「ガーリック&オリーブ油」。そう、それは食欲を無限に刺激する禁断のマリアージュ。疲れが溜まり、味の濃いものが食べたくなる登山において、この味付けはまさに鉄板! ヨダレナイアガラ級の美味しさと言っても過言ではありません。今回ご紹介するのは、そんな「ガーリック&オリーブ油」で味付けされた鶏肉缶を活用した絶品炊き込みごはん。缶詰博士、黒川勇人氏ならではの手軽さも嬉しいポイントです。
超絶美味な山ごはん! 缶詰博士が教える珠玉の缶たんレシピ講座 #05/連載一覧はこちら
2021.10.05
黒川 勇人
缶詰博士
みなさん缶にちは! 初めての厳冬期登山で食べたコンビーフの美味しさが忘れられない缶詰博士・黒川勇人です。
あらためて思いますが、缶詰って素晴らしいですねェ。フタを開けて、箸を突っ込んでそのまま食べてもいいわけだし、ひと工夫加えれば、それだけで立派な料理になる。敬愛する落語家の春風亭昇太さんも(缶詰大好き仲間)、「最近はコンビーフの炊き込みごはんに凝ってるよー」と言ってました。
僕も肉の炊き込みごはんが食べたくなり、缶棚(仕事場にある缶詰専用棚)を探してみると、あったあった、美味しい肉缶が。缶つまシリーズ「マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」という名缶だ。よし、これ持って山に行こう!
国分グループ本社「缶つま・マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」150g
餌にマテ茶を加えて育てたブランド鶏が「マテ茶鶏」。鶏肉特有の鉄分臭(血の臭い)が少なく、加熱しても身が柔らかくてジューシーなのが特徴だ。
そいつを、ガーリックを利かせたエクストラバージンオリーブ油で煮込んであるのが「マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」であります。塩味なのでどんな料理にも使いやすく、たっぷり入ったエクストラバージンオリーブ油も美味しい。家ではバゲットを油に浸しながら食べております。
マテ茶鶏の炊き込みごはん 材料一覧
そんなマテ茶鶏缶を1缶使って、ちょいと変わった炊き込みごはんにトライした。お米にタイのジャスミンライスを使ったのであります。
ジャスミンライスは長粒米の一種。割れやすいのでシリコン保存袋「スタッシャー」に1合を入れ、大事に持ってきた。他に、フリーズドライの青ねぎと緑茶の茶葉(各適量)をナルゲン広口丸形ボトル30mlで持参。あとは水を200mlくらい用意すれば準備万端! もちろん、ジャスミンライスではなく普通のお米で作ってもモーマンタイです。
ジャスミンライスに油を注ぐ
メスティン(トランギアTR-210 容量750ml)にジャスミンライスを入れ、上からマテ茶鶏缶の油をぜんぶ注ぐ。鶏肉はトリあえず缶の中に残しておく。
「油の量が多くない?」と思うかもしれないが、大丈夫。体力を激しく使う山行だもの。脂質も大事な栄養分だ。それに、この油は高品質のエクストラバージンオリーブ油で、マテ茶鶏のうま味とガーリック、塩分も溶け込んでいる。つまり調味料を兼ねているわけ。
水を加えて火に掛ける
次に、油の上から水を約100ml足す。目安としては、液面がメスティン内側のリベット下部より1mm下くらいがちょうどいい。メスティン以外のクッカーで調理する場合も、油に水を約100ml足し、液が合計180mlになればOK(普通のお米を使うなら、水の量は約120mlにすると芯が残らずふっくら炊ける)。
一度全体を混ぜてから、フリーズドライの青ねぎを入れ、メスティンのフタをせずに中火に掛ける。ちなみに焦げ付きを防止するため、バーナーパッドを使っております。やがて沸騰したら底からかき混ぜ、メスティンにフタをして、弱火で10分加熱する。
缶を乗せて鶏肉を温める
メスティンの底全体がムラなく加熱されるように、時々バーナーとメスティンの位置をずらすのもオススメ。メスティンは長方形なので、バーナーの中心部に置きっぱなしだと、どうしても真ん中が焦げやすくなるのだ。
10分経ったら火を止めて、蒸らしタイムに突入(7〜10分)。この間、鶏肉の入った缶をメスティンの上に乗せておくと、中身がほどよく温まっていい缶じ(感じ)であります。
さあ、蒸らしタイムが終わったらフタを開けて(ヤケドしないよう手袋を使う)、温まったマテ茶鶏をトッピングすれば…。
大きなマテ茶鶏が食欲をそそる
かくのごとし。見た目がタイの鶏肉料理・カオマンガイみたいだけど、エクストラバージンオリーブ油のおかげでイタリアンテイストな「マテ茶鶏とジャスミンライスの炊き込みごはん」の缶成! 大きくカットされたマテ茶鶏を崩し、ごはんと混ぜ混ぜしていただきます。
マテ茶鶏は塩気がほどよく、ガーリックの匂いが鼻腔を駆け上がって脳髄を痺れさせる。ジャスミンライスは長粒米らしいハリがあり、ごはんなのにアルデンテのパスタを食べているようで愉快。全体がオイリーなので、青ねぎの鮮烈な風味が有効であります。
残ったごはんに茶葉を振りかける
1合の炊き込みごはんはそれなりの量があるので、半分も食べれば満腹になるかもしれない(僕がそう)。そこで、残した半分は翌朝の食事に当てることにする。山ごはんならではの朝食“あるある”ですなァ。お行儀は悪いけど。
フタをし、低温下で保管しておいた炊き込みごはんに茶葉を好きなだけ振りかける。その傍らで湯を沸かす。
熱湯を注ぐ
沸騰した湯を注ぎ入れれば、はい缶成! 残ったごはんの有効活用「マテ茶鶏とジャスミンライスのお茶漬け」缶成であります。
次第に茶葉が開いてくる
茶葉をそのまま入れるという暴挙に及んだけれど、熱湯を注げば茶葉は次第に開き、やがて立派なお茶漬けになる。柔らかくなった茶葉もかなり美味しい。
熱々のお茶漬けは身体が温まるし、ささっと食べられるので出発前の朝食にぴったり。また、湯を注ぐことでメスティン内に残ったごはんや油もきれいになりますぞ。
清冽な谷川沿いでの朝食
さて、今回使った「マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」は、国分のおつまみ缶詰シリーズ「缶つま」の1缶であります。缶つまは膨大な種類があって、2021年時点で何と70種類もある。その全てが酒の肴という、実に不埒な商品なのだ。けしからん!(ほめてます)
国分グループ本社「缶つま・マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」150g 税込490円
国分のネットショップ「ROJI日本橋」などで購入可
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