毎日たくさん投稿されるYAMAPの活動日記には、ユーザーさんが文字通り「足で稼いだ」とっておきの情報が詰まっています。これはどんな雑誌でも追いつかないほどの膨大な情報量。今回、そんな活動日記の中から情報を選りすぐり「群馬県」の山と山麓の魅力を紹介します! この記事を参考に次はあなたが群馬の山旅を楽しんでみませんか?
2023.10.24
大関直樹
フリーライター
YAMAPでは、群馬県の山と山麓の魅力を楽しむための活動日記キャンペーンを実施しています(2023年11月30日まで)。群馬は日本百名山が「11座」、県が選定した「ぐんま百名山」もある山岳県で、450以上の源泉を有する温泉や独特な食文化など山麓の魅力もたっぷり。
そんな群馬の奥深さを伝えてくれた魅力的な投稿の一部を、本記事では最終発表に先駆けてご紹介します(応募期間は11月30日まで続きます)。
フォトジェニック部門、親子登山部門、DOMO部門(最近のDOMOの獲得数がトップクラスの投稿)、ぐんま山麓グルメ部門、ぐんま山麓温泉部門、ぐんま山麓スイーツ部門の6つに分けてありますので、読者のみなさんも今回の記事を読んで、それぞれの「私がみつけた群馬」を発見してください!
受賞作品:これ撮るのに2時間45分待った
受賞者:Keith Richardsさん
石垣島在住のKeith Richardsさんは、今年の8~9月にかけて山形・新潟方面に登山遠征。約2週間かけて飯豊連峰、苗場山など7座目を登り、フィナーレは群馬県の至仏山で放浪を締めくくりたいと思っていたとのこと。
以前にKeithさんが見た燧ヶ岳から見た至仏山よりも、至仏山から見た燧ヶ岳の方が映えるっぽいという噂を聞いたので、自らの目で確かめたいと思ったそうです。しかし、いざ歩き出して尾瀬ヶ原に抜けると、お目当ての燧ヶ岳は雲の中。至仏山に登り始めたら、さらに状況は悪くなっていきました。
「何度も祈るように後ろを振り返るが、しまいには燧ヶ岳どころか手前の尾瀬ヶ原すらガスってくるじゃん。泣きたくなった」
登山開始から約3時間後、無事に至仏山の頂上にたどり着きましたが、ガスで燧ヶ岳の姿は見えません。
登頂から27分後、尾瀬ヶ原方向に雲が流れていき、ついに見えた!と思いましたが、燧ヶ岳の全貌は見えないまま。周りの登山者からは、「駄目だ、こりゃ」、「ガスってるね~」という声を耳にしたKeithさんは、「意地でも待ってやる」と決心します。
しかし、登頂から2時間後。さすがにこれ以上は待てないということで下山開始。燧ヶ岳は一応見られたしと自分を納得させながら、20分ほど歩いて隣の小至仏山まで来たら、尾瀬ヶ原方向のガスが綺麗さっぱり消えました!
至仏山に戻ろうと思いましたが、この晴れ間がどれくらい続くか分かりません。そこで小至仏山から燧ヶ岳を狙う作戦に切り替えたとのこと。
至仏山登頂から2時間45分。小至仏山の頂から、どうしても見たかった『尾瀬ヶ原越しの燧ヶ岳』を見ることができました。
「2時間45分待った甲斐があった、とも言えるし、そんなら、朝6時まで寝て登ったほうがよかったじゃん、とも言える。山登りも、筋書きのないドラマである」
――念願の至仏山登頂からの燧ヶ岳の眺めはいかがでしたか?
私は、日本一の名峰は鳥海山だと思っているのですが、尾瀬ヶ原越しの燧ヶ岳も鳥海山に匹敵する日本有数の眺めだと思いました。
――群馬県の山のイメージついて教えてください
群馬県といえば尾瀬の印象が強いですね。「尾瀬は混んでいるから行きたくない」と思っていましたが、季節と曜日を選べば、意外とゆったり歩けるなということがわかり見直しました。
――これから登ってみたい山はありますか?
群馬県と栃木県の県境にある皇海山を、クラシックルートで登りたいと思っています。
受賞作:今年の夏最後の旅 尾瀬
受賞者:那須さん
コロナ禍の2020年から、親子4人で登山を楽しんでいる那須さん。今年の9月には、以前から行きたいと思っていた尾瀬に出かけました。
「写真を始めた頃から、ずっと尾瀬の風景を撮るのが夢でした。前を見れば燧ヶ岳、後ろを見れば至仏山、終始興奮しながら撮影していました」
お子さん達は単調な木道歩きにちょっと飽き気味でしたが、道中で出会った虫や花など色々なものに興味を持ってくれたとのこと。娘さんは「次に来る時は、至仏山だね!」と言ってくれ、息子さんもバテずに歩き通すことができたようです。
「帰りの車は6時間くらい運転することになり大変でしたが、帰宅して写真を見ていると色々と思いだして気持ちが昂ってきました(笑)。やっぱり尾瀬は良かった!と思える3日間でした。今年の夏の旅はこれで終わりですが、また秋の山々を楽しめるようゆっくりエンジンをかけなおそうと思います」
――これまでに家族ではどんな山に登られているのでしょうか?
家族で山に登り始めて3年になるのですが、子どもが小さいので関東の低山が中心です。3歳半から登っている娘は、これまで一度も登頂を諦めた事がないのが自慢です。息子も最近は長距離を歩けるようになってきたので、私が一人で勝手に夢を広げています(笑)。
――これまでに登った山で好きな山は、印象に残っている山はどこですか?
断トツで富士山ですね。とても思い入れのあった山なので登頂できた時は、とてもうれしかったです。当時5歳だった娘と登頂した瞬間は、感極まって泣いてしまいました。あとは友人に勧められて初めて行った群馬県の赤城山も大好きです。私の住んでいる神奈川県からは少し遠いですが、毎年、紅葉の時期に登っています。
――家族で尾瀬に登ってみた感想はいかがだったでしょうか?
想像以上に圧倒される風景で感動しました。逆さ燧ヶ岳がとても綺麗に撮れたので非常に満足しています。登って標高を稼がなくとも、家族で楽しめる場所だと思うので、親子登山にはお勧めです。
受賞作品:相馬山(榛名山)ニホンカモシカ
受賞者:issさん
群馬県在住のissさんは、昨年の10月に谷川岳にソロ登山をしたことで、登山を開始。その後は、群馬県内の上毛三山や子持山、尾瀬ヶ原などをメインに登っているとのこと。
「出会った動物たちの表情や季節で移り変わる木々の姿、登頂の達成感など、今ではすっかり登山の魅力に取り憑かれています。野生の鳥や動物が撮りたくて、カメラを持って登っていますが、なかなか難しいです…」
そんなissさんが、榛名山系の相馬山(1,411m)に登ろうと思ったのは今年の9月。「去年の12月に相馬山でニホンカモシカと出会ったのを思い出して、今回も出会えたらラッキーだなぁと思い、あまり深く考えずに気軽な気持ちで登りました」
久しぶりの相馬山でしたが、山頂は雲がかかっていて景色は見えません。ところが帰り道に霧の中からカモシカが!「ザックの中のカメラを出そうか迷いましたが、今回はGoProで近づいてみました。カモシカとの睨めっこは、最高に幸せな時間! 今日も山の神様に感謝」
――issさんは群馬県の山によく登っているとのことですが、群馬の山の魅力について教えてください
群馬の山は、一年を通して多種多様な登山を楽しめるところが魅力です。具体的な山名を挙げるなら、急峻な鎖場と絶景・紅葉が綺麗な妙義山。黒檜山の霧氷や小沼のアイスバブルが幻想的で美しい冬の赤城山。ヤマガラやニホンカモシカなどの野生動物に高確率で出会える榛名山などです。他にも、稜線が魅力的な谷川岳や広大な湿原が美しい尾瀬なども、比較的アクセスしやすく多彩な山の姿を一年中楽しめる素晴らしい山だと思います。
――そんななかでもissさんの、一番のお気に入りの山を教えてください
やはり、妙義の白雲山(中之岳、東岳)ですね。急峻な鎖場を乗り越えた後、山頂からの360度見渡せる絶景と圧倒的な高度感は、何度訪れても本当に感動します。パラグライダーをやるので高所には慣れているつもりでしたが、クサリ場で足がすくんでしまったのを覚えています。登山道には赤いリボンや矢印、看板が多く道に迷いにくいのも良いところです。ひとりで登っていても、それらを通して地元の方々に見守られているような不思議な安心感があります。
――山麓のグルメも登山の楽しみのひとつですが、issさんおすすめの場所がありましたら教えてください
登山やパラグライダーの練習帰りによく行く、上州沼田のとんかつ街道は、おすすめです。特に「とんかつ金重」の低温で揚げた群馬ブランド豚のとんかつは、ジューシーでとても美味しく、何度も足を運んでいます。また、群馬は二毛作による小麦栽培も盛んで、ピザやパスタの美味しい店も多いと思います。中でも前橋の中心市街地にある「GRASSA」のパスタや前橋駅前の「PIZZERIA PESCA!」のピザは家族や他県からの友達をよく連れて行きます。
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ここからは、登山のもうひとつのお楽しみ、山麓の温泉やグルメについての活動日記からとっておきの投稿を紹介していきましょう。
うどん専科麦の香り(長野原町)|しまさん
2年前から登山を始めたしまさんは、ぐんま百名山のひとつ、岩櫃山(802m)へクサリ場トレーニングに行ってきたとのこと。その帰りに立ち寄ったのが、八ッ場ダム駐車場手前にある『うどん専科麦の香り』です。何度も来ても飽きずに毎回注文するメニューが、写真の「野菜天ぷらのぶっかけうどん」と教えていただきました。「ボリュームのあるサックサクの野菜の天ぷらとコシのあるうどんとのマッチングは、とーーーっても美味しいです」(しまさん)
VENTINOVE(利根郡川場村)|やのっつさん
山頂にはこだわらず木漏れ日や木々の緑、花、風を感じながら遠足気分で自然を楽しみたいというやのっつさん。彼女は、群馬川場村に素敵なオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)を見つけたとモーメント投稿してくれました。「VENTINOVEというイタリアンレストランは、泊まれるのは1日に1組だけ。たっぷり美味しい食事とお話しで大満足。川場村の食材の豊富さ(特に野菜類がすごくいい)、シェフの腕の確かさ、ここに来るまでのストーリー、面白すぎです♪ 群馬は温泉も豊富なので再訪希望です!」とのこと。
「おぎのや」峠の釜めし、焼きまんじゅう(安中市)|Tom.K-XE4さん
愛知県、三重県、長野県などの山を登ることの多いTom.K-XE4さんが、赤城山に行った際に見つけたグルメを紹介してくれました。『おぎのや』の峠の釜めしと甘辛い『焼きまんじゅう(餡入り)』。どちらも旨味が染み染みで素朴な味でした!」
群馬県は、気候と風土が小麦の栽培に適していたため粉食文化が根付いています。その代表格が、「焼きまんじゅう」。濃厚な甘味噌だれを塗ってこんがり焼き目をつけたおまんじゅうは、絶品です。峠の釜めしは、群馬県安中市の横川駅で誕生した大ヒット駅弁。出汁の旨味が凝縮された釜めしは、昭和33年の発売以来、約1億7000万個以上も売れています。
尾瀬小屋の夕食|るたんさん
久しぶりに尾瀬を訪れたるたんさんのお目当ては、絶品グルメと評判の尾瀬小屋の夕食。尾瀬小屋では、2023年から宿泊者向けの夕食はカジュアルフレンチ。ホロホロになるまで煮込んだ骨付きチキンコンフィをメインとした夕食が楽しめます。
「鳥のコンフィは柔らかくて、箸でもほぐれそう。アサリのクラムチャウダーも身体に染みる温かさとお味。写真を撮りそびれましたが、デザートのベリーのケーキもおいしかった! 山小屋とは思えない、グルメ宿ですね」
草津温泉(草津町)|やあこさん
去年から登山を始めて景色や花を眺めながらゆっくり歩くのを楽しんでいるというやあこさん。「家族旅行で草津温泉へ。初めて見た湯畑、硫黄の匂いと豊富な湯量に驚きました!夜のライトアップも幻想的です」と、投稿してくれました。
群馬県は県北部に火山が多く、そのおかげで関東随一の温泉天国。とくに自噴湧出量日本一の草津温泉は、1日にドラム缶23万本の温泉が湧き出ているといわれています。また、「にっぽんの温泉100選」(観光経済新聞社主催)では、20年連続で1位をキープし続けています。
霧積温泉金湯館(安中市)|なっくさん
横川駅から旧中山道経由で6時間かけて霧積温泉まで歩いたなっくさん。旧碓氷峠から先は全く人がいなく少々荒れた道だったようですが、迷わず温泉に到着したとのことでした。「ずっと行ってみたかった」という金湯館は、明治17年創業の老舗の温泉旅館。伊藤博文や勝海舟なども逗留し、森村誠一の『人間の証明』の舞台となった宿です。「極上のぬる湯は、無色透明で入るとシュワシュワの泡がついてきます。晩御飯は、山の幸を活かした、美味しくヘルシーなおかずでボリューム満点でした!」
尻焼温泉光山荘(中之条町)|フンドゥックさん
数年ぶりに白砂山(2,139m)を歩いたフンドゥックさんは、登山道がきれいになっていたことに驚いたそう。群馬県では、新潟・長野県境の名山を結んで「ぐんま県境稜線トレイル」としておよそ100kmに渡るコースを制定。登山道を整備しているので快適に歩くことができるのです。
そして下山後は、尻焼温泉光山荘へ。「ちょっと熱めで鮮度良好の掛け流しが楽しめました」とのことでした。尻焼温泉は、河原の中の底からお湯が沸き出してお尻が焼かれる様な感じがすることからその名が付きました。川の一部分が自然の大露天風呂になっているので、そちらもおすすめです!
万座温泉豊国館(嬬恋村)|pagdoggyさん
6月にぐんま県境稜線トレイルの土合~野反湖間を歩いたpagdoggyさん。10月には鳥居峠~野反湖間を軽荷で1泊2日かけて歩こうと計画。軽荷のおかげで1日目のお昼には万座温泉に到着し、何度も温泉に浸かってのんびり湯治できたそうです。宿泊した豊国館は、10軒ほどある万座温泉の宿泊施設の中でも、とても泉質が良いと評判の宿です。
「豊国館の温泉は、pH2の超酸性硫黄泉で、翌日も体から温泉の匂いがしていました。2日目は、渋峠手前にある山田峠でご来光を迎え、大パノラマの感動的なモルゲンロートを堪能できました! 最後まで続くアップダウンにウンウン言いながらも、野反湖まで無事に歩き通すことができました」
茶フェ ちゃきちの抹茶ジェラート(富岡市)|マツリカさん
マツリカさんが高崎市にある牛伏山(491m)の登ろうと思ったのも、実は日本茶専門店「茶フェ ちゃきち」に行きたかったから。このお店では、抹茶の濃さが違う5種類のジェラートを850円で食べ比べができるのです。
「実物は結構大きいいので、ふたりで食べたほうがいいかもしれません。私は、真ん中の濃さの三段がお気に入りでした。ほかにもあんみつなどのメニューもあるので、試してみたいです!」(マツリカさん)
道の駅八ッ場ふるさと館の「まゆ丸、丸岩を登る!」(長野原町)|ゆきっちさん
長野県在住のゆきっちさんは、雪で交通が不便になる前に榛名山への登山を計画。本当は、外輪山をピークハントしようと思いましたが、体力的に厳しいので、掃部ヶ岳(榛名山)と榛名富士を登り、榛名湖一周の旅にしたとのことです。「群馬県のお山を、私達らしく楽しんできました!」
その途中の道の駅・八ッ場ふるさと館で購入したのが「まゆ丸、丸岩を登る!(メロンクリームパン)」。これは、長野原町の名所である丸岩(1,124m)をモチーフに作られたスイーツで、パンの中にはメロンクリームが入っています「まゆ丸」(マシュマロ)が丸岩を登っている様子がカワイイですね!
いちごちゃん家のイチゴシュートッツォ(高崎市)|もしやさん
群馬在住のもしやさんは、ダイエット目的で登山を開始。近くにたくさんの低山があることに気がつき、現在は山頂で山カフェを楽しんでいるとか。3月に牛伏山(491m)に登った後は、上信越道吉井ICから車で10分のところにある、いちご農園「いちごちゃん家」へ。
ここのカフェで売っているイチゴシュートッツォを購入。新鮮なたっぷりのイチゴと北海道産のくちどけの良い100%生クリームの組み合わせは、まさにベストマッチ。「めっちゃ美味しかったです」とのことでした。
*例年12〜5月の営業です。営業期間、営業時間をご確認の上、おでかけください
阿部りんご園のアップルパイ(前橋市)|dokokokoさん
9月のシルバーウィークに群馬県の阿部りんご園にアップルパイを予約したdokokokoさん。阿部りんご園はみなかみ町にあるのですが、2022年に前橋市にもオープンし、県外からもアップルパイを求めて買いに来る人が多いという人気店とのことです。近くの鍋割山(1,332m)に登った後は、念願のパイを購入。
「お楽しみだったアップルパイは、ほんのりした甘さでしつこく無く、1カットをあっという間にペロリ。家族にも好評でした!」とのこと。
ぐんまの山旅・活動日記投稿キャンペーンの優秀作品に選ばれた作品は、いかがでしたでしょうか。読者のみなさんも、今回の作品で紹介されているものからお気に入りのスポットを見つけて、群馬の山や山麓を楽しんでください。
なお、この活動日記キャンペーンは、2023年11月30日(木)まで実施中です。活動日記の投稿で期間限定のデジタルバッジを獲得できて、さらに抽選でオリジナル手ぬぐいが200本もらえる他、モーメント投稿で「群馬県内の指定温泉旅館で使える宿泊券」を抽選で合計100,000円分といった豪華なプレゼントがありますので、みなさん奮ってご応募ください!
原稿:大関直樹
協力:群馬県、公益財団法人 群馬県観光物産国際協会