備をして来たので、とっても簡単な山ごはんです。
今回使う調理器具と材料はこちら。
【調理器具】
・メスティン(ダイソーの小型メスティン)
・SOTOガスバーナー
・OPINEL#7のナイフ、カトラリー、トング
・MINIMALIGHTのまな板(重さ130gとかなり軽いまな板)
・山のうつわ(中)ディッシュ(大)
【材料】
・豚ロース厚切り肉(とんかつ用) 1枚
(家で塩麹(大1)で漬け込んで冷凍)
・ダイス野菜(玉ねぎ1/8個・ズッキーニ4cm・パプリカ赤黄各30g)
(家で塩少々とまぶして冷凍)
・バター 10g(冷凍)
・オリーブオイル 小さじ2
・醤油 小さじ1
・バルサミコ酢 大さじ2
・米(無洗米) 0.5合
・水(炊飯用) 100ml
【作り方】
〜家での準備〜
野菜をそれぞれ1cm角に切り、ボウルに入れ塩をふりかけます。(ザルとボウルを重ねることで野菜の水分(アク)を取り除くことができます)
軽く手で揉み込み、ジップロックに入れます。
豚肉のすじ切りをします。
塩麹を両面によくすりこみジップロックにいれます。
※塩麹に含まれる酵素「プロテアーゼ」が、お肉のたんぱく質を分解することによって、お肉を柔らかくします。また塩分量も多いので、漬けることで保存性がUPします。
それぞれの食材の下準備が済んだら、冷凍庫に入れます。しっかり冷凍するために前日に準備しましょう。(翌朝持参するのを忘れずに!笑)
【冷凍食材の持ち運びについて】
・調理のときにちょうどいい具合に解凍されるように、山行時間を考え冷凍庫から取り出す時間を決めます。夏場は特に食材が傷みやすいので、持ち歩きの時間には注意しましょう。
・短時間の山行(今回のような)の場合は、朝起きてからすぐに冷凍庫から取り出し、保冷バッグに入れます。
・長時間の山行の場合は、保冷バッグに凍らした水のペットボトルと食材を入れます。水のペットボトルだと調理の時にも使えて便利です。
・冷凍した食材は解凍時に水分が出やすいので、ジップロックを二重にして持参するのがおすすめです。
〜山での調理〜
メスティンにお米と水を入れ、火にかけます。
吹きこぼれ始めたら弱火にして12分、火を止めて12分。
(一人分だと小さいメスティンがちょうど良いサイズです。)
フライパンにオリーブオイルを入れ豚肉を焼きます。
両面こんがりと焼き色がついたら弱火にして蓋をします。
(塩麹に漬けているため焦げやすいので、たまにひっくり返して様子を見ます)
しっかり焼けたら4等分にします。
肉をお皿にのせ、ダイス野菜をかけます。
豚肉を焼いたフライパン(旨味たっぷりなのでそのまま使います)にバター、バルサミコ酢、醤油を加え、とろっとするまで混ぜます。(30秒ほど)
ソースをお肉と野菜にかけ完成です。
調理中に霧が晴れてきたので、伊那谷の絶景を眺めながらいただきます!
塩麹に漬けたことで、お肉がとても柔らかくなり旨味もUP。シャキッとした野菜が心地よいアクセントになり、ジューシーなお肉とのバランスも抜群!バルサミコソースの酸味で、脂身の多いお肉もさっぱりと食べることができます。
暑いと食欲がなくなり、冷たいものを好んで食べたり飲んだりしてしまいがち。そのためビタミンやタンパク質が不足し、夏バテになりやすくなってしまうのだとか。
豚肉はビタミンB1やタンパク質が豊富な食材のひとつ。バルサミコ酢に多く含まれているクエン酸と一緒に豚肉を食べることで、疲労回復効果も期待できます。
これから始まる夏山シーズン。
しっかり歩いたあとは疲労回復メニューで自分の身体を労りつつ、美味しいものを食べて元気に歩きたいですね!
今回の山行とレシピは私のYouTubeチャンネルでも紹介しています。
ぜひ動画もご覧いただいて、チャンネル登録してくださいね。
8/5は山ごはんの日、次回の連載が公開されます。
どんなメニューになるのかお楽しみに♪
※野外での火器使用は山火事や公共のベンチ・テーブルの破損に十分注意して実施してください。また、使用が禁止されているエリアでの火器使用はくれぐれも実施しない様にしましょう。
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