あなたの登山の満足度を上げる|身体のコンディショニングとリカバリー

「登山は楽しいけど、大変」と思ったことがある人は多いはず。では、なぜ大変なのでしょうか? 登山の運動強度はサッカーやテニスに並ぶほど高く、じつはとてもハードな運動。さらに、険しい道や天候の急変など厳しい環境ですから、気を付けるべきことがたくさんあるんです。

山岳ガイドの笹倉孝昭さんは、「そんなハードな運動だからこそ、登山前後の体調管理やリカバリーなど、身体のコンディショニングが重要なんです」と言います。安全で楽しい登山のために、みなさんも一緒に登山のためのコンディショニングを考えてみませんか。

なお、記事の最後にYAMAPユーザー限定で、コンディショニングに役立つ「ボディメンテ(ドリンク×6本・ゼリー×3袋)」のモニターになっていただける方を、100名募集しています。ぜひ記事の最後までお読みください。

2023.08.01

池田 菜津美

ライター

INDEX

登山は「身体を酷使する」運動だ


まずは、山岳ガイドの笹倉孝昭さんに「登山の運動強度費」について説明してもらいましょう。

―私の山の楽しみは山頂に立ったときの達成感。何事にも代えがたい醍醐味なんですが、家に帰ったとたん、その場から動きたくなくなる…なんてことも、実はよくあります。

笹倉さん:登山はハードな運動であることは、みなさんご存じだと思いますが、なぜハードなのかを少し分析してみましょう。

登山はなぜハードな運動なのか?

目的地まで標高差がある 坂道や階段を歩くため、エネルギー消費は普段の歩行よりも高い
荷物を背負って歩く 荷物の重さの分だけエネルギー消費は増加する
活動時間が長い 身体に負担がかかりやすく、精神的にも変化が出やすい
ストップ&ゴーを繰り返す エネルギー消費量の差が激しいため、体温の維持が難しく、身体への負担がかかりやすい

 

笹倉さん:一般的にサッカーやテニスのプレイ中は、座っている時の7倍のエネルギーを消費すると言われています。登山もそれと同等の負荷が身体にかかっています。
*参考:『登山の運動生理学とトレーニング学』山本正嘉(東京新聞出版局)

―荷物を背負っている分、エネルギー消費、つまり運動強度も高いということですね。

笹倉さん:そうです。しかも重さだけでなく、その重さが身体から離れたところにあるというのも運動強度が高い要因になっています。人の身体の重心はみぞおちとへそにあると言われますが、それにプラスしてバックパックにも重心がある。身体とバックパックの重心のバランスを取りながら歩くため、さまざまな筋肉を使うことになるので、さらに大変なんです。

―活動時間が長いというのも、登山の特徴ですよね。4時間程度のハイキングから、8時間程度の本格登山まで。こんなに長い時間、運動し続けるスポーツはマラソンくらいしか思いつきません。

笹倉さん:徐々に身体は動きにくくなりますし、長時間の運動によって精神的な変化もでてきてしまいます。

―登山は休憩をこまめにはさみながら行動しますが、ストップ&ゴーを繰り返すというのもハードな運動の要因の1つですよね?

笹倉さん:理想はずっと動き続けること。なぜかというと、休憩をはさむことで体温の維持が難しくなってしまうからなんです。運動中は筋肉を動かして体温が上がり、オーバーヒートしないように汗をかいて気化熱で体温を下げようとします。しかし、休憩中はその汗が必要以上に体温をうばっていく。こうして体温が変動してしまうことが、身体に負担をかけていきます。

登山は「取り巻く環境が厳しい」

笹倉さん:さらに、登山は他のスポーツに比べ、環境が厳しいという点も特徴です。

厳しい環境と身体との関わりとは?

道が険しい 身体を支えるために、さまざまな筋肉を使う。
天候が厳しく、変化が激しい 体温の維持が難しい。
標高が高い 空気が薄く、酸素を取り込む能力が求められる。
安全圏外で行動しなければならない 行動時間が長い中で、緊張を維持する必要がある。

 

―たしかに、舗装された道と山道では、長時間歩いたあとの負荷にも違いがでますよね。

笹倉さん:山道は岩や雪が露出しているときもありますし、そもそも舗装された道や階段ではないので、1歩ずつ、その路面状況に合わせて身体を動かす必要があります。じつは足だけでなく、腰や体幹など、全身を使ってバランスを取りながら歩いているんです。さらに、街中を歩くのと違い、下りも上りもですが、片足で身体を支える場面も多いんです。

―全身をくまなく使って運動強度が高いのは大変ですよね。天候の厳しさも登山特有のものですね。

笹倉さん:運動中に雨が降ることで身体が冷えていきますし、風が加わると体感温度はぐんと下がります。さっきまで晴れていて暑かったのに、急に雨が降って寒くなるような、変化が激しいことも身体にひびいてきます。気温の変化も同様で、たとえば先日、剱岳を歩きましたが、出発時は気温が5℃だったのが山頂付近では27℃もありました。

―標高はどうですか?

笹倉さん:標高2,500mくらいになると、その分空気が薄くなります。標高3,000mくらいでは、平地の3分の2くらいの酸素量になると言われています。そのため、酸素をたくさん取り込む能力が求められます。

―酸素を十分に取り込めないと、身体にさまざまな変化が出てきてしまうんですよね?

笹倉さん:そうですね。標高2,500mくらいからは、事前に少し身体を動かして、空気が薄い状況に慣らすことも大事です。

―安全圏外で行動しなければならないというのは、身体にどういった影響があるのでしょうか。

笹倉さん:山の中での安全圏は山小屋ですが、たどり着くまでに何時間も歩く必要があり、運動時間は必然的に長くなります。また、先に挙げたように、天候が変化するなか、険しい路面を歩かなくてはならないので、肉体的にも精神的にも負担がかかります。

登山には「運動前後のコンディショニングやサポート」が必須

―登山から帰ってくると、もうこれ以上動きたくなくなる、といったこともありましたが、こんなに厳しい環境下でハードな運動をこなしているのだから当然ですね…。

笹倉さん:そうなんです。だからこそ、事前からのしっかりとした計画・準備と、運動後のサポートが必要になります。日帰りの登山であれば、そこまで大きな問題はないかもしれませんが、1泊2日、2泊3日となるとそうはいきません。今日やり切れば、明日からはどうでもいいというのでは困ります。明日もできるだけ100%の状態で臨めるように、コンディションをキープしたいですね。そもそも、今日100%出せるように、前日、あるいは日々の生活から体調を整えておくことも重要です。

―2泊3日の登山や、テント泊の山行など、ハードな登山のときはなおさらですね。

笹倉さん:登山の際は、できるだけ万全な体調で臨み、登山期間中も、パフォーマンスを維持するためにコンディションを整える必要があるんです。それに加えて、筋肉のコンディションのサポートも心がけたいですね。

―身体のメンテナンスだけでなく、環境の変化によって緊張状態が続きますし、精神面でのフォローも重要ですか?

笹倉さん:登山中は気持ちが張り詰めることもあるので、山小屋についたらリラックスする時間を取れたらいいですね。

 

笹倉さん実践の「コンディショニング術」とは


笹倉さん:コンディションをキープするために、バランスの良い食事やきちんと睡眠をとることはもちろんですが、忘れてはいけないのが、登山前から登山後まで登山全体を通しての水分補給です。運動後のコンディショニングにおいては、失われた水分を補うためにも、水分をしっかり摂ることが大事ですね。水分といっしょにナトリウムやカリウムなどの電解質も失われているので、イオン飲料など、吸収しやすい電解質バランスの水分で補うのがよいでしょう。

―他にもコンディションをキープする方法はありますか。

笹倉さん:登山は長時間にわたるので、登山前から登山中、登山直後に筋肉のエネルギー源になる必須アミノ酸のBCAAやアルギニンなどのアミノ酸を摂ることもおすすめです。清涼飲料水や粉末タイプの飲料、顆粒タイプなど携帯性に優れたものもあり、最近は登山でも取り入れている人を多く見かけるようになりました。

―はい、私もきつい登山の時はスティックタイプの顆粒タイプを飲んだりしています。笹倉さんが実際に使っている製品などはありますか?

笹倉さん:私が使っているのは「ボディメンテ ゼリー」という製品です。お話しした「BCAA+アルギニン」や、BCAAを豊富に含み吸収速度も速い「ホエイタンパク」が入っているほか、体調管理をサポートする働きのある「乳酸菌B240」が入っているので、コンディションを整えるのに役立ちます。

―ハードな運動のサポーターとして、プロアスリートも取り入れている製品なんですね。

笹倉さん:乳酸菌は日ごろから習慣的に摂るのが良いようで、私は標高の高い登山や、高低差がある登山、行動時間が長い登山などで使っているのはもちろん、登山前からの日常生活にも取り入れるようにしています

―ヨーグルト味で、飲みやすそうですね。

笹倉さん:ボディメンテシリーズにはゼリーのほかドリンクタイプもあります。

―ドリンクは飲んだことがあります。さっぱりしていて、口の中に残らないのがいいですよね。

笹倉さん:すっきり飲みやすくて、体液に近い電解質バランスなので、登山中の水分補給にもおすすめです。

―乳酸菌B240が入っているので日々の体調管理にもよさそうですし、熱中症対策にもよさそうですね。

笹倉さん:ボディメンテ ゼリーとドリンクのほかにも、乳酸菌B240を1粒で20億個摂れる「乳酸菌B240タブレット」という製品もあります。乳酸菌B240を摂れるというのは、ボディメンテ ドリンクやゼリーと同様です。乳酸菌B240は、日々の体調管理をサポートするもの。登山前からコンディショニングを整えておくことはとても大切なので、私自身、継続的に日々の生活に取り入れることで体調維持につながっている感じです。

―登山で「今日100%出す」ために、日々の生活から体調を整えておくのに役立ちそうですね。

笹倉さん:私はボディメンテ ドリンクを普段の生活に取り入れて、ボディメンテ ゼリーは登山に向けたトレーニング時期における日常生活やハードな登山後など、リカバリーのサポート用途で使っています。軽量な乳酸菌B240タブレットは、登山や出張などに持ち歩いています。

―ボディメンテや乳酸菌B240タブレットは、日々の体調管理や運動前後のコンディションキープといったかたちで、登山の心強いサポーターになりそうですね。今までは「登山って結構体力使うよなぁ」くらいに思っていたのですが、他のスポーツに引けを取らない激しい運動なのに、身体のコンディションのことを何にも考えてこなかったなぁ…と反省しました。

笹倉さん:登山によってはプロのアスリートに並ぶくらい、ハードな運動になりますしね。ぐっすり眠る・よく食べるといった日々の体調管理など身近なところを見直すとともに、ボディメンテや乳酸菌B240タブレットなども上手に活用して、登山を安全に楽しみましょう。

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大塚製薬「ボディメンテ ドリンク」&「ボディメンテ ゼリー」|YAMAPユーザーモニター100名大募集

今回の記事で紹介した「ボディメンテ ドリンク(6本)」&「ボディメンテ ゼリー(3袋)」のモニターになっていただけるYAMAPユーザーを100名募集します。

モニターに選定された方は、「ボディメンテ ドリンク(6本)」および「ボディメンテ ゼリー(3袋)」を実際に使用し、後日アンケートにご回答いただきます。当選人数が100名と大盤振る舞いのユーザーモニター募集企画です。募集期間は8月31日までとなりますので、奮ってご応募ください。募集の詳細は以下のリンクから。

教えてくれた人:山岳ガイド 笹倉孝昭さん(JMGA認定 山岳ガイドステージ2)
国内の登山はもとより海外のビッグウォールクライミング、アイスクライミングなど幅広く活動する。2002年より山岳ガイドとして活動を開始。剣岳、穂高岳、八ヶ岳などのバリエーションルートのガイディング、奥秩父小川山などでのクライミングスクールを行っている。

監修:笹倉孝昭
原稿:池田菜津美
イラスト:ナカオテッペイ
協力:大塚製薬

池田 菜津美

ライター

池田 菜津美

ライター

子供向けの自然科学の本や、図鑑の編集などを行う。子供の頃から外遊びが好きで、山菜採りや野鳥観察、雑草探しに興じていた。現在は自宅裏の神社で鳥&昆虫を愛でるのを日課とし、近所の自然公園へぶらりと植物探しに出かけることも。今も昔も相変わらず、生き物の暮らしや生態に感心しながら、それとのふれあいを楽しんでいる。著書に『飼育員さん教えて!みんなどきどき動物園』『飼育員さん教えて!みんなわくわく水族館』(新 ...(続きを読む

子供向けの自然科学の本や、図鑑の編集などを行う。子供の頃から外遊びが好きで、山菜採りや野鳥観察、雑草探しに興じていた。現在は自宅裏の神社で鳥&昆虫を愛でるのを日課とし、近所の自然公園へぶらりと植物探しに出かけることも。今も昔も相変わらず、生き物の暮らしや生態に感心しながら、それとのふれあいを楽しんでいる。著書に『飼育員さん教えて!みんなどきどき動物園』『飼育員さん教えて!みんなわくわく水族館』(新日本出版社)、『ときめくヤマノボリ図鑑』(山と溪谷社)など。