登山中の位置情報を家族や友人に知らせることのできるYAMAPの「みまもり機能」が、このたび技術面でアップデート。一度のすれ違いで交換/取得できる位置情報の数を増やすことができるようになりました。この記事では、そのアップデートのポイントをお伝えします。
2021.11.16
YAMAP MAGAZINE 編集部
登山中の位置情報を家族や友人に知らせることのできる、YAMAPの「みまもり機能」。2019年7月にリリースして以来、おかげさまで多くの登山者の方にお使いいただくと同時に、遭難救助の現場でも活用される機会が増えています。
みまもり機能利用ユーザーのご家族や警察・捜査関係者からのお問い合わせに窓口「遭難者情報提供フォーム」には、多いときでは月に10件以上もの相談が寄せられており、フォーム開設からの累計対応件数は、警察や家族とのやり取り、遭難事後の対応も含めると131件にのぼります(2021年11月)。
高知県で発生した遭難事故発生時には、警察による数日間の捜索が行われた後で警察署から相談が入り、YAMAPを使用した位置情報から遭難者の足取りを追跡。その情報を警察へ提供後、すぐに遭難者が発見されたことがありました。
この発見の裏には、電波の届かない山の中でも登山者どうしがすれ違う際に位置情報を交換する「みまもり機能(特許取得)」を活用するなど、ITの力を駆使することで人命救助につながりました。
実際の遭難救助で活用される機会も増え、「命を救うツール」として評価されつつあるみまもり機能ですが、このたび技術面をアップデートすることとなりました。使う側である登山者の皆さんにとっての変更点はありませんが、このアップデートで救える命がさらに広がります。
変更点は、登山者(YAMAPユーザー)がすれ違う際に交換する「位置情報の数」。従来はYAMAPユーザー同士がすれ違うことで、その地点の位置情報をお互いに交換できる仕組みでした。
「すれ違った誰か」が、また他の誰かとすれ違ったときにも位置情報が交換されるため、従来の「1対1の交換」の反復ではなく、「複数人対複数人の交換」によって、位置情報の共有可能性・登山者の救助可能性の向上が期待されます。
なお、2021年8月19日には「みまもり機能」の基本技術において特許を取得。今後も山のインフラサービスとしての役割を広げる機能開発を継続し、より安全に山を楽しめる環境づくりに取り組んでいく予定です。
みまもり機能は、使う人が多ければ多いほどその効果を発揮します。一度設定してしまえば山行のたびに設定し直す必要はないですし、設定自体も簡単なので、山へ行く際にはぜひご活用を! みまもり機能の詳しい内容、使い方などは以下のリンクよりご確認ください。
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