グレゴリーのバックパック「ズール/ジェイド」|ユーザーの本音レビュー

背負い心地に定評のあるグレゴリーのバックパック。中型モデルの代表作「ズール/ジェイド」が4年ぶりにフルモデルチェンジをしました。ぜひとも、多くの登山者の方々に新生モデルの使用感をお伝えしたいと、YAMAPではリニューアルした「ズール/ジェイド」のモニターを募集。当選した5名のユーザーさんに、その使用感を報告してもらいました。

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登山ガイド岩田京子さんによるフィールドレビュー

2023.05.31

池田 菜津美

ライター

INDEX

モニターに参加したYAMAPユーザーさんの登山歴、グレゴリー歴は?

今回は座談会形式で5名のユーザーモニターに参加してもらいました。登山歴も普段使っているバックパックもそれぞれ。いったいどんな方たちなのでしょう?

ズール(男性用)のモニター
★shimamotakaさん/登山を始めて3〜4年。グレゴリーのバックパックは、学生のときにデイパックを使って以来。今回、モニターできるのを楽しみにしていました!
★が〜ご〜さん/登山歴は6年。旧型ズールを3年使ってきました。新生ズールと比較してレビューできたらと思っています。
★n-takiyaさん/登山歴は約10年。グレゴリーのバックパックを愛用中で、ズールは30L、35L、40Lを家族みんなで使っています。

ジェイド(女性用)のモニター
☆ねおばたーろーるさん/登山を始めて2年目に突入。旧型ジェイドが大好きなので、新生ジェイドがどんなふうに変わったのか、とても興味がありました。
☆ちゃこさん/2022年くらいから本格的に登山を始めました。初めて買ったバックパックは、グレゴリーのマヤです。

満場一致した「背負い心地」が最高

モニターさんたちが満場一致で絶賛していたのが、グレゴリーのバックパック最大の特徴とも言える「背負い心地のよさ」。フィット感の高さや、重さを肩や腰、背中などに分散させる構造に感服されていました。

★shimamotakaさん:ショルダーベルトもヒップベルトも、とてもしなやかで肉厚。ぼくは硬めが好きなので、少し柔らかいかなと感じましたが、体にしっかり沿ってくれます。背面にフレームが入っているので、歩いているときの姿勢がよくなるのがいい。荷物が重いと前傾姿勢になりがちですが、バックパックに体を保持してもらっている感じです。

★が〜ご〜さん:グレゴリーのバックパックは背面長で調整できるのがよいですよね。これは背負い心地と直結しているはず。重さが平均的に分散されて、肩や腰など、どこか一点に負担がかからず、疲れにくいと思いました。ぼくがいいなと思ったのはヒップベルトの改良。バックパック本体とヒップベルトのジョイント部分に遊びができて(生地が1枚追加されて)、腰を動かしたときにつっぱらなくなりました。

ショルダーベルトが付いた部分を上下に動かし、背面長を調整できる(写真はグレゴリー「バルトロ」)

★n-takiyaさん:旧型からフレームの形が変わって、背負い心地がアップしたと思います。荷物が重いとき、旧型だと1時間くらいすると肩がすこし痛くなって、ヒップベルトを締め直していました。でも、ヒップベルトをきつくすると、痩せ型なので腰に打ち身ができたりして。新生ズールは、長い時間背負ってもどこも痛くなくて、疲れませんでした。

☆ねおばたーろーるさん:私は山ごはんを作るのが好きなので、荷物が重くなりがち。それでも、どこも痛くならないし、楽に背負えました。荷物を持ち上げたときは「あぁ、重いなぁ…」と思っても、背負ったあとにヒップベルト、ショルダーベルト、ストラップ(ショルダーベルト上部に付属)を引く度にフィット感が高まって、荷物が軽くなっていくんです。

☆ちゃこさん:私は150cmと背が低いので、背面長の調整が可能なのは本当にありがたい。私も荷物が増えがちなのですが、新生ジェイドは荷物の重さが肩と腰、背中などにうまく分散されて、重さを感じにくいです。背面のメッシュパネルとパック本体が縫い付けられたことで、パック本体が体から離れすぎないというのも、重さを感じない理由かも。

背面のメッシュパネルと本体が縫い付けられて一体化し、背中のフィット感がアップ。もちろん通気性はバッチリ◎(写真はズール45)

ヒップベルトの大きなポケットはどう使う?

新生「ズール/ジェイド」の特徴のひとつが、ヒップベルトに備わった大きなポケット。スマホを入れたり小物をまとめたりと、みなさん活用されていました!

スマホが入るほどサイズアップしたヒップベルトのポケット(写真はズール45)

★が〜ご〜さん:スマホがすっぽり入ったので、「やったー!」と思いました。大きくなって立体的になったからか、ファスナーを少し開閉しにくいかな。

☆ちゃこさん:ポケットが大きくなってスマホが入るようになりましたが、スマホはショルダーベルトにポーチを付けて収納しています。大きくなったポケットには、タオルや財布、温度計など、すぐに取り出したいものをいろいろ詰め込んでいます。

★n-takiyaさん:スマホ単体だと入ったのですが、ケースを付けると少し収納しにくいかな。腰が細いので、ウエストベルトをきつく締めるとカーブがきつくなるため、特にスマホの出し入れがしにくいのかも。

「生地感がよくなった」「生地の配置が◎」という意見も

新生「ズール/ジェイド」は、本体生地にリサイクルナイロンとリサイクルポリエステルを採用しています。また、ストレッチ生地の配置などにも変更があり、こうした生地感や配置についてのレビューもいただきました。

☆ねおばたーろーるさん:個人的には、旧型よりも高級感のある生地で、かっこいいなぁと思っています。細かいことですが、ショルダーベルト表面のメッシュ生地の目が細かくなったのもポイント。外付けのポーチなどの面ファスナー(いわゆるマジックテープ)がくっつきにくくて、耐久性が上がっている気がします。

★が〜ご〜さん:旧型はフロントポケットがすべてストレッチ生地(ストレッチパネル)で、長く使っていると伸びてしまうのが気になっていました。今回のリニューアルで、フロントパネルがポリエステル生地とストレッチ生地のコンビになって、強度が上がりました。

フロントポケットがポリエステル生地(青矢印)と、ストレッチ生地(赤矢印)のコンビになり、強度があって型崩れしにくくなった(写真はズール45)

☆ちゃこさん:フロントポケットのポリエステル生地は、強度アップに加えて、目隠しになるのがうれしい。フロントポケットって、いろんなものをザクザク入れるのに便利なので、ついつい何でも入れちゃうから。

その他の機能も細かくチェックしてみました

バックパック本体へアクセスできるフロントオープン機能は旧型ズールから受け継がれたもので、使いやすいと高評価。一方、リニューアルで付属しなくなったレインカバーについては、みなさん工夫をされているようでした。

★shimamotakaさん:フロントオープン機能はいいですね。本体正面をファスナーでがばっと開くことができるので、パッキングもアクセスも楽ちんです。背面のメッシュパネルの分だけ、バックパックが後傾しやすいので、アンバランスにパッキングすると後ろに引っ張られる感じがしました。きちんとパッキングすると、肩と腰、背中で支えられるので、本当に背負い心地がよくなります。

U字型のファスナーでガバッと開き、本体にアクセスできるフロントオープン機能(写真はズール45)

★n-takiyaさん:旧型ではレインカバーがついていたのですが、なくなってしまったのは少し残念かな。私は1つのバックパックに1つのレインカバーを用意しておきたい派なので。結局、グレゴリーの純正のレインカバーを探して買いました。

☆ねおばたーろーるさん:私もレインカバーがなくなったのは「あれっ?」と思ったのですが、他のバックパックのレインカバーを流用できるし、まぁいいかなと。レインウエアなどとセットにして、バックパックを変えるときに、一緒にお引っ越しさせています。

☆ちゃこさん:バックパックの両サイドにある、ストレッチ生地のポケットが大きくて便利。私はボトルを入れて使っているので、入り口がもう斜めだと、背負ったままでも取り出しやすいかな。

サイドのポケットはボトムにマチがつき大きめにリニューアル。ボトルやスマホ、行動食など、何でも入るサイズに

「グレゴリー」について

最後に、座談会で言い残した「ズール/ジェイド」の感想や、「グレゴリー」について普段思っていることなどを聞いてみました。

☆ねおばたーろーるさん:グレゴリーのバックパックは、私にとって「勝負ザック」。初めての場所に行くとき、初心者の友達を山でもてなすとき、そんな「がんばりたい」ときに使っています。新生ジェイドはますます背負い心地がよくなって、とっても頼もしいです。

★が〜ご〜さん:「バックパックは背負うのではない。着るのだ」というキャッチフレーズ通りで、グレゴリーのバックパックは、背負い心地がとてもよいです。登山初心者に勧めたいブランドですね。

★n-takiyaさん:初めてグレゴリーのバックパックを背負ったとき、「体にフィットさせるのが上手い!」と思って以来、気がつけばグレゴリーのバックパックばかりに。それだけ信頼ができる、背負い心地のよいものばかりです。新生ズールは、先にも言ったとおり、背負い心地がアップしていてすばらしかったです。

☆ちゃこさん:バックパックはたくさん持っているのですが、グレゴリーのバックパックは「無骨だけど頼れる相棒」。私も、ここぞ!というときに使っています。あ、でも、カラフルでファッショナブルな大型バックパックもぜひ出してほしいです!

★shimamotakaさん:背負い心地がとてもよかったです。今後、バックパックに外付けできる純正のグッズが出たらうれしいな。

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今回、座談会に参加してくれたのは5人のYAMAPユーザーさん。みなさん「ズール/ジェイド」を山で使い込んでしっかり感想を教えてくれました。YAMAPでは、今後もこうしたユーザーモニター企画を続々、検討中。次にモニターに選ばれるのはあなたかも。

上段左から、n-takiyaさん、が〜ご〜さん、下段左から、ねおばたーろーるさん、ちゃこさん、shimamotakaさん

取材・原稿:池田菜津美
協力:グレゴリー(サムソナイト・ジャパン)

池田 菜津美

ライター

池田 菜津美

ライター

子供向けの自然科学の本や、図鑑の編集などを行う。子供の頃から外遊びが好きで、山菜採りや野鳥観察、雑草探しに興じていた。現在は自宅裏の神社で鳥&昆虫を愛でるのを日課とし、近所の自然公園へぶらりと植物探しに出かけることも。今も昔も相変わらず、生き物の暮らしや生態に感心しながら、それとのふれあいを楽しんでいる。著書に『飼育員さん教えて!みんなどきどき動物園』『飼育員さん教えて!みんなわくわく水族館』(新 ...(続きを読む

子供向けの自然科学の本や、図鑑の編集などを行う。子供の頃から外遊びが好きで、山菜採りや野鳥観察、雑草探しに興じていた。現在は自宅裏の神社で鳥&昆虫を愛でるのを日課とし、近所の自然公園へぶらりと植物探しに出かけることも。今も昔も相変わらず、生き物の暮らしや生態に感心しながら、それとのふれあいを楽しんでいる。著書に『飼育員さん教えて!みんなどきどき動物園』『飼育員さん教えて!みんなわくわく水族館』(新日本出版社)、『ときめくヤマノボリ図鑑』(山と溪谷社)など。