親子登山の様子を、愛らしいイラストで綴る人気インスタグラマーのヤマガスキナダケさんの連載「今日もコドモと山にいます」 。今回のテーマはずばり「親子登山でのアクシデント」について。猛暑の夏もやっと終わり、いよいよ秋の幸楽シーズン。子どもともっと山に行きたいけど、安全面が不安…、という方も多いのではないでしょうか? 果たしてヤマガスキナダケさんの回答やいかに?
今日もコドモと山にいます|親子登山のあれこれをヤマガスキナダケさんが指南! #05/連載一覧はこちら
2020.10.05
ヤマガスキナダケ
会社員イラストレーター
早い事に今回で5回目を迎えるこのコラム。今まで山登りの楽しいエピソードばかりお話ししてきましたが、その裏には思わぬハプニングや危険な場面もありました。そんな時の登山ほど実は思い出深いものです。今回はそんな山のお話をしたいと思います。
登山は自然相手の趣味なので想定外の事態は付き物です。そしてそれは、言わずもがな、思わぬ絶景や自然動物に会えるというような良い想定外ばかりではありません。
天候の急変、疲労や怪我、そこから繋がる小さな道迷いやコースタイムの遅れなど想定外のことが起こるのは決して珍しいことではないのです。またどれだけ慎重に準備をしていても、忘れ物や装備不足など人的なミスも起きてしまいます。
我が家の親子登山で実際にあった例を一部挙げると
・悪天候での足止め・視界不良
・直前のルート変更による道迷い
・コースタイムの配分ミスからの日没
・登山中の疲労や怪我
などなど親子登山を始めたこの数年間でも色々とありました。でもそこから学ぶことも多く、それが経験となって今現在の我が家の登山があるとも言えます。
情報の事前収集や装備の大切さもこうした小さな失敗の積み重ねから学んだことでした。
ここからは、そんな我家の想定外の経験をいくつかご紹介したいと思います。
今思うと、少しヒヤッとする場面もありますが、これをきっかけに安全登山により細心の注意を払うようになったのも事実。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
原因は行きの道中に事故渋滞に巻き込まれたことで予定が大幅に遅れたことでした。更に初めてのルートで慎重になりすぎて予定していたコースタイムをオーバー。日没を迎えつつある中ヘッドランプを使い、なんとか下山できましたが、照明機器の大切さを身に染みて感じました。
台風の影響でメインルートが通行禁止になっており、ルート変更するもコースが予想よりきつく子どもが疲労困憊。この親子登山から、事前情報の重要性とタイムスケジュールをよりシビアに考える必要性を学びました。
北アルプスに遠征した際には風雨と霧に遭遇。一睡もできなかった奥さんにテント泊のトラウマを植え付けてしまいましたが、防水対策と雨具はこれをきっかけに高機能なものに刷新しました。
「自然」の厳しさというより「天然」の恐ろしさを知った出来事。これ以降行登山靴の持ち物チェックは何度も行うようになりました(笑)。
もちろん、都度の登山では思いつく安全対策をしてきたつもりです。でも、どうしても失敗やハプニングは起こってしまう。失敗やハプニングを望むわけではないのですが、こうした失敗を乗り越えた登山が印象深いのも事実です。
だからこそ綺麗な景色や楽しいことよりも深く思い出に残るのかもしれません。
しかしひとつ言っておきたいのは最低限の装備や知識があってこそ、アクシデントに対処できるということ。我が家を例にあげても装備や身につけていた技術のおかげで大事に至らなかったのは間違いありません。
小さな失敗を実際にしてきたからこそ、登山で用意するウェアやギア、応急キットなどの装備の大切さを身をもって力説できるのだと思います。
また、親子登山を「家族というチームで山に登る」と捉えれば、失敗を繰り返さないためにチーム(家族)で対策を考えるというコミュニケーションも生まれます。
実際、我が家でも失敗を糧にして、色々と対策を講じてきました。
ナイトハイクの練習。日没を経験してから近所の山で夜道を歩く練習もしてみました
ポイズンリムーバ。いつどこで起きるか分からない毒牙にも備えております
こうした予期せぬ出来事や危険に対して正しい判断や対応、準備をする事は子どものこれからの人生においても必要な事だと思います。予期できない自然の中で起こるアクシデントに安全に上手く対処する適応力(対応力?)を養うことこそ親子登山の魅力のひとつかもしれません。
小さな失敗やアクシデントを家族で力を合わせて乗り越えればそのアクシデントは一生の思い出に変わるはずです。そして、その失敗を次に活かすことこそが、より充実した親子登山につながるのだと思います。
岩の間に落とした水筒を取るのに家族で知恵を絞り捕獲(?)成功。それが息子にとって最も印象深いハイクとなった。笑
山が教えてくれるのはただただ美しい自然ばかりではありません。当初は自然の楽しい部分を経験してほしくて始めた登山ですが、今思えば美しい自然の裏にある不便な現実こそ子どもの成長につながっていたようです。
そういう冒険要素が刺激的で子どもの記憶に深く残ったのだと思います。いつかこの経験が子どもにとっていい影響になれば嬉しいです。
まさに人生は山あり谷あり。
まだまだ私達の山登りは続いていくのです。
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