2024年は初詣とあわせて「歩き初め」をしてみませんか。お正月太りの解消だけでなく、寺社ゆかりの霊験あらたかな山を歩くことで、新年早々元気をもらうことができるに違いありません。そこで今回は、手軽に短時間で楽しめる大都市近郊のハイキングコースを厳選紹介。新年のタイミングで押さえておきたい、神社仏閣の種類や文化もあわせてお伝えします!
2022.12.09
YAMAP MAGAZINE 編集部
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旧年の感謝と新年の祈願を込め、大晦日から元日にかけて各家庭の家長が地域それぞれの氏神様を祀る社寺にこもった「年籠り」が起源の初詣。例年正月三が日から節分の頃にかけて、各地の神社・寺院へ多くの人が訪れます。
ところで、私たちは初詣で何に対して祈っているのでしょう。もちろんそれぞれの社寺の御祭神・御本尊でもあるのですが、心の中ではもっと大きな概念としての“神さま仏さま”を思い描いているのではないでしょうか。
狩猟・農耕など豊かな自然の恵みで生活しながら、同時に地震・洪水・干ばつなど自然の脅威にさらされてきた日本人。私たちの祖先は、おのずと畏怖を感じる巨樹や滝など自然界の森羅万象すべてに神や精霊を見出してきました。これは「八百万(やおろず)の神」と呼ばれる、日本独自の信仰形態です。
神や精霊が宿るとされる代表的存在が「山」です。食肉・木の実・きのこ・山菜などの食糧だけでなく、材木・漆・鉱物など社寺や住居の建築材料をもたらしてくれる山。さらにそこから流れ出た水は田畑を潤し、川を通じて海に運ばれた土壌の栄養素が沿岸の豊かな漁場を育んできたのです。生活の起点は山であると言っても過言ではありません。
山を数える単位は「座」ですが、これもその頂に神が座するという信仰に由来しており、多くの社寺が山中や山麓に位置しています。日本最古の神社・大神(おおみわ)神社(奈良県桜井市)のように背後にそびえる三輪山(466m)そのものを御神体とする場合も。また、穂高神社(長野県安曇野市)のように奥宮が上高地に、嶺宮が奥穂高岳(3,190m)にと、山奥や山頂に奥社・奥宮がある山も数多くあります。
現代の私たちにも山は恵みをもたらしてくれます。マイナスイオンやフィトンチッド(樹木が発散する物質)が漂う自然の中を歩くことは、身体面だけでなく精神面にも効果があり、リフレッシュにはぴったり。豊かな自然や小さな祠・石仏に心癒されながらたどり着いた山頂で、自分たちが暮らしている街を眺望する……山は新しい年の元気をくれる場所なのです。
そして街から近く気軽に行ける「低山」は、暑さや害虫などを気にせず歩ける冬がベストシーズンでもあります。寝正月による運動不足やお正月太りの解消も兼ねて、初詣ハイキングに出かけてみませんか。
この疑問にはさまざまな答えがあります。神主が祝詞を唱えるのが神社、僧侶がお経を唱えるのが寺院、あるいは神さまを祀るのが神社、仏さまを祀るのが寺院、などがわかりやすい違いでしょうか。しかしこれは比較的新しい考え。明治元年に新政府が「神仏分離令」を発するまでの日本人は、神仏習合という神さまと仏さまを同一視する宗教観で生きてきたのです。
このため現代でも、寺院なのに鳥居がある、寺院の境内に神社がある、ということは比較的珍しくありません。例えば高尾山(東京都、599m)にある薬王院有喜寺は現在は真言宗智山派の寺院ですが、御本尊である飯綱大権現を祀る本堂と鳥居がある本社の両方があるのです。
ではどう判断すればよいのか?という声が聞こえてきそうですね。一般の方が外観から判断するのであれば、麻縄が付けられた鈴や御幣が付けられた注連縄があるのが神社、前述の通り仏像を安置しているのが寺院と覚えておくとよいでしょう。
鳥居の前で一礼して境内に入ったら、参道は中央(正中:神様の通り道)を避けて進みます。手水(ちょうず)舎に立ち寄り、柄杓を持って左手→右手→口の順に手・口を清めましょう。次に拝殿でお辞儀をしてお賽銭を捧げたら、麻縄を持って鈴を鳴らし御祭神をお呼びしましょう。
そして二礼二拍手一礼。拝殿前で姿勢を正したら、腰を90度に折り深く2度お辞儀、胸の高さで両手を揃え右手の指先を少し下にずらしたら肩幅程度に両手を開き2度拍手、そして手を下ろし指先を揃えてもう1度お辞儀します。
神社によっては二礼四拍手一礼(出雲大社・彌彦神社など)のように作法が異なる場合もあるので、各神社に掲示されている作法を確認しましょう。
山門前で一礼したら敷居を踏まずにまたぐよう注意しながら境内へ。手水舎があれば立ち寄り、神社同様に左手→右手→口の順に手・口を清めます。本堂でお賽銭を捧げたら、姿勢を正して静かに手を合わせ(合掌)そのまま1度深くお辞儀をします。
この時に唱える言葉は宗派・寺院によって様々ですが、御本尊の御名の前に「南無」をつけるのが一般的。南無阿弥陀仏、南無大師遍照金剛などそれぞれの御本尊に祈りを捧げます。
初詣に来たのがどこの誰かを明確にするために、必ず自分の住所・氏名を心の中で唱えた後にお願いごとを祈願しましょう。これは、神社・寺院共通です。帰り道は、神社・寺院ともに鳥居・山門から出たら拝殿・本堂を振り返って一礼するのを忘れないようにしましょう。
もちろん、これ以外の作法が提唱されるケースもあるので、まずは各神社・寺院の流儀に従うのがベスト。そして何よりも、作法という形式にとらわれるあまり感謝や祈願の「心」がおざなりにならないようにすることが大切です。
新年の願いをどの社寺で祈るかは、もちろん自由。住んでいる地域の氏神・鎮守の社寺が一般的ですが、せっかくの機会、ここでは神社や寺院のご利益も踏まえた選び方を紹介します。
旧地理での各国(地域)で最も高い格式を誇るのが一の宮。例えば武蔵国(現在の東京都と、埼玉県・神奈川県の一部)の一の宮は氷川神社(埼玉県さいたま市)です。現在の都道府県とは違い、例えば静岡県は遠江国・駿河国・伊豆国に分かれそれぞれに一の宮があります。この機会に、自分の住んでいる地域や故郷の一の宮を確認してみませんか。
全国の神社でもっとも多いとされ、その数は4万社以上と言われる八幡宮(八幡神社)。武運長久の神・八幡大神(やはたのおおかみ)を主祭神とすることから、古くから武将に信仰されることが多い神社です。2024年に大切なスポーツの試合や社運を賭けたプロジェクトなど「勝負」を控えており、絶対に勝ちたい人におすすめの神社です。
五穀をつかさどる宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)と同一神とされる稲荷大神(いなりのおおかみ)を祀る稲荷神社。こちらは五穀豊穣を願う農民からの信仰を集めてきた存在です。家内安全や商売繁盛にもご利益があるとされ、現代では会社経営者も信仰する人が多い神社。2024年に新規開業する人や、新型コロナウイルスの影響から抜け出したい事業主の方におすすめの神社です。
学問に秀で政治家として京都の中枢で活躍しながらも九州に左遷され、無念の死を遂げた菅原道真。死後に天満大自在天神(てんまんだいじざいてんじん)として神格化され、天満宮に祀られました。総本宮は太宰府天満宮(福岡県太宰府市)とも北野天満宮(京都府京都市)ともいわれますが、いずれも学問の神様として多くの人の信仰を集めています。2024年に進学や資格取得の試験を控えている人に、おすすめの神社です。
家族・親戚やご自身が闘病や治療中という人もいるのではないでしょうか。こうした人におすすめの仏様が薬師如来。その名の通り、病気平癒のご利益があるとされています。醍醐寺(京都府)・薬師寺(奈良県)などが、薬師如来を御本尊とする代表的な寺院です。
2023年は災難続きだった、あるいは2024年に厄年を迎えるという人におすすめの仏様が十一面観世音菩薩です。あらゆる方向からの、多くの人々の願いを聞き入れてくれるありがたい存在で、厄除けにご利益があるとされています。聖林寺(奈良県)・西新井大師(東京都)などが、十一面観世音菩薩を御本尊とする代表的な寺院です。
誰もが人生で少なくとも一度は(場合によっては数度)願う恋愛成就。多くの明王は煩悩を断ち切るために厳しい表情をしていますが、愛染明王は人々の苦しみに寄り添って血の涙を流して真紅の姿になったという敬愛の仏様。煩悩の中でも「愛欲」を浄化してくれる存在です。千光寺(徳島県)・愛染堂勝鬘院(大阪府)などが、愛染明王を御本尊とする代表的な寺院です。
2024年に出産を迎える人や、小さなお子さんがいるご家庭におすすめの仏様が、子授け・安産・子育て(こやす)にご利益があるとされる鬼子母神です。元々は子どもを食べる女鬼でしたが、仏様として祀られることによって子どもを守るご利益を持つようになったという珍しい出自。法華寺(兵庫県)などが、鬼子母神を御本尊とする代表的な寺院です。
初詣を兼ねて「山を歩く」というと色々な装備が必要では?と思うかもしれませんが、今回ご紹介するコースは登山靴や大きなザックは不要。歩きやすい靴と防寒を考慮した服装が揃っていれば、初詣とあわせて楽しく歩けるハイキングコースを厳選しました。
選定基準は以下の通りです。
・歩行時間:2時間半以内
・歩行距離:5km以内
・上り累積標高差:300m以下
※一部、上記基準を超えるコースもあります。
初詣ハイクの注意点
・積雪などがある場合、低い山でも事故の危険があります。状況に応じて、無理な行動は慎みましょう。
・寺社の駐車場は参拝客に向けたものがほとんどです。登山の場合は、近隣のコインパーキングなどの活用も検討し、迷惑をかけないようにしましょう。
・寺社によっては拝観料などがかかる場合があります。現地案内に従いましょう。
冷え込みも厳しいこの時期、天候や気象条件によってはコースが積雪・凍結していることも。こうした場合は転倒などのリスクもあるため、山麓での初詣だけに留めた方が良い場合もあります。
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※神社・寺院の開門日や時間、参拝料などは事前にご確認ください
トップ画像:ふじ爺さんの活動日記より
編集協力:鷲尾 太輔
YAMAP MAGAZINE 編集部
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