共感・感謝・応援の気持ちをユーザー同士でおくり合い、たまったポイントを山の保全の支援に使える循環型コミュニティポイント「DOMO(ドーモ)」。
2021年7月のリリース以降、多くのYAMAPユーザーのみなさんにご利用をいただき、すでに山の再生や登山道整備などの支援プロジェクトが実施されています。この記事では、そんなDOMOのこれまでを数字とグラフィックで振り返ります。
2021.12.01
YAMAP MAGAZINE 編集部
DOMOは従来の「いいね」と同じように、ユーザー同士でポジティブな気持ちをおくり合うことができます。一方、「いいね」とは違って一回につきおくれるDOMOに上限がないため、共感・感謝・応援の気持ちを「100DOMO」にしておくるなど、DOMOの量を変えて送ることも可能です。
実際に、9.2万人のユーザーが他のユーザーへDOMOをおくり、10.9万人が他のユーザーからDOMOをもらうという体験をしました。さらに、ユーザー間でおくった / おくられたDOMOの数は、2.6億DOMOにのぼっています。(2021年11月25日時点)
DOMOは、山の保全や登山道整備を支援するために使うことができます。2021年11月25日までに日本全国7つの支援プロジェクトが公開されました。13.8万人ものユーザーのみなさんが支援を行い、支援に使われたDOMOは4.3億DOMOを超えています。(2021年11月25日時点)
2021年11月25日現在、4つの支援プロジェクトの受付が締め切られ、すでに植林といったプロジェクトの実施がスタートしています。
南相馬鎮守の森プロジェクト in 福島県
お礼と使い道について
どんぐりで山を再生 in 和歌山県
お礼と今後の使い道について
大雪山の登山道整備 in 北海道
お礼と今後の使い道について
伊吹山の登山道整備 in 滋賀県
お礼と今後の使い道について
2021年11月25日時点では、下記の3つのプロジェクトを受付中です。この機会にぜひご支援をよろしくお願いいたします。
英彦山鎮守の森プロジェクト in 福岡県・大分県
知床の森を育てる in 北海道
北アルプス・雲ノ平登山道整備 in 富山県
DOMOでのプロジェクト支援が実際にどのように行われているのか。支援先の方々をお招きして、定期的に講演を開いています。
どんぐりで山を再生「持続可能な山づくり」に挑む、新しい林業のカタチ|DOMO講演会レポート
なるべく多くの方が馴染みのあるエリアに支援できるよう、今後も支援プロジェクトは増やしていく予定です。2021年11月25日時点で、尾瀬、南アルプス、愛媛県西条市瓶ヶ森、福岡県糸島、大分県くじゅう連山、高野山、神奈川県湯河原などが候補地となっています。
DOMOに関するユーザーのみなさんの声を一部ご紹介します。
YAMAPのDomoは、社交辞令とそうでない本気のどうも!を数字で明確に区別できるところが気に入ってる。貴重な情報提供への感謝や、頑張っている人への応援とかさ。それに溜まったDomoを登山道整備や山の再生事業のために寄附できるところもすごく良い。
引用元:Twitter
人のため、山のために良いことを発信している人に自然とDOMOが集まり、その人が集まったポイントを使うことができるという好循環を作り出すことができます!ここがDOMOの1番素晴らしいところだと僕は思います。
YAMAPというと、登山の地図・情報アプリという印象が強いかもしれませんが、山を愛する登山家達のコミュニティもあると僕は思っています。
多くに人が山に行き情報を共有することで、遭難の危険性の減少に繋がりますし、さらにもらったDOMOを山の再生に使うことで、大切な自然を守ることにもつながります。
コロナの影響でどうしても利己的な考えになってしまう人もいると思いますが、今一度利他的な考え方を持って行動してみるのはいかがでしょうか?
引用元:YAMAP
YAMAPのDOMO講演会の第一弾に参加して株式会社中川さんの話を聞いたが、予想の斜め上で素晴らしかった!!林業の担い手のイメージが変わりました。週末も山へ、森へ行きたいなー。
引用元:Twitter
初めてDOMOを使って支援
こういうちょっとしたことで貢献できると嬉しくなる🥰
地元の山もあるといいな⛰✨
「大雪山の登山道整備 in 北海道」を支援しました!
引用元:Twitter
気候危機による環境変化を迎えている今、企業のあり方や存在意義も大きく変化しています。企業は営利を出すだけでなく、何のために存在し、どんな社会的インパクトを世に届け、貢献するのか。事業の社会貢献度が、営利や規模以上に大事になる時代が、すぐそこまで来ています。
この気候危機においては、登山・アウトドア業界こそ、自分たちのビジネスモデルを変革し、良いインパクトを社会に届けることが重要です。なぜなら、私たちのフィールドは、自然そのものだからです。
遊ぶ場所である自然がなくなれば、私たちのビジネスは成り立ちません。自然や環境を”守る”だけでなく、自分たちで自分たちの遊び場(山や森)を豊かにしていく活動を積極的に行うことは、私たちYAMAPの存在意義の一つだといえます。
また、コロナ禍の影響もあり、山小屋の運営や登山道の整備をはじめとした山岳環境の維持が、今の仕組みのままでは難しくなってきています。持続可能な新たな仕組みを、私たち登山者がつくっていく必要があります。
こういった時代背景の中、YAMAPの企業理念である「人と山をつなぐ、山の遊びを未来につなぐ」の実現に向けたチャレンジのひとつが、DOMOです。
DOMOが目指しているのは、登山者が増えることで山がより豊かになる仕組みです。人が山に入ることで、山が荒れるのではなく、山そのものが豊かになっていく流れをつくっていきます。
現代の不幸の一つは、人間の(経済)活動と環境の豊かさが相反することです。だからこそ、人間の(経済)活動を通して環境が豊かになっていく実例が求められています。それは、ビジネスの枠を超えて私たち人類が生きていく”希望の象徴”となるはずです。
その端緒を、DOMOでつくっていきたい。これが私たちの願いです。
そもそも日本では、山に(お詣りに)行くことと山を豊かにすることはつながっていました。その代表例が吉野詣です。吉野を詣でる人々によって桜が植えられ、今や吉野は桜の名所となりました。
もちろん山だけでなく、明治神宮のように、都会の中に鎮守の森をつくることも、自然や風土を豊かにする営みです。
人間の営みが、自然・風土の豊かさにつながる仕組みをつくる。これが21世紀に生きる私たちが目指すイノベーションであり、事業です。
DOMOの導入は、事業と社会貢献の両方をつなぐ試みの第一歩です。多くの方にご愛顧いただいておりますこと、心より感謝申し上げます。
豊かで遊べる山や自然を、後世にも引き継ぐべく、小さくとも今から一緒にはじめていきましょう。